
株式会社AirX(以下、AirX)は、空の交通デジタルプラットフォームを開発するテクノロジーカンパニーです。「AirXが人の可能性を解放する」というミッションのもと、移動の制約を取り除き、時間を有効活用できる社会を目指しています。具体的には、今後の「空飛ぶクルマ」の商業化を視野に入れ、国内で安全にサービスを提供できる体制の構築に取り組んでいます。
現在は、ヘリコプターやビジネスジェットなどの「エアモビリティ」を活用した、空の旅客サービスを提供しています。中でもヘリコプターを簡単に予約できるプラットフォーム「AIROS Skyview」を通じて、移動や遊覧飛行などの新しい体験を提供している点が特徴です。
本記事では事業内容や資金調達について紹介していきます。ぜひ、最後までご覧ください。
事業内容①:ヘリコプターが貸し切りできるサービス「AIROS」

AirXは、ヘリコプターを貸し切りできるサービス「AIROS」を提供しています。このサービスは、ヘリコプターを利用した移動や撮影を簡単に手配できるものです。利用者は、専用の予約サービスを通じて、全国のヘリコプターを簡単に予約できます。
最大の特徴:さまざまな用途で利用できる

「AIROS」の最大の特徴は、利用シーンに応じた柔軟な対応ができる点です。旅行やビジネス、ゴルフ、レース観戦、さらには空港への移動など、幅広い用途でヘリコプターを貸し切ることができ、時間を有効に活用できる移動手段としても非常に便利です。
「AIROS」の便利な特徴
1.料金シミュレーター

「AIROS」には、利用者が出発地と目的地を入力すると、移動時間やフライト料金を瞬時にシミュレーションできる「料金シミュレーター機能」があります。これにより、事前に移動時間や料金を把握でき、スムーズに利用できます。
2.移動時間短縮
ヘリコプターは時速約200kmで運航され、直線距離で目的地に向かうため、渋滞に巻き込まれることなく、非常に速く移動できます。新幹線や車での移動よりも大幅に時間を短縮することが可能です。
3.簡単な搭乗手続き
飛行機のように長時間の搭乗手続きは不要で、事前に必要な情報を提供すれば、現地で簡単な説明を受け、20分前までに到着すればすぐに搭乗できます。
4.安心サポート
専属のオペレーターが、チャーター当日までサポートします。現地での移動手段案内や手続きのサポートも受けられるため、専属のコンシェルジュのような感覚で利用可能です。
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事業内容②:ヘリコプターで遊覧飛行ができる「AIROS Skyview」

また、AirXはヘリコプター遊覧予約サービス「AIROS Skyview」も提供しています。このサービスは、ヘリコプターからの景色を楽しむことができ、観光名所や絶景ポイントを空から堪能できます。東京都内や京都など、全国各地の観光地、自然景観などを上空から楽しむことが可能です。
「AIROS Skyview」の特徴
1.年間フライト件数No.1

2022年度、一般社団法人全日本航空事業連合会の「ヘリコプター稼働実績」において、「AIROS Skyview」は年間フライト件数でトップの実績を誇ります。また、日本テレビ系「ZIP!」やTBS系「がっちりマンデー」などのメディアにも取り上げられています。
2.豊富なプラン

「AIROS Skyview」では、40種類以上の遊覧飛行プランから選べます。利用者は、絶景スポットを巡る飛行や、特定のエリアを見渡す飛行など、自分の好みに合わせたフライトコースを楽しむことが可能です。
3.顧客満足度の高さ
AIROS Skyviewは高い顧客満足度を誇り、年間搭乗者数は12,000人以上に達しています。また、機体の点検は50時間に1回の頻度で行い、安全運航を徹底しています。
さらなる魅力:プロポーズなど多様なシーンで活用可能

「AIROS Skyview」は、遊覧飛行だけでなく、プロポーズや記念日のお祝い、空撮など多様な目的で利用できます。また、ギフトチケットとしてプレゼントすることもでき、旅行や特別な日をより特別に演出することも可能です。
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資金調達:シリーズBラウンドにおいて合計12.5億円の資金調達を実施

AirXは、株式会社ブルーインキュベーション(株式会社西武ホールディングス子会社)をはじめとした11社を引受先とした第三者割当増資により、シリーズBラウンドにおいて合計12.5億円の資金調達を実施したことを発表しました。これにより、同社の累計調達額は約15億円となります。
【資金調達概要】
- シリーズ:Bラウンド
- 調達額:12.5億円
- 調達方法:第三者割当増資
- 引受先(五十音順)
- ANRI
- 三和興業ホールディングス株式会社
- ダイビル株式会社
- ニッセイ・キャピタル株式会社
- 東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)
- 株式会社ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス
- 株式会社ブルーインキュベーション(株式会社西武ホールディングス子会社)
- ペガサス・テック・ベンチャーズ
- ペガサス・テック・ベンチャーズ (ALHD株式会社のCVCファンド)
- 株式会社マイクロアドベンチャーズ(株式会社マイクロアド子会社)
- 株式会社Macbee eight(株式会社Macbee Planet子会社)
資金調達の目的と今後の展望
今回の資金調達を通じて、AirXは「空の移動」をより多くの人々に提供できる環境を整えます。具体的には、空限定の旅行商品開発、都市部・観光地でのポート整備、機体の整備・格納に向けた投資を進める予定です。
また、アナログ業務のソフトウェア化を進め、リアルタイムでの業務処理を実現することで、エアモビリティをプライベート車のように気軽に利用できる新たなオンデマンド体験を提供することを目指しています。
さらに、引受先各社とのパートナーシップを深め、地域や生活に根ざしたサービスの実現に向けて、取り組みを加速させていく方針です。
市場規模:空飛ぶクルマ市場2050年に世界市場規模180兆円と予測

空飛ぶクルマ市場は、Uberが「Uber Air」の事業構想を発表したことをきっかけに、世界中で積極的に開発が進められています。2025年に事業開始予定で、機体の開発や専用離着陸場(バーティポート)の整備が進む見込みです。空飛ぶクルマの市場規模は2025年に約608億円と予測され、その後の数年間で急速に成長すると見込まれています。
日本国内でも、大阪・関西万博に向けて機体開発やバーティポート設置が進行中です。海外では、既存の航空機市場を活用したインフラ整備が進んでおり、空飛ぶクルマの社会受容性が高まっています。
空飛ぶクルマは、少子高齢化や人口減少などの課題を解決できる可能性があり、2035年には市場が成長を続け、2050年には世界市場規模が180兆円を超えると予測されています。そのため、空飛ぶクルマは近い将来、世界中で当たり前の移動手段となるかもしれません。こうした市場の拡大とともに、AirXはさらに事業を拡大していくことが予測されます。
企業概要
- 企業名:株式会社AirX
- 代表者:手塚 究
- 設立:2015年2月23日
- 所在地: 東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング5F WeWork 麹町
- 公式HP:https://airx.co.jp/
まとめ
本記事では、株式会社AirXについて紹介しました。
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