最終更新日 24/07/05
海外スタートアップ

【アイファーム】日本のイチゴをアイスランドの植物工場で生産

農業食品
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(引用:https://www.ifarm-inc.com/)

アイファーム株式会社(以下、アイファーム)は、日本のいちごをアイスランドの植物工場で生産し、欧州の人々へ採れたてのいちごを届けるスタートアップです。

「美味しく安全な『日本生まれの農作物』を世界へ」をミッションに掲げ、欧州No.1のいちご生産者を目指しています。

事業内容:アイスランドの植物工場で日本のイチゴを生産

(引用:https://www.ifarm-inc.com/)

アイファームは、アイスランドの植物工場で日本品種のイチゴを生産しています。

日本国内だけでなく、海外でも高いブランド力を誇る、甘くて美味しい日本のいちごを日本の技術力を駆使して生産します。

アイスランドで生産されたイチゴは「ICHI-GO」と名付けられ、アイファームは欧州の人々に高品質な日本のいちごを届けています。

なぜアイスランドなのか

(引用:https://www.ifarm-inc.com/)

アイファームがアイスランドに着目した理由は以下の通りです。

  • 自然エネルギーの豊富さ
    • アイスランドの電力はほぼ100%が自然エネルギー*で、電気料金は日本の約3分の1*です。環境に負荷の少ない自然エネルギーを活用して、気候に左右されず安定的かつ計画的に、持続可能な食料生産システムを作ることができます。※出典:GlobalPetrolPrices.com  ※出典:自然エネルギー財団
  • 立地の良さ
    • FTA*締約国であり、近隣諸国への販売も可能です。イギリスやフランスなども飛行機で約3.4時間という好立地です。 ※FTA(= Free Trade Agreement):自由貿易協定
  • 富裕層の多さ
    • アイスランドは平均賃金が世界第1位*で、富裕層も多いのが特徴であり、高級いちごのブランドを構築するのに適した立地です。※出典:OECD

なぜ「いちご」なのか

(引用:https://www.ifarm-inc.com/)

日本のいちごは甘味が強く、酸味とのバランスが取れたジューシーなものが多く出回り、海外からも人気があります。

さらに日本には約300種類のイチゴがあり、世界の半分以上の品種が日本産と言われています。

そのため日本のいちごは、味や質の面で大きな差別化を図ることが可能です。

なぜ「植物工場」なのか

(引用:https://www.ifarm-inc.com/)

本来いちごの生産に適しているのは夏のみですが、LEDと養液を使った密閉空間の植物工場であれば、1年を通していちごを生産することが可能となります。

また、外部環境に影響されない管理方法により、農薬を減らし、品質や生産量においても安定した供給が可能となります。

沿革:堀江貴文氏もアドバイザーに就任するなど、事業拡大中

アイファームは2022年11月に飯野 恵多氏によって創設され、これまで日本のいちごを欧州の人々に届けるために事業を展開してきました。

2023年4月には、実業家堀江 貴文氏がアイファームの事業アドバイザーに就任しました。

アイファームは堀江 貴文氏の戦略面・事業面のアドバイスを活かして、事業のスピード加速および早期事業拡大を目指すことを発表しました。

同年6月には、アイファームの100%出資海外子会社「iFarm Iceland ehf.」を設立し、アイスランドでのいちご生産事業を本格的に開始しました。

2023年10月には、アイスランドにていちごの栽培を開始するなど勢いを増しており、今後も事業拡大を目指していきます。

資金調達:クラウドファンディングを中心に累計約1.3億円の資金調達

アイファームはこれまで、複数回の資金調達を達成しており、累計調達額は約1.3億円です。

2024年4月には、株式投資型のクラウドファンディングサービスFUNDINNOにおいて7000万円の資金調達を実施しました。

同社はこの資金をもとに、プロモーション・ブランディング強化を進めていきます。アイスランド国内でのプレゼンス向上を図るとともに、アイスランド産日本品種高級いちごとしてポジションの確立を目指す方針です。

市場規模:世界の植物工場市場は2036年までに約1610億米ドル規模まで拡大

(引用:https://www.sdki.jp/reports/plant-factory-market/115233)

SDKI.jpの「世界の植物工場市場に関する調査レポート:予測2024―2036年」によれば、植物工場の市場規模は2023年に約1185億米ドルと評価されています。

そして、この市場は、予測期間中に約7.2%のCAGRで成長し、2036年までに約1610億米ドルに達すると予測されています。

同社に限らず、国内外の多くの企業が植物工場マーケットに参入していることからも、植物市場の注目度の高さが伺えます。

主な主要企業には

  • Aerofarms(エアロファーム)- 独自のエアロポニック技術を持つ屋内農業会社(米)
  • Brightfarms – 地元産、非遺伝子組み換え、無農薬の新鮮なサラダ菜を栽培を行う屋内農業会社(米)。
  • Gotham Greens – 新鮮な地元の無農薬野菜を栽培する都市農業会社(米)。
  • Bowery Farming – 米国最大の垂直農業およびデジタル農業企業(米)
  • kubota – 世界有数の農業機械メーカー(日)。安定的で効率的な食料供給のために植物市場も展開。

などが含まれています。

将来展望

アイファームは今後、現在のイチゴ生産事業をより拡大していく予定です。

そのためにまずは、生産したいちごをイギリス・フランスの飲食店へ販売することを目指しています。特に、ミシュラン星付きレストランや和食店などに提供する予定です。

また、いちご狩り体験など、アイスランドの地元の人々をターゲットにした観光サービスを提供することも視野に入れています。

これらのシステムを確立した後は、同様の生産システムを他国に展開することを目指しています。サウジアラビアやUAEなどの中東地域や、ケニア・エチオピアなどのアフリカ地域への進出を目指しています。

会社概要

会社名:アイファーム株式会社

所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座1−22−11 銀座大竹ビジデンス2階

資本金:2330万円(2023年8月31日現在)

設立年月日:2022年11月21日

代表:飯野 恵多

HP:https://www.ifarm-inc.com/

まとめ

本記事では、日本のいちごをアイスランドで生産するアイファーム株式会社について紹介してきました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

ニューヨークを拠点に日本のイチゴを生産するOishii Farmについてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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