【ナインアワーズ】次世代のカプセルホテル!「睡眠」データの解析にもチャレンジ

引用:https://ninehours.co.jp/nagoya-station

カプセルホテルといえば、「終電を逃したサラリーマンが駆け込む安宿」「セキュリティ面や衛生面に不安が多い」というイメージでした。しかし、時代と共におしゃれで楽しいカプセルホテルへと進化を遂げています。

今回紹介する「株式会社ナインアワーズ」(以下、ナインアワーズ)は、デザイン性と利便性を兼ね備えた新たなカプセルホテルを提供しています。1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)=9h” というシンプルな宿泊の概念を基に、新しい顧客体験を実現する同社。

最近ではNTTデータと睡眠データ活用の共同プロジェクトを立ち上げ、さらなる事業展開を狙っています。この記事では、最近人気を集めているナインアワーズについて紹介していきます。

事業内容:カプセルホテルを軸に3つの事業を展開

引用:https://ninehours.co.jp/

ナインアワーズは「睡眠で、世界中の人々を健康にする。」というビジョンのもと、カプセルホテルを軸に3つの事業を展開しています。具体的には、カプセルホテルの運営を行う「ホテル事業」や、ホテルでの睡眠を解析する「睡眠事業」、宿泊施設を再開発する「再生事業」の3つです。

1.ホテル事業:デザイン性と機能性に優れたカプセルホテルを運営

引用:https://ninehours.co.jp/locations

ナインアワーズは、デザイン性と機能性に優れたカプセルホテルを運営しています。“1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)=9h”という考えのもと、出張などの目的でショートステイするビジネスマンが心身を癒せるように、「シャワー・睡眠・身支度」という3つの基本要素に特化した最高品質のサービスを提供するが大きな特徴です。

ナインアワーズ名古屋駅のシャワールーム(引用:https://ninehours.co.jp/nagoya-station)

清潔感があるシャワールーム(上図)のようにデザイン・設備にこだわっているほか、下図のようにシャンプーやタオルといった備品にまでこだわっており、利用者がゆったりと過ごせるような設計になっています。

アメニティに「TAMANOHADA(たまのはだ)」を導入(引用:https://ninehours.co.jp/stay-services)

利用者は10~30代の若い世代が多いそう。またインバウンド利用も多く、利用者の4割は外国人が占めています。料金は時間帯などによって異なるが、1泊当たり5000円前後での利用が多いです。

2-1.睡眠事業:個人向けに睡眠解析サービスを提供

睡眠解析カプセルホテル「9h sleep fitscan」 (引用:https://ninehours.co.jp/sleep-analysis-report)

ナインアワーズでは、睡眠解析サービスを行う日本初のウェルネス・カプセルホテルとして、一部の店舗を展開しています。

本サービスを申し込むと、カプセルベッド内のセンサーが体動・いびき音・寝顔画像などを測定し、その結果を睡眠レポートの形で利用者へ送付。高機能なセンシングと360度体を包み込むカプセルユニットの特徴を掛け合わせ、高い精度で睡眠を分析してくれます。

引用:https://ninehours.co.jp/sleep-analysis-report

また睡眠時無呼吸症候群 / うつ病 / 心筋梗塞など、病気のリスクを判定し、疾病リスクが見られる方に対しては、大学病院やクリニック協力のもと病院の紹介も行ってくれるとのこと。

宿泊料金のみで睡眠時に装着する器具もなく、心拍数やいびき、無呼吸になった回数など、気軽に睡眠の状態が分かるサービスとして、多くの人に利用されているそうです。

2-2.睡眠事業:法人向けに睡眠データを提供

引用:https://ninehours.co.jp/akasaka_sleeplab

ナインアワーズは利用者から集めた睡眠データを匿名化し、研究機関や法人に提供しています。

睡眠障害は統合失調症やうつ病、パーキンソン病などの疾患と併発することが分かっています。そのため、睡眠に関する多くのデータ(ビッグデータ)があれば、疾病メカニズムや治療方法の研究は大きく進むのではないかと言われているそう。

同社の睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」の利用者数は1万人を超え、弊社の睡眠データベースはすでに世界最大規模とのこと。現在カプセルホテルを19店舗運営しており、年間100万人近く利用しているため、今後さらに睡眠解析サービスを拡大することで数年以内に数百万~1千万件規模の睡眠データベースの構築を見据えているそうです。

世界に例のない「睡眠ビッグデータ」は、予防医学や疾病の早期発見の観点から国内外の医療関係者や睡眠研究者、企業からも大きな期待が寄せられています。実際にNTTデータと業務提携をおこなっており、最新鋭のスリープテックホテルのモデルケースとして店舗数を増やしながら、世界最大規模の睡眠データの蓄積・分析サービスの提供を構築しています。

3.再生事業:宿泊施設の再生・運営を支援

引用:https://do-c.jp/

ナインアワーズではコロナなどの影響で運営が難しくなった宿泊施設の再生を支援しています。

実際に再生事業を行う中で、3つのブランドを立ち上げました。1つ目の「℃(ドシー)」というブランドはサウナと睡眠に特化した24時間型のトランジットサービスで、サウナにあまり縁のなかった若年層や女性でも、日常の中でごく手軽に味わえるリフレッシュの道具にしてほしいと設計されています。

引用:https://capsule-plus.jp/yokohama

2つ目の「capsule+(カプセルプラス)」もトランジットサービスで、宿泊だけでなく、普段利用を想定した仕事・リフレッシュの場として、カプセル+αの機能を提供しています。同施設ではラウンジエリアはもちろん、大浴場やセルフロウリュ可能なサウナも利用可能です。

引用:https://hotel-plus-hostel.jp/

3つ目の「HOTEL+HOSTEL(ホテルプラスホステル)」は、旅行者の方々が自分たちの旅行スタイルに合わせて、自由自在に部屋を選べる宿泊施設です。個室からドミトリーまで、旅行者ごとの予算に合わせた多彩な部屋が用意されています。

資金調達:2020年1月に5億円を獲得

引用:https://ninehours.co.jp/suidobashi

日本経済新聞によるとナインアワーズは、2020年1月に株式会社新生銀行・新生銀行グループの昭和リース株式会社から5億円を資金調達しました。第三者割当増資で調達した今回の資金は、カプセルホテルの新規開発や海外進出に生かすそう。

市場規模:スリープテック市場は2026年175億円に成長

引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3453

矢野経済研究所は、国内スリープテック市場規模が2023年105億円を記録し、2026年には175億円まで成長すると予測しています。

睡眠が健康や生産性などと関係性があることを示唆する研究が蓄積されていることに加え、睡眠への社会的関心が依然として強いため、市場拡大を後押しする要因の1つとなるそう。睡眠計測デバイスの技術革新は非常に速く、デバイスの種類や精度、取得できる生体情報の量と質が向上しており、この傾向は今後も続くと予測しています。

企業概要

  • 企業名:株式会社ナインアワーズ
  • 代表者:代表取締役 松井隆浩
  • 設立:2013年8月6日
  • 所在地: 東京都千代田区神田錦町3-19-1 不二ラテックスビル7F
  • 公式HP:https://ninehours.co.jp/

まとめ

本記事では、革新的なカプセルホテルの運営を行っている株式会社ナインアワーズについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社ナインアワーズのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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