株式会社オレンジ(以下、オレンジ)は、マンガに特化したローカライズ*支援を行うスタートアップです。
「すべてのマンガを、すべての言語に」をミッションに掲げ、効率的なマンガの大量翻訳を実現します。
※ローカライズとは、製品やサービスを、翻訳などを通じて別の国や地域でも受け入れられるように最適化すること。
事業内容:マンガのローカライズを中心に展開
独自のローカライズ技術:Manga AI Localization
オレンジは社内専用のローカライズツール“Manga AI Localization”を活用しています。
このツールを利用し、翻訳家と協力することで、縦スクロール漫画やX(旧Twitter)漫画なども積極的にローカライズ、海外出版をしていきます。
サービス①:マンガのローカライズ支援ツール「Factory」
「Factory」とは、オレンジが開発したマンガに特化したローカライズ支援ツールです。
このツールはマンガの大量翻訳を実現するために、ローカライズプロセスの多くを自動化したものです。 AIが外国語版データのベースを生成し、翻訳家や写植*家 が仕上げを行います。
一連のプロセスをFactoryのシステム上で行うことにより、より効率的にマンガの大量翻訳を実現します。
※写植とは、マンガの吹き出しに文字を入れる作業のこと
サービス②:マンガ専門の電子書店サービス「emaqi」
「emaqi」は新旧問わず幅広いジャンルの作品を取り扱うマンガ専門の電子書店サービスです。
「emaqi」のおすすめ機能を通じて、新しい作品と出会うことができます。同サービスは2024年夏、米国でローンチ予定です。
今後予定されている新機能
- おすすめによってパーソナライズされた作品との出会い
- マンガファンによるキュレーション、マニアや作者による作品紹介
- あらすじ以上に作品の魅力が伝わるトレーラー機能
会社沿革:世界を視野に拡大中
オレンジは2021年4月に宇垣 承宏氏によって創設され、マンガ翻訳、電子マンガストアを中心に事業を展開してきました。
2023年7月には 、グロービス・キャピタル・パートナーズ、千葉道場ファンド等を引き受け先とした約2.5億円の第三者割当増資を実施しました。
2024年3月にはアメリカ支社を設立しました。同年5月にはグロービス・キャピタル・パートナーズをリードとしてプレシリーズAラウンドで総額29.2億円の資金調達を達成しました。
同社はこれらの活動を通じて、子どもから大人まで、当たり前のように日常的にマンガを楽しんでいる社会の実現を目指しています。
資金調達:プレシリーズAラウンドで総額29.2億円の資金調達
オレンジは、これまでに2回の資金調達を達成しています。
2023年7月には、グロービス・キャピタル・パートナーズ 、千葉道場ファンド、その他個人投資家を引き受け先として、約2.5億円の第三者割当増資を実施しました。
そして、2024年4月には、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とし、複数のベンチャーキャピタル、事業会社による出資を実施しました。
これにより、プレシリーズAラウンドで総額29.2億円の資金調達を達成しました。
同社は調達した資金で、自社独自のツールを用いたマンガ翻訳事業の規模を拡大していく予定です。
資金調達の詳細:特別マンガ『がんばれ!オレンジくん』
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SPECIAL | 株式会社オレンジ
市場規模:機械翻訳市場は2029年に約9億3000万米ドルへ
機械翻訳の市場規模は、2024年に7億1605万米ドルと推定され、2029年までに9億2701万米ドルに達すると予測されています。
企業間でのさまざまなコンテンツのローカリゼーションに対する需要の高まりにより、今後も機械翻訳市場は成長を続ける見込みです。
将来展望:マンガローカライズの規模を拡大予定
オレンジは今後、自社独自のツールを用いたマンガローカライズの規模を拡大し、日本のマンガの現状英訳ペース(オレンジ調べ)の約5倍となる月間500冊の翻訳を目指します。
また、翻訳した作品を広めるための電子マンガストア「emaqi」を24年夏に米国でローンチ予定です。
会社概要
会社名:株式会社オレンジ
所在地:107-0052 東京都港区赤坂1-14-14 第35興和ビル
代表者:宇垣 承宏
設立:2021年4月
社員数:21名
事業内容:マンガ翻訳事業 / 電子マンガストア事業
まとめ
本記事では、マンガに特化したローカライズ支援を行う株式会社オレンジについて紹介してきました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
オレンジのようにAI技術を用いた翻訳を行う企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。