最終更新日 24/05/17
国内スタートアップ特集記事

【大手通信会社発】社内ベンチャー3選

ITエンタメブロックチェーンまとめ記事
Share this post

今回は大手通信4社の中の、ソフトバンク、NTTドコモ、楽天発の社内ベンチャーに絞って紹介していきます。
以下の社内でそれぞれ、新規事業として立ち上げられたサービスをまとめたので、ご覧ください。

  • 【umamill】ソフトバンク株式会社
  • 【Sound Desert】株式会社NTTドコモ
  • 【楽天パシャ】楽天株式会社

【umamill株式会社】ソフトバンク株式会社

(引用元:Soft Bank RECRUITING SITE 2020年6月24日掲載『ソフトバンクの社内起業から世界へ。 “食”の可能性を拓くumamill代表の思い』 )


umamill株式会社(以下、umamill)は、横井 晃氏がソフトバンクの社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」で立案し、企業として誕生しました。 umamillは、日本食輸出支援プラットフォームで、日本の食品メーカーと海外のバイヤーを繋ぐ役割を果たしています。 2019年3月のサービス提供を開始し、2022年度には海外バイヤー約600社に利用されるようになりました。

【umamill】日本食をもっともっと海外へ広げたい

(引用元:TCG REVIEW 2020年2月28日 掲載『食の輸出支援プラットフォーマー 日本食と世界のバイヤーを結ぶ:umamill』umamill HP

umamillは、海外で日本の食品を探すバイヤーと、日本国内の食品メーカーとをつなぐプラットフォームです。 umamillを使うことで、バイヤーは海外にいながら日本食のサンプル品を無償で手に入れることができ、簡単に食品メーカーと取引できます。 umamillでは、商談成立後の輸出まですべてサポートされており、国内食品メーカー・海外バイヤーともに安心できるサービスです。

【umamillの3つのメリット】

(引用元:umamill HP)

やりとりの簡易化
umamillを利用すると、言葉やコストの問題、複雑な輸出規制に注意することなく、日本食材のお試し・輸入ができます。 また、メーカーごとにやりとりをする必要がなく、umamillでのやりとりで完結できます。

無料のサンプル品
複数の日本食メーカーから、1ヶ月に10個の無料サンプル品を受け取ることができます。気になる商品をサイト上から選ぶだけで、サンプルが手元まで届くので、手軽に商品を試せるのが強みです。

ライバル店との差別化
umamillを利用することで、日本国内でしか手に入らない食品を輸入することができます。このような希少性の高い日本食を利用することで、ライバル店との差別化に繋がります。

【ソフトバンクイノベンチャー】

(引用元:ソフトバンクニュース 2024年1月23日 掲載『【ソフトバンクイノベンチャー】~1分で分かるキーワード #180』

これまで紹介してきた、umamillは社内ベンチャー制度である「ソフトバンクイノベンチャー」を通して事業化されました。
ソフトバンクイノベンチャーは、2011年から実施されているソフトバンク社内の起業制度です。 ソフトバンクグループ各社の従業員だけでなく、内定者やグループ外との共同提案からも、独創的な事業アイデアを募集しています。 この制度は、SBイノベンチャー株式会社が運営しており、アイデアの事業化までをサポートしています。 膨大な量のアイデアが毎年集まりますが、その中から会社化されるアイデアは、たった1%と競争率が高い制度です。

【Sound Desert】株式会社NTTドコモ

(引用元:VTuber Info 2023年10月2日 掲載『のなめぷろだくしょん と NTTドコモが実証実験を手掛ける「Sound Desert」がWeb3/NFT技術を活用したクリエイター主導の音楽コンテンツ制作の実証実験を開始。』CNET Japan 2023年3月24日 掲載 『ドコモのアイデアコンテストから誕生した音楽NFTプラットフォーム「Sound Desert」の勝機』  )

『Sound Desert』は株式会社NTTドコモが手掛ける、音楽NFT(デジタル音楽コンテンツの所有権)プラットフォームです。 NTTドコモ社内のビジネスコンテストである、「ZERO ONE DRIVE」で金賞およびオーディエンス賞を獲得し、その後事業化されました。 近年、注目度が高まっているNFTに対応した、新規ビジネスです。 NFTは、「代替できない、偽造不可能・証明書付きのデジタルデータ」という意味で、音楽NFTの特徴として、デジタル上で自由に音楽を販売・購入できるという点があります。

【Sound Desert】Web3時代の音楽プラットフォームを目指す

(引用元:Sound Desert HP

Sound Desertではブロックチェーン技術を活用し、楽曲をNFT化して売買することができます。 アーティストが手掛ける楽曲をNFT化し、音楽NFTプラットフォームでの販売を通して、ファンと共にアーティストの価値を評価できる仕組みです。 近年の音楽サブスクサービスでは、アーティストに支払われる金額が非常に少なく、1再生あたり0.005円とも言われています。 一方、Sound Desertを含む音楽NFTのやりとりでは、売上の一部を直接アーティストに還元することが可能です。
Sound Desertのような音楽NFTプラットフォームによって、マネタイズに苦労しているアーティストを支援することができます。

【Sound Desertの3つのメリット】

(引用元:Sound Desert HP

アーティストへの収益還元率が高い
Soud Desertでは、アーティストが音楽NFTを、デジタル上で自由に販売することが可能です。音楽の販売に仲介会社が関与しないため、アーティストへの収益還元率が高くなります。

アーティストとファンの距離が近い
アーティスト側はWebによる個人活動に近く、ファンが直接的にアーティストを応援しやすいです。NFTを保有することで、メンバーシップなどの特典を受け取ることも可能です。

プレイリストを作ることができる
他のサービスは購入した曲単体でしか再生できないこともある一方で、Soud Desertでは購入した曲でプレイリストを作ることができます。 また、同サービスではNFTの購入だけではなく、試し聴きが可能です。試し聴きでプレイリストを作ることができ、気に入った曲を自由に聴けます。

【起業背景】

Sound Desert発案者の奥井颯平氏は、2017年からNTTドコモでAI事業を担当していました。 その後、NTTドコモグループの新規事業創出施策である「ZERO ONE DRIVE」において、Sound Desertが立ち上げられました。 Sound Desertの企画から事業運営までの間に、音楽NFTプラットフォームで音楽を売買したいユーザーはいるのかのヒアリングや、NFTコミュニティである「Big Hat Monkeys」との実証実験が行われました。 そして、2023年3月からSound Desertのサービス提供が開始し、2023年10月にはNFT音楽を掲載したアーティスト65名に対し、NFTやグッズの販売合計額が約3000万円を突破しました。

昨今では、音楽配信サービスやサブスクリプションが充実してますが、その一方でマネタイズに苦労しているアーティストが数多く存在します。 このような音楽NFTを使った、アーティストへの支援は、今後も拡大していくでしょう。
(引用元:CNET Japan 2023年3月24日 掲載 『ドコモのアイデアコンテストから誕生した音楽NFTプラットフォーム「Sound Desert」の勝機』 )

【ZERO ONE DRIVE】ドコモグループの新規事業創出施策とは?

(引用元:株式会社ゼロワン・ドライブ HP

これまで紹介してきた、Sound Desertは新規事業創出企画である「ZERO ONE DRIVE」を通して、企画されました。 ZERO ONE DRIVEは、「お客さまや社会課題解決のため」というコンセプトのもと、新規ビジネス案を募集し、コンテストを行っています。 Sound Desertは、このビジネスコンテストにおいて、金賞とオーディエンス賞を受章しました。 ZERO ONE DRIVEは、Sound Desertの他にも数多くのサービスを輩出している、注目の制度です。

【楽天パシャ】楽天株式会社

(引用元:楽天ニュース 2019年2月4日 『楽天、企業が実店舗で商品を購入したユーザーにポイントを付与できる成果報酬型広告サービス「Rakuten Pasha」の提供を開始』楽天 INSIGHT

楽天パシャは、楽天が2019年から提供開始したサービスで、2022年2月時点では17万人の会員が利用しています。 楽天パシャでは、買い物でもらったレシートの写真を撮ると、楽天ポイントがもらえます。 また、日替わりで商品割引のクーポンを利用することができる、お得なサービスです。

【楽天パシャ】次世代のマーケティング施策

(引用元:楽天ニュース 2019年2月4日 『楽天、企業が実店舗で商品を購入したユーザーにポイントを付与できる成果報酬型広告サービス「Rakuten Pasha」の提供を開始』Impress Watch 『レシート画像を送って楽天スーパーポイント獲得。「Rakuten Pasha」』

楽天パシャは楽天会員がお得に買い物ができるサービスですが、企業が自社商品の販売促進をするためにも利用されています。 ここでは、ビジネスモデルを楽天パシャを使う企業側・楽天会員側にわけて、説明していきます。

【楽天パシャ利用企業】

楽天パシャは、企業の実店舗における商品販売を支援します。 このサービスは「明治」など多くの企業から利用されており、その理由として、以下の2つが挙げられます。それは「少額の費用から始められること」、「簡単にプロモーションが行えること」です。

楽天パシャでは、楽天会員のレシート情報やユーザーデータ、売上データを利用して、企業ごとの最適なプロモーションを提案します。

企業は、必要な情報を入力するだけで、どの店舗でも自社商品のプロモーションが可能となります。入力する情報は商品情報、予算、ポイント付与上限額、クーポンの発行期間です。

また、プロモーションの費用は実店舗の売上によって変動するため、低予算からでも試すことができます。

このように楽天パシャは、「少額の費用から始められること」「簡単にプロモーションが行えること」の2つの特徴を活かし、企業のマーケティングへのハードルを下げています。

【楽天パシャ利用会員】

楽天パシャは、利用会員がお得に買い物ができる仕組みを提供しています。 中でも、「ポイント還元率が高い」、「お得なクーポン情報が毎日更新される」、の2つのメリットが特徴的です。

楽天パシャでは、利用会員からレシート写真を受け取ることに対して、ポイントを付与しています。また、日替わりクーポンを配布しており、会員は自由に使うことが可能です。 ポイントは、レシート10枚につき10ポイントが還元されます。 加えて、日替わりクーポン「トクダネ」を利用すると、商品1つにつき5~100ポイントが還元される仕様です。

楽天パシャは、「ポイント還元率が高い」、「お得なクーポン情報が毎日更新される」、の2つのメリットによって、楽天会員のお得な買い物を実現しています。

このように楽天パシャには、楽天パシャを利用する企業・楽天会員それぞれにメリットがあることが特徴的です。

【起業背景】

楽天パシャは、楽天の新規事業創出プログラム「R-Pitch」で、新規事業として立ち上げられました。その後、社内ベンチャーとして承認され、2019年2月4日から正式にサービス提供を開始します。

これまで店頭での販売促進活動は、小売店の協力が不可欠かつ、企画から実行まで時間もコストもかかっていました。 そこで、「オフライン購入データ」と「顧客接点」を楽天IDで繋ぐことで、販売促進活動の課題を解決する運びとなったのが経緯です。

(引用元:楽天ニュース 『オフラインマーケティングの新たな常識をつくるRakuten Pasha』

【R-Pitch】楽天の新規事業創出プログラム

これまで紹介してきた楽天パシャは、新規事業創出プログラムである「R-Pitch」から誕生しました。
「R-Pitch」は、起業家精神をグループ全体で活性化させるために、2017年12月から楽天内で始まったプログラムです。
社員が自分たちのビジネスアイデアの実現に向け、企画を行います。
経営陣からアイデアが認められた場合には、資金が提供され、事業化を本格的に進めることができる取り組みです。
アイデアの企画から、新規事業として立ち上げる部分までサポートされることが特徴です。
(引用元:楽天HP 採用)

まとめ

今回は、以下3つの通信会社発のベンチャーを紹介してきました。

  • 【umamill】ソフトバンク株式会社
  • 【Sound Desert】株式会社NTTドコモ
  • 【楽天パシャ】楽天株式会社

昨今ではSIerだけではなく多様な業種・企業で、社内起業制度や、起業支援が充実しています。 そのような制度から、数々のベンチャー企業が生まれ、活躍中です。 New Venture Voiceでは、そんなベンチャー企業について紹介しているので、ぜひご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました