最終更新日 25/02/10
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【トリビュー】美容医療の”リアル”な情報を提供!「ありたい自分」をサポートする注目のスタートアップ

ITヘルスケア
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累計流通額200億円・月間利用者数37万人を記録する「トリビュー」(引用:Note|トリビュー)

近年、メンズメイクが一般的になったり、韓国コスメが広く流通するようになったりと、美容に対する関心が大きく高まっています。特に、コロナ禍を経てオンラインでのコミュニケーションが主流になり、多くの人が自分の容姿を客観的に見る機会が増えたことが、この美容ブームの背景にあると考えられています。

その中で、美容医療を検討する人も増加しました。しかし、身体に直接関わる施術であるため、「どの施術が自分の悩みを解決してくれるのか」「どのクリニックなら信頼できるのか」といった疑問を抱え、慎重に検討したいと考える人も多いでしょう。しかし、適切な情報が不足しているために、どこから調べればよいかわからず、困っている人も少なくありません。

こうした問題に取り組んでいるのが、スタートアップ企業「株式会社トリビュー」(以下、トリビュー)です。同社は、美容医療に関する口コミ・予約アプリ「トリビュー」を運営し、ユーザーが安心して施術を受けられるようサポートしています。

また、2024年10月にトリビューは17億円の資金調達を成功させ、業界内外から注目を集めました。今回は美容医療の領域で活躍するトリビューについて、その事業内容や資金調達を解説します。

事業内容:美容医療の口コミ・予約アプリ「トリビュー」を運営

施術選びにおいて欠かせない”リアル”な情報がわかる「トリビュー」(引用:トリビュー公式HP)

トリビューは、累計150万ダウンロードを記録する国内最大級の美容医療の口コミ・予約アプリ「トリビュー」を提供しています。このアプリを利用すれば、美容外科・美容皮膚科・審美歯科に関する口コミの検索や施術内容の確認、さらにはクリニックの予約まで、すべてを1つのプラットフォーム上で完結できます。

「トリビュー」の最大の特徴は、施術選びに必要な”リアルな情報”を提供している点です。美容医療にはさまざまな施術があり、それぞれ侵襲度(身体への影響)やダウンタイムの長さ、費用が異なります。そこで、利用者は他の人の口コミや相場価格、施術後の満足度といった貴重な情報をもとに、納得のいく施術を慎重に選ぶことができるよう設計されています。

「トリビュー」では施術やクリニックの口コミを確認できるほか予約なども可能(引用:PR Times)

さらに、「トリビュー」ではクリニック・医師に関する口コミや予約情報を常に公開。クリニック・医師はそれぞれの得意分野が異なるため、利用者が自分の悩みや希望に合った専門的な美容クリニックや医師を見つけやすいように工夫されています。

さらに、「満足のいく美容医療を体験してほしい」という想いから、同社はすべての口コミを厳正に審査し、ネガティブな口コミも削除せずに公開。特定のクリニックへ誘導するような意図的な操作も一切行っておらず、公正な情報提供を徹底しています。これにより、利用者は信頼できる情報をもとに、安心して施術を選ぶことが可能です。

コロナ禍による需要拡大を追い風に、トリビューは口コミデータの蓄積に加え、施術メニューの拡充やUI/UXの改善を進めました。その結果、2024年10月に累計150万ダウンロード、累計GMV(流通取引総額)200億円を達成し、前年比175%の成長を記録。日本を代表する美容医療プラットフォームへと成長しました。

(引用:PR Times)

資金調達:シリーズC全体で23億円を調達

(引用:PR Times)

トリビューは2025年1月29日、シリーズCラウンドのセカンドクローズとして6億円を調達したと発表しました。これにより、2024年10月のファーストクローズ(約17億円)と合わせたシリーズC全体の調達額は23億円、累計調達額は約40億円に達しました。

本ラウンドには、日本ベンチャーキャピタル(NVCC)やユナイテッド株式会社に加え、韓国系ベンチャーキャピタルが参加。資金調達は第三者割当増資と金融機関からの融資を組み合わせた形で実施されました。

なお、調達資金は「トリビュー」への投資と人材採用の強化に活用されます。

  • 事業投資
    • マーケティング施策の強化による認知拡大
    • 美容医療に関するビッグデータを活用したサービス開発
    • 生成AIなどのテクノロジーを導入し、ユーザーが適切な施術を選択できる仕組みを構築
    • 電子カルテなどの外部システムとデータ連携し、美容クリニックのDXを推進
  • 採用活動
    • プロダクト開発・マーケティング・事業企画・セールスなどの人材を強化
    • CxOポジションを含む採用を実施し、2025年末までに約70名の増員を計画

2024年10月にシリーズC 1st Closeで約17億円を調達

トリビューは2024年10月にシリーズCラウンドで約17億円を調達したと発表(引用:PR Times)

トリビューは2024年10月22日、シリーズCラウンドのファーストクローズで約17億円を調達したと発表しました。このラウンドでは、リード投資家であるMinerva Growth Partnersをはじめ、ニッセイ・キャピタル、三菱UFJキャピタル、博報堂DYベンチャーズが参加しています。今回の調達により、累計資金は約33億円に達しました。

同社は「トリビュー」への事業投資・採用活動の強化に積極的に取り組むとしており、セカンドクローズについては2024年内で完了する予定です。

資金調達の目的:事業投資・採用活動の強化

今回調達した資金は、「トリビュー」の事業投資や採用活動の強化に使われる予定です。特に、「トリビュー」の認知拡大を目指しており、美容医療に関するビッグデータを活かした新規サービスの開発にも取り組むとのこと。

また、将来的には日本の美容医療を訪日インバウンド需要を含むグローバル市場に向けて展開するとしています。外見の悩みを根本から解決するトリビューの今後の活躍に期待です。

市場規模:2023年の美容医療市場は約6000億円を記録

2023年の美容医療市場は約6000億円を記録(引用:PR Times)

そもそも美容医療と呼ばれる事業領域は、自由診療のなかでも美容に関する領域全般を指し、美容外科・美容皮膚科・審美歯科により構成されています。

矢野経済研究所のレポートをまとめたトリビューの資料によると、2023年の日本の美容医療市場は美容外科と美容皮膚科だけで約6000億円、審美歯科も含めると約9000億円に達しました。これは世界第4位の規模で、“美容整形大国”とされる韓国を上回る市場規模となっています。

同資料によれば、2009年から2023年で市場規模は2.39倍に拡大しており、2028年には美容医療の市場規模が7350億円まで成長する見込みです。

美容医療が拡大する理由:自分の顔を客観視する機会の増加

男女の約70%が容姿に悩みを抱え、約43%が何らかの美容医療を検討している(引用:PR Times)

この市場拡大の背景には、オンラインでのコミュニケーションが増え、自分の顔を見る機会が多くなったことがあります。特にコロナ禍でのマスク着用やリモートワークが定着したことが影響しています。

また、医療機器のテクノロジー進化・試しやすい価格帯の韓国製薬剤の流通を追い風に、「アンチエイジング」「肌管理」をキーワードに、美容皮膚科における「メスを入れない施術」(非外科的施術)の認知が急速に拡大しました。

15〜49歳の男女1273人を対象にした調査によれば、約70%が容姿に悩みを抱え、約43%が何らかの美容医療を検討しているとのことです。市場規模の拡大とともに、美容医療が人々の暮らしにおいて身近な選択肢となっていることが読み取れます。

企業概要

  • 企業名:株式会社トリビュー
  • 代表者:代表取締役 毛 迪(モウ デイ)
  • 設立:2017年7月26日
  • 所在地: 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-19-23 東邦ビル3階
  • 公式HP:https://corp.tribeau.jp/

まとめ

本記事では、美容医療の口コミ・予約アプリ「トリビュー」を運営する株式会社トリビューについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社トリビューのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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