近年、サステナビリティへの関心が高まり、リペアやリメイクといったサービスの需要が増加しています。
株式会社ナガクは、モノが長く使われる社会の実現を目指すスタートアップ企業です。
同社はプロや事例を探して依頼できるリペア・リメイクサービス「ナガク」の運営を行っています。
本記事では、同社の事業内容、資金調達等について詳しく説明していきます。あなたの会社にも役立つヒントが見つかるかもしれません。
事業内容：プロや事例を探して依頼できるリペア・リメイクサービス「ナガク」
ナガクはリペアやリメイクの事例やプロを検索し、オンラインで相談・依頼できるサービスです。
事例には費用や制作期間が掲載されており、詳細な情報から依頼を検討することが可能です。
家具、器（金継ぎ）、ジュエリー、スニーカー、革製品、衣類など幅広いカテゴリのプロにリペアやリメイクの依頼をすることができます。
特徴と機能
【いろいろなリペア・リメイクの事例を探せる】
ナガクには様々なカテゴリのプロが参加し、リペアやリメイクの事例を投稿しています。
投稿にはビフォア・アフター写真の他、予算や制作期間も掲載されており、詳細な情報から依頼を検討できます。
【かんたんにプロを探せる】
ユーザーは絞り込み機能を使って、自分が直して欲しいモノの依頼に対応しているプロを探すことができます。
今後は地域や制作期間、依頼方法で絞り込むなど、より詳細な検索に対応予定です。
【気軽にプロに相談・依頼できる】
気になるプロが見つかったら、リペア・リメイクについてサービス内のメッセージで相談可能です。オンライン上でそのまま見積もりから決済、依頼完了まで行うことができます。
取り扱いカテゴリ例
上記は一例です。ナガクではカテゴリを限定せず、広く「モノを直す」スキルを持ったプロに依頼することができます。
開発の背景
以下の文章はPR TIMESに掲載された、「ナガク」開発の背景です。
現代では日々大量のモノが生産され、一方で廃棄され続けていますが、私たちはこれから人々がもっと「モノを長く使う」ように変化せざるをえないと考えています。そして、そのための主な手段の一つがリペアやリメイクなど、「直す」という営みです。
近年欧米では、モノを修理する際に「リペアボーナス」と呼ばれる補助金を給付する国が現れています。また、メーカー公式修理以外にも製品の所有者が自ら修理したり、任意の業者に修理依頼できるようにするべきだという「修理する権利（Right to Repair）」に関わる議論が深まり、諸制度が法制化されるなど、モノを修理し、長く使い続けることを推奨する社会的潮流があります。
このようにリペアやリメイクを通じてモノの価値を継続させる重要性が高まる一方で、「誰が」「何を」「どのように」「どのくらいの費用・期間で」直せるのかという情報が集約されていないことから、どのように依頼していいのか分からないという課題がありました。それらの背景から開発されたサービスが『ナガク』です。
今後取り扱いカテゴリの拡大やプロの増加、機能の拡充などによりユーザーの利便性を向上させ、より多くのモノが直され、長く使われる社会を目指します。
参考：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000149891.html
資金調達：2025年2月に約1.4億円の資金調達
ナガク株式会社は、2025年2月に総額約1.4億円の資金調達を実施しました。
資金調達の概要は以下の通りです。
資金調達の概要
調達金額
約1.4億円
投資家
ベータ・ベンチャーキャピタル株式会社 / フューチャーベンチャーキャピタル株式会社（信州SSファンド） / 朝日メディアラボベンチャーズ株式会社 / NOW株式会社 / ピース株式会社 / OASIS FUND / 株式会社IDENTITY / 宮田 昇始 / yansuKIM / 他ベンチャーキャピタル1社、エンジェル投資家1名
同社は今回の資金を、リペア・リメイクサービス「ナガク」の機能拡充、取り扱いカテゴリの拡大や参加プロの増加などに充てる予定です。
参考：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000149891.html
市場規模：「リサイクル」から「リペア」への転換。「6R」の時代？
近年、「リサイクル」から「リペア」への注目が高まっています。この転換は、SDGs（持続可能な開発目標）の影響を受け、持続可能な生産と消費を目指す流れの一環です。
従来の「3R」（リデュース、リユース、リサイクル）に加え、欧米では「リフューズ」「リパーパス」「リペア」を含む「6R」が推進されています。特に「リペア」は、製品を長く使用することで廃棄物を減らし、資源の有効活用につながる重要な取り組みとして注目されています。
リペア市場の成長は著しく、米国の衣服リセール市場は2018年の50億ドルから2023年には230億ドルに拡大すると予測されています。米国のスタートアップ企業や大手アパレルブランドも、リペアサービスを積極的に展開し、新たなビジネスモデルとして成功を収めています。
日本でも「リサイクル」だけでなく「リペア」の普及が期待されています。この転換により、大量生産・大量消費型の画一的な製品から、長く愛用できる高品質な製品への移行が進むと考えられます。リペアへの注目は、持続可能なファッション産業の実現に向けた重要な一歩となっています。
参考：https://www.owls-cg.com/wp-content/uploads/2021/07/「リサイクル」から「リペア」への転換_Owls大久保明日奈.pdf
会社概要
会社名：ナガク株式会社
所在地：〒380-0845 長野県長野市西後町610-12 R-DEPOT 2F-D
設立：2023年8月1日
代表：渡部一紀
まとめ
本記事では、プロや事例を探して依頼できるリペア・リメイクサービス「ナガク」を提供するナガク株式会社について紹介してきました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
ナガク株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。
