2019年に西和田浩平氏が設立したアスエネ株式会社(以下、アスエネ )を紹介します。 カーボンニュートラルが宣言され、脱炭素が目指される社会で、アスエネは、日本の脱炭素領域を牽引する企業です。 本記事では、アスエネの事業内容や、気候テック領域の市場規模などを紹介します。
アスエネとは
アスエネは「次世代によりよい世界を」をミッションとする企業です。現在は、「アスエネ*」「アスエネESG」「アスエネメディア」を運営しています。
「アスエネ*」:本記事では企業名をアスエネ、サービス名を「アスエネ」と表記します。
アスエネの事業内容①:「アスエネ」
「アスエネ」は企業向けの、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。「アスエネ」は、サプライチェーン全体におけるCO2排出量の把握や削減、ステークホルダーへの報告を実現します。
- 見える化
排出源に応じた約1万件のデータが搭載されており、サプライチェーン全体のCO2排出量を算出します。 - 削減
コンサルタントが、削減施策や排出権取引・オフセットの実行を支援します。 - 報告
国内の法令や、様々な国際基準に対応したレポートの作成を支援します。
アスエネの事業内容②:「アスエネESG」
「アスエネESG」は、持続的なサプライチェーン調達のためのESG評価クラウドサービスです。
- 評価依頼企業/バイヤー
サプライヤーのESG改善や、ESG評価の高いサプライヤーを調達することができ、ESGを考慮したサプライチェーンの構築が可能となります。 - 被評価企業/サプライヤー
ESG改善のためのアドバイスを受けたり、自社のESG評価を外部にPRすることが可能です。
アスエネの事業内容③:「アスエネメディア」
「アスエネメディア」は、法人向けの「環境情報を基礎から解説するサイト」です。英語で発信されることが多い、気候変動についての最新情報を発信し、日本企業の気候変動リテラシー向上を目指します。
アスエネの資金調達
アスエネは、シード期に0.75億円、シリーズAで3億円、シリーズBで27億円を調達。2023年10月に金融機関から、融資枠を含み、総額20億円を調達し、累計資金調達額は約51億円に達しました。
アスエネの市場動向
SPEEDA EDGEの試算によると、米国における気候テックの市場規模は、2020年時点で168億ドル(1兆8480億円)。これが2025年には保守的な予想では207億ドル(2兆2770億円)、標準的な予想で242億ドル(2兆6620億円)、最大に拡大した場合、301億ドル(3兆3110億円)になるとしている。https://initial.inc/articles/climate-tech
日本企業の気候変動対策への認識は遅れています。気候変動に関する最新情報は英語圏からの発信が多く、言語的な問題が原因です。そこで、アスエネは「アスエネメディア」で気候変動対策の必要性を啓蒙します。カーボンニュートラル宣言やコーポレートガバナンスコードの改訂なども後押しとなり、国内市場の今後の拡大が期待されるでしょう。
アスエネの将来展望
「世界No.1に向けた壮大な目標に挑戦する」の眼前の目標として、アスエネは、「グリーン・ジャイアント」を目指します。「グリーン・ジャイアント」とは、脱炭素領域における日本・アジアのリーディングカンパニーを指す言葉です。現在では、アジアのビジネス活動のハブとなっているシンガポールにも法人を設立しています。 また、アメリカにも法人を設立しており、アジア以外に向けても拡大中です。