最終更新日 24/10/17
システム開発

ノーコードツール「FlutterFlow」とは?機能や料金、活用事例を解説

FlutterFlowシステム開発
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引用:FlutterFlow公式HP

短期間でアプリやWebを開発する際に重宝する「ノーコードツール」。その中でも「FlutterFlow」は、機能性やデザインの面で多くのエンジニアから高い評価を受けています。

しかし、「FlutterFlowの具体的な機能がわからない」「どんな場面で使うのが最適なのか悩んでいる」という方も多いかもしれません。

この記事では、そんな「FlutterFlow」について、その機能や料金、活用事例をわかりやすく紹介します。「FlutterFlowを使うことで何ができるのか」「どのようなシーンで活用すべきか」が理解でき、アプリやWeb開発の第一歩をスムーズに踏み出せるはずです。

FlutterFlowとは: 高品質なアプリを簡単に作れるノーコードツール

引用:FlutterFlow公式HP

「FlutterFlow」は、Google出身のエンジニアであるAbel氏とAlex氏によって開発されたノーコードツールです。

最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても直感的なGUI操作で簡単にアプリを開発できる点にあります。初心者でもスムーズに操作できるため、アプリ開発を手軽に始めることが可能です。

さらに、他のシステムと連携しやすく、デザイン性にも優れていることから、機能面でも高く評価されています。FlutterFlowで作成したアプリは、Android / iOS / Web / Windows / macOS / Linuxという6つのプラットフォームに対応しており、さまざまな環境で活用できます。

また、コードを書いて高度な機能を実装することもできるため、初心者だけでなく、開発の効率化を図りたいプロの開発者にも最適なツールです。

Flutterとは:Googleが開発したオープンソースのフレームワーク

「Flutter」は、Googleが開発したオープンソースのフレームワークで、主にAndroidやiOS向けのアプリを同時に開発できるクロスプラットフォームツールです。JavaScriptの代替としてGoogleが開発したプログラミング言語「Dart」で構築されており、直感的で使いやすい点が大きな魅力です。

FlutterFlowというツールを使って開発されたアプリは、実際には裏で自動的にFlutterのコードが生成されます。このため、FlutterFlowを使えばiOSやAndroidだけでなく、Webなど複数のプラットフォームに対応したアプリを簡単に開発することが可能です。

従来は、iOSとAndroidで別々の言語を使ってアプリを開発する必要がありましたが、Flutterを活用することで、開発工数やコストを大幅に削減することができます。

FlutterFlowの特徴・強み

FlutterFlowの特徴をまとめると、大きく5つあげられます。

<FlutterFlowの特徴>

  1. 複雑なロジックにも対応可能
  2. iOS / Androidなどさまざまなプラットフォームに対応
  3. コードを書くことで高度な機能も開発可能
  4. ソースコードをダウンロード可能
  5. OpenAIなど、さまざまなサービスと連携可能

詳細な機能などが知りたい方は、ぜひ次の記事を参考にしてください。

①複雑なロジックにも対応可能

FlutterFlowはノーコードとは思えないほど、複雑なロジックに対応できます。実際に他のノーコードツールと比較しても、かなり高度なアプリ機能を実装することが可能です。

またデザインの自由度も高く、ゼロからアプリを開発した場合(スクラッチ開発)と同レベルの完成度を実現できるでしょう。

FlutterFlowにおける条件分岐のイメージ(引用:https://liginc.co.jp/634161)

② iOS / Androidなど、さまざまなプラットフォームに対応

FlutterFlowはAndroid / iOS / Web / Windows / macOS / Linuxと、6つのプラットフォームに対応しています。

一方で、他のノーコードツールでは、「Webアプリは作れるけどネイティブアプリは作れない」といったケースも少なくありません。

FlutterFlow上でアプリを開発するだけで、AppStore / GooglePlayの両方で公開できるのはやはり魅力的です。

③コードを書くことで高度な機能も開発可能

FlutterFlowはノーコードツールとしてはもちろん、ローコードツールとしても活用できます。具体的にはFlutterを記述することで、高度な機能を開発することが可能です。

「複雑な機能を実装できない」というノーコードツールの弱点を補える点は、FlutterFlowの大きな魅力の1つでしょう。

④ソースコードをダウンロード可能

他のノーコードツールにはない、もう1つのFlutterFlowの圧倒的な強みが、ソースコードをダウンロードできる点です。

ノーコードツールは基本的にそのツール内だけで開発するため、そのツールで実装できない機能はそれ以上改善の余地がありません。そのため、あるところまでアプリが成長すると、「ノーコードアプリを捨ててゼロから作り直す」という流れが定番でした。

しかし、FlutterFlowはソースコードをダウンロードできるため、ゼロから作り直す必要がありません。まずはFlutterFlowで迅速にMVP(実用最小限のプロダクト)を開発して、必要な機能が出てきたらFlutterを使って機能拡張していくといった使い方ができます。

⑤Geminiなど、さまざまなサービスと連携可能

FlutterFlowはGeminiやGitHub、Firebase*など、さまざまなサービスと連携することが可能です。

そのため多くの便利機能を利用でき、たとえばGeminiとの連携機能では、テキストで指示するだけでAIがコードを自動生成してくれます。

Firebase*:Googleが提供するモバイル・Web開発プラットフォーム。簡易的にアプリのバックエンドを作成することができます。

FlutterFlowの料金プラン

個人向けの月払い料金プラン(引用:FlutterFlow公式HP)

FlutterFlowでは個人向け・法人向けに料金プランが設けられており、無料版も用意されています。無料版の機能性は十分に高く、デプロイ(アプリの運用を開始する)直前まで進めることが可能です

なお月払いと年払いで料金形態が異なっており、年払いの方が約30%安く利用できます。

プラン名月額料金(月払い)おすすめのケース主な機能
Free$0簡単なアプリの開発、FlutterFlowの訓練Firebase連携、動作確認、テンプレート利用
Standard$30アプリのデプロイ、Webアプリの公開ソースコードのダウンロード、APKのダウンロード
Pro$70ローカルでの編集が必要なプロジェクト、Apple/Googleでスマホアプリの公開Github連携、公式サポート、アプリの多言語対応
Teams$70複数人での共同編集が必要なプロジェクト複数人での共同編集
Enterprize要問い合わせ法人利用(年間収益1000万ドル超の企業のみ)セキュリティ・コンプライアンスのサポート

FlutterFlowの活用事例

FlutterFlowで設計された「Atlas」というアプリの画面(引用:App Store)

FlutterFlowの活用事例として、以下があげられます。

  • Atlas:クレジットカードアプリ
  • SparkCharge Mobile:電気自動車の充電配送サービスアプリ

なお、FlutterFlowのYouTubeチャンネルでは、過去に開発されたアプリについてショートムービーで共有しています。FlutterFlowで制作したアプリの雰囲気を掴みたい方は一度確認してみてください。

FlutterFlowはどんな人におすすめ?

FlutterFlowは次の方におすすめです。

  • エンジニア初心者
  • 新規サービス開発者

エンジニア初心者

FlutterFlowはエンジニア初心者におすすめです。

簡単にUI・バックエンドを構築できるため、完成品までの道のりが短く、「アプリ作りで何を考える必要があるのか」と全体感を押さえるうえで役立つでしょう。

少し慣れてきたら、Custom FunctionsでDartの関数を書いてみたり、落としてきたソースコードを使ってローカル環境で書き換えたりして、さらに学習を進めることもできます。

意欲の強いエンジニアにとっては、スキルアップの足がかりになるでしょう。

新規サービス開発者

FlutterFlowはエンジニア経験者の中でも、「自分のポートフォリオを作ってみたい」「新しくアプリを作って起業したい」と思っている方にお勧めです。

ゼロから自分でアプリを開発すると多大な時間を要しますが、FlutterFlowであれば、UI・拡張機能を高速で組むことができます。そのためプロトタイプによるモバイルアプリ構築など、すばやくアプリ開発を行いたい場合に非常に有用です。またFirebaseと連携すれば、バックエンドとの連携も容易になります。

「面倒なことはFlutterFlowにやらせて、難しい高度な機能だけ自分で作成する」といった使い方がおすすめです。

FlutterFlowはどんな人に向いてない?

FlutterFlowは、以下のような場合に向いていません。

<FlutterFlowが向かない場合>

  • 既存サービスの開発者・運用者
  • Firebase・Supabase以外のバックエンドを採用したい人
  • 英語が読めない人
  • 完全なエンジニア未経験者

既存サービスの開発者・運用者

既存のFlutterプロジェクトに、FlutterFlowで開発した機能をするのはおすすめしません。

FlutterFlow製のコードは独自のライブラリやデザインシステムを採用しているので、依存関係もまとめて移植する必要があります。

バージョンアップにより変更される可能性もあるため、FlutterFlowは全く新しいアプリの開発に利用するのが最適でしょう。

Firebase・Supabase以外のバックエンドを採用したい人

FlutterFlowは、FirebaseやSupabase以外のバックエンドを使用したい場合にはあまりおすすめできません。反対にFirebaseやSupabaseとの連携は非常にスムーズに行えるため、これらのサービスを利用することが推奨されます。

もちろん、自前でバックエンドを構築し、API連携で利用することも可能です。しかし、開発スピードを重視すると、スクラッチでの開発と同等か、場合によってはスクラッチの方が効率的だったと感じるケースもあります。

そのため、迅速な開発を求めるなら、基本的にはFirebaseやSupabaseを利用するのがベストな選択です。

英語が苦手な人

FlutterFlowは、英語が苦手な方にもおすすめしづらいです。

FlutterFlowは米国のサービスなので、公式のサポート・ドキュメントは英語で記述されています。日本語が一切登場しないので、英語が読めないと機能をうまく活用できず大変でしょう。

完全なエンジニア未経験者

FlutterFlowは、完全なエンジニア未経験者にも向いていません。

ノーコードツールのためプログラミングの知識がなくてもアプリを開発できますが、基本的な予備知識が多少必要になるため、全くの初心者には向かないでしょう。

一方、「Bubble」といった他のノーコードツールでは、外部連携サービスが豊富に用意されており、ロジックも視覚的に組み立てられるため、完全な初心者でも安心して使うことができます。ただし、Bubbleは利用料金が高めなので、コスト面には注意が必要です。

Bubbleについてくわしく知りたい方は、次の記事を参照してください。

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