今回紹介する株式会社BAKEは、BAKE CHEESE TARTで有名なお菓子のベンチャー企業です。
BAKEは洋菓子の販売だけではなく、お菓子店を紹介するWebメディア「CAKE.TOKYO」の運営なども行っています。
そんなBAKEは創業から5年で国内外に100店舗を展開し、いくつものヒット商品を生み出している今注目のベンチャーです。
今回は、BAKEの取り組みに注目し、事業内容だけではなく、BAKEの沿革、起業ストーリーなどにについても紹介していきます。
事業内容:自社ブランドの展開とスイーツメディアでの発信
株式会社BAKEでは、自社ブランドの展開とスイーツメディアの展開を行っています。
「BAKE CHEESE TART」が主力商品として知られており、他にもアップルパイやバターサンド、フロランタンなどの洋菓子を提供しています。
ここでは、人気商品の一部と自社スイーツメディアの「CAKE.TOKYO」について紹介していきます。
人気ブランド紹介
BAKEの人気ブランドを3つ紹介していきます。
- BAKE CHEESE TART(ベイク チーズタルト)
ベイク チーズタルトは、BAKEの主力サービスです。
オリジナルブレンドのクリームチーズや、二度焼きしたタルト生地が使用されている、こだわりの一品です。
全国の店舗や、ECでの取り扱いがあり、1 ピース250円(税込)、6ピース1,446円(税込)で販売されています。
- クロッカンシュー ザクザク(CROQUANTCHOU ZAKUZAKU)
クロッカンシュー ザクザクは、シュークリームの中身だけではなく、外側のシュー生地をもっとおいしくしたいという発想から生まれたお菓子です。
原材料にこだわっており、牛乳やバターは北海道産のものを使用して製造しています。
また、焼きたての味を届けたいから、工房一体型の店舗で全て焼き上げてからの提供がされています。
1個250円(税込)、4個950円(税込)で販売中です。
- RINGO(リンゴ)
RINGOは、焼きたてカスタードアップルパイの専門店です。
クロッカンシュー ザクザクと同様、工房一体型をコンセプトとして、店舗で焼き上げ、いつでも出来たてのアップルパイを提供しています。
自家製のサクサクパイ生地や、後入れでたっぷりはいったカスタードクリーム、食感と香りを楽しめる大きめのリンゴなど、さまざまな工夫がされています。
1個450円(税込)、4個1,716円(税込)で販売中です。
CAKE.TOKYO
「cake.tokyo」は、スイーツ業界を盛り上げるためにBAKEが立ち上げた、スイーツ専門メディアです。「人生で一番美味しいお菓子」をコンセプトに毎月特集として1つの街を取り上げ、編集部が実際に食べ歩いて厳選した10個のスイーツを紹介しています。
お菓子のスタートアップとしてお菓子業界全体を盛り上げる存在となるべく、お菓子屋さんであるBAKEだからこそ伝えられる、様々なお菓子とそのこだわりを紹介しています。
沿革:時代の変化に対応し、国内外問わず事業を拡大中
BAKEは2013年に、長沼真太郎氏によって設立されました。2013年当初、メンバーは3人でしたが、2年後の2015年には120人以上に増え、初の海外進出を果たします。香港や韓国に店舗をオープンし、国外でも売上を伸ばしました。
2017年には、BAKEは投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに買収され、上場に向けた収益拡大を進められていました。実際に、2017年に発売したプレスバターサンドは発売開始から数年で年間1000万個以上を売り上げる人気ブランドになるなど好調で、年間の売り上げは百数十億円規模にまで成長しています。 しかし、2020年からコロナ過の直撃によってBAKEの売上が激減したことで、上場を断念し、販売戦略を刷新する運びとなりました。2021年には、CI(企業理念や文化、事業内容等)やロゴの一新、顧客接点を増やすことなどを通して、全ブランドを「BAKEが手掛けるお菓子」として見せる戦略を取り始めました。その結果、BAKEのファンを獲得することができ、徐々に売上も回復していきました。
2024年3月からは、サステナブルプロジェクトである「Re:BAKE(リベイク)」を開始します。 リベイクは、フードロスや環境問題への取り組みであり、規格外のお菓子の商品化や、環境に配慮したパッケージの取り扱いを行うことです。お菓子を製造する中で、割れや欠けなどで規格外になってしまうものや、切れ端が発生することがあります。このような、お菓子を無駄にせず、美味しいお菓子として蘇らせたいという想いで行われているプロジェクトです。
起業ストーリー
ここでは、BAKEを創業した長沼真太郎氏の起業への経緯を紹介していきます。 長沼氏は、北海道の洋菓子屋「きのとや」の家に生まれ、「将来もずっとお菓子に関係するしごとをしたい!」という想いを抱いていたそうです。
慶応義塾大学商学部に入学し、卒業後は、商社の中で最も製菓部門のシェアが大きい丸紅に、2010年に新卒入社をしています。丸紅の中でも、第一希望だった食品流通部の菓子食品課に配属されましたが、洋菓子店を上海で開くために1年で退職したそうです。
その後、長沼氏は、上海で起業するために出張や物件探しを重ねていましたが、プロジェクトは頓挫してしまいます。それでも、長沼氏は「必ずお菓子屋さんをやりたい」という想いで、地元の北海道に戻り、父親の会社でゼロからお菓子作りの勉強を始めます。
北海道での最初の仕事は、きのとやの新千歳空港店の売上をあげることで、そこでの販売を通して「焼きたてチーズタルト」が生まれます。熱々の鉄板に並んだタルトをその場で箱に詰めてみたところ、たちまち話題になり、テレビでも取り上げられ、1日1000個も売り上げるまでに成長しました。 そこで「焼きたてチーズタルト」をより専門店化しようと動き出します。
その後、長沼氏はきのとやを辞め、「株式会社BAKE」として独立することとなります。
将来展望:BAKEにしかできない、スイーツショップの課題解決
株式会社BAKEはBAKEのオンラインショップ「BAKE the ONLINE」をプラットフォーム化し、課題を持つスイーツショップのスイーツを販売することができないかと現在検討を進めているそうです。
スイーツショップの課題とは、話題のスイーツやおすすめのスイーツショップなどを紹介する「CAKE.TOKYO」というメディアの運営を通して明るみになった、スイーツショップの「宣伝が難しい」「他社ブランドとの差別化が難しく選んでいただくのが大変だ」などといった声です。
これらの課題解決を通して、お客さまの選択肢を増やすことや、BAKEと関わる企業・スイーツショップのしあわせにも繋げたいとのことでした。
今回は、株式会社BAKEの紹介を行ってきましたが、New Venture Voiceでは他にも、多くのベンチャー企業について紹介しています。
お菓子のベンチャー企業をまとめた記事もあるので、こちらのリンクからご覧ください。
企業情報
会社名 株式会社BAKE
代表者 山田純平
本社所在地 東京都港区白金台3丁目19番1号興和白金台ビル
設立年月日 2017年7月18日
資本金 1億円
従業員数 967名(アルバイトスタッフ 2023年9月末時点)