株式会社ナナメウエ(以下、ナナメウエ)は、同世代 × 趣味趣向でつながるZ世代に人気のSNS「Yay!」を運営するスタートアップ。
Yay!は登録ユーザー数800万人を突破した、国内最大級の無料で使えるSNSコミュニティアプリです。
本記事では、同社の事業内容・市場規模・資金調達等について詳しく説明していきます。
次世代SNS「Yay!」
Yay!は同世代の友達とネットでコミュニケーションできるアプリです。
Yay!は、Z世代がユーザーの85%を占めており、新たなSNSサービスとして注目されています。
リリースの経緯:性犯罪の温床「ひま部」からの脱却
ナナメウエの代表、石濵嵩博氏によると、「Yay!」をリリースした経緯は、ナナメウエが以前リリースしていたSNS「ひま部」での経験から得た教訓がきっかけです。
「ひま部」は、2015年5月にナナメウエが開設した学生限定のSNSで、中学生以上の約800万人の登録ユーザーがチャットや通話を楽しんでいましたが、2019年12月31日にサービスを終了しました。閉鎖の理由の一つは、未成年児童への性犯罪が頻発し、「性犯罪の温床」とされていたことです。
しかし、ナナメウエは2020年1月1日に新たなSNSサービス「Yay!」を立ち上げました。このサービスは全世代を対象としているものの、ユーザーの85%がZ世代で、24歳未満の若者が8割を占めています。
Z世代が急増するSNS「Yay!」とは “性犯罪の温床”から出直し
Yay!の安全対策
ナナメウエは、「ひま部」での教訓を活かして多くのルールや対策を設けています。以下はその代表例です。
同社はこれらの安全対策を通じて、ユーザーが安心してサービスを利用できるような環境を提供しています。
1.外部のSNSのID交換禁止
2.世代の離れたユーザー同士のやり取り禁止
3.どうしても会うのであれば最初は必ずグループで
Yay!の遊び方
Yay!では、オンライン上でさまざまな遊び方をすることができます。
1.タイムライン
ユーザーの投稿を見ることができます。
タイムラインには、フォローしているユーザーの投稿が表示される「フォロー中タイムライン」とユーザー全体の投稿がリアルタイムで見られる「オープンタイムライン」があります。
2.グループ通話
1対1もしくはグループで通話ができます。
だれでも通話できる「だれ通」とだれでもビデオ通話できる「だれビ」があります。
3.チャット
文字や画像でチャットをすることができます。
4.サークル
趣味の仲間同士で集まることができます。
サークルに参加すると、サークル内のユーザーと通話やビデオ通話をすることができます。
5.レター
レターとはユーザー間で送り合える手紙のことです。
どのユーザーからも閲覧可能なので、紹介文としても利用できます。
創業ストーリー:ヒットまで200個のアプリ開発
ナナメウエの代表石濵嵩博氏は、「ひま部」や「Yay!」のようなヒットアプリを生み出すまでに200以上のアプリを開発しました。
石濵氏は大学4年生の時にナナメウエを立ち上げ、カジュアルゲームなど、あらゆるジャンルのアプリを開発していました。
「Yay!」の前進である「ひま部」はその200のアプリのうちの一つでした。
学生をターゲットにした次世代SNSはすぐに人気を博し、一時は800万ユーザーを獲得しました。
その後「ひま部」に代わるSNSとしてリリースされた「Yay!」も800万のユーザーを獲得しており、今後も拡大していくことが予想されます。
創業者インタビュー:ナナメウエ社 石濱嵩博|Headline Asia
沿革
ナナメウエは、2013年5月に代表の石濵嵩博氏によって創設され、これまでモバイルアプリ・WEBサービスの開発を行ってきました。
2015年5月には学生限定のSNS「ひま部」をリリースしました。同アプリは一時約800万人の登録ユーザーを獲得していましたが、2019年12月31日にサービスを終了しました。
ひま部に代わる新たなSNSとして、2020年1月に「Yay!」がリリースされました。安全対策を強化した同アプリの登録ユーザーは800万人を突破しており、今後Z世代を中心に人気が拡大していくでしょう。
資金調達:2022年4月にシリーズBで約16億円の資金調達
ナナメウエは2022年4月に、SBIインベストメントなどからシリーズBにて総額約16億円の資金調達を達成しました。
同社は調達した資金をもとに、プロダクトの強化及びマーケットシェアの拡大を図るため組織体制・採用を拡大していきます。
市場規模:ソーシャルメディアマーケティング市場は2027に約1兆9000億円に
株式会社サイバー・バズの調査によると、2023年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場は1兆899億円でした。
同市場は2027年までに、2023年比約1.7倍の1兆8868億円に達すると予測されます。
将来展望:Web3.0に移行
ナナメウエ代表の石濵嵩博氏によると、同社は今後Web3.0領域にも事業を拡大する予定です。
Yay!は、Web3.0への移行を目指しており、インターネットの民主化という使命を持ち続けています。これまでも、ソーシャルメディアにおける投稿の民主化を実現してきました。FacebookやInstagramのようなプラットフォームでは、「いいね!」を競い合うことが中心となり、実質的に人気者やインフルエンサーだけが注目を集めています。しかし、Yay!は誰でも安全に自分の思いや出来事を共有できるデジタル空間を提供しています。
Yay!は、メタバースの中心的存在となることを目指しています。Web3.0の時代には、ソーシャルメディアの民主化がさらに進むと考えています。これまでソーシャルメディア・プラットフォームは広告収入などの利益を得てきましたが、実際にコンテンツを生成し、コミュニティを構築してきたのはユーザーです。Yay!は、この貢献を認め、ユーザーに報酬を与える次世代のソーシャルメディアを目指しています。
要約すると、Yay!はWeb3.0時代においてもインターネットの民主化を進め、ユーザーが安全に自己表現できる場を提供しつつ、その貢献に対して正当な報酬を与えることを目指しています。
創業者インタビュー:ナナメウエ社 石濱嵩博|Headline Asia
会社概要
会社名:株式会社ナナメウエ
所在地:105-6020 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー 20階
設立年月日:2013年5月1日
代表:石濵嵩博
まとめ
本記事では、Z世代に人気の次世代SNS「Yay!」を運営するスタートアップ株式会社ナナメウエについて紹介してきました。
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