最終更新日 24/07/30
国内スタートアップ

【飲料メーカー発】社内ベンチャー4選

まとめ記事食品
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今回は大手飲料メーカー4社の、サントリー、サッポロビール、キリン、アサヒビール発の新規事業に絞って紹介していきます。 以下の社内でそれぞれ、新規事業として立ち上げられたサービスをまとめたので、ご覧ください。

  • 【IN MIST】サントリー株式会社
  • 【HOPPIN’ GARAGE】サッポロビール株式会社
  • 【IN HOP】キリン株式会社
  • 【スマドリ】アサヒビール株式会社

【IN MIST】サントリー株式会社

(引用元:https://www.suntory.co.jp/?ke=hd

「IN MIST」は、ミスト状のサプリメントを提供する、今注目のサービスです。

IN MISTは、サントリーの社内ベンチャー制度で採択されたことから立ち上げられました。

IN MISTは、2024年5月15日、16日に開催された、日本最大級のスタートアップ展示会である「Start up JAPAN 2024」にも参加しています。Start up JAPAN 2024では、「人生100年時代を支えるヘルステック部門」にてグランプリを受賞し、今注目を集めている企業です。

今回は、そんなIN MISTだけではなく、サントリーの社内ベンチャー制度についても紹介していきます。

【IN MIST】次世代サプリメントで健康革命を

(引用元:https://shop.inmist.jp/products/trial-assorted-set?_pos=1&_sid=32a569b6a&_ss=r

IN MISTは、サプリメントの「飲みにくさ」を解消したミスト状の製品です。

スプレー式の口元を口に咥え、ボタンを押すだけで、必要な栄養素を効率良く摂取できます。

現在、以下の3種類のサプリメントを販売しています。

ビタミン系のサプリメントが2種類、L-テアニンのサプリメント1種類の販売が行われています。
定期便やセットでも販売されているので、手軽に揃えられますね。

IN MISTには、サントリー独自のノウハウが活かされており、特別なサプリメントとなっています。
例えば、栄養成分を少量の液体に凝縮する技術、フレッシュキープボトル、口当たりの良いミミスト噴出機構などです。約5年間の研究開発によって、他にはない特別なサプリメントが完成しました。

また、IN MISTにはミストだからこそ達成できる3つの要素があります。 次の章では、それぞれの要素について紹介していきます。

ミストだからこそ達成できる3要素

(引用元:https://shop.inmist.jp/products/clearwhite-lemon-trial?_pos=2&_sid=ab67baa74&_ss=r
  • こまめに補給できる
    IN MISTは、持ち運びやすいことや、水なしでサプリメントを飲めることから、毎日どこでも栄養素を摂取することが可能です。 特にサプリメントとして人気なビタミンCは、数回に分けてこまめに摂取する方が、効率が良いということが科学的に証明されています。
  • 口の粘膜からも効率よく吸収できる
    ビタミンCは、口の粘膜から吸収されることが証明されています。錠剤のサプリメントを、口の粘膜から摂取することは難しいですが、ミスト状のIN MISTを利用することで、効率的にビタミンCを吸収することができます。
  • 継続することができる
    サプリメントでの効果を実感するには、継続することが重要です。IN MISTでは、手軽に美味しく、ストレスフリーで栄養素を摂取することができるため、誰でもサプリメントを継続することができます。

沿革:サントリーの社内ベンチャー制度から、大人気商品へ

(引用元:https://shop.inmist.jp/pages/company

IN MISTは、2018年頃にサントリーの社内ベンチャー制度で採択された新規事業です。

採択後、サントリー所属の長田知也氏が、新規事業支援会社であるゼロワンブースターへ出向し、IN MIST事業をスタートさせました。

約5年にわたる研究から生まれた技術により、2023年4月に、製品が完成します。
2023年7月には、公式ECサイトと店舗での販売が始まりました。

2023年10月には、2023年グッドデザイン賞に選ばれるなど、注目を集めています。

長田氏は、現IN MIST事業代表として、さらなる事業拡大に努めています。

サントリーの社内ベンチャー制度:FRONTIER DOJO

(引用元:https://www.suntory.co.jp/company/frontierdojo/https://01booster.com/feature/playback-01bcf/01bcf2023-a3-incubation/https://01booster.co.jp/news/intrapreneur/2718

「FRONTIER DOJO」は、サントリーの社内ベンチャー制度です。 このプログラムでは、未来のサントリーグループを支える新規事業アイデアを募っています。

書類審査・面接を経て選抜されたチームがプログラムを通して、切磋琢磨しながら事業アイディアをブラッシュアップしていきます。

三段階の起業家育成プログラムを経て、プレゼンを通過すれば、起案者自らが提案したビジネスプランを事業化することができる制度です。

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【HOPPIN’ GARAGE】サッポロビール株式会社

(引用元:https://www.sapporobeer.jp/

次に紹介するのは、サッポロビールの新規事業「HOPPIN’ GARAGE」です!

HOPPIN’ GARAGEは、社外の魅力的な人々の人生ストーリーとサッポロビールの醸造技術を掛け合わせる新製法「ストーリーブルーイング」で、ビールを製造しています。
ストーリーブルーイングによって、これまでにない多様性あふれるビールが生まれ、ストーリーを感じながらビールを飲むという体験ができます。

今回は、そんなHOPPIN’ GARAGEの取り組みや、沿革、サッポロビールの新規事業開発についても紹介していきます。

【HOPPIN’ GARAGE】一人ひとりの人生ストーリーから生まれたビール

(引用元:https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000012441/https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/ONB/23/microsoft1005/https://www.hoppin-garage.com/product/

HOPPIN’ GARAGEでは、一人ひとりの人生ストーリーから生まれたビールを販売しています
通年販売のビールから、2ヵ月に1回の限定販売ビール、定期便のビールなどさまざまな商品を展開中です。

HOPPIN’ GARAGEでは、マスコットキャラクターであるホッピンおじさんが、旅先で出逢った魅力的な人々のストーリーをもとにさまざまなビールを生み出すというものをコンセプトにしています。

次に、提供中のサービスを紹介していきます。

【提供サービス】

主に3種類の商品を提供しています。

①通年販売の「ホッピンおじさんのビール」

②限定販売の「人生ストーリーから生まれたビール」

③2か月に1回お届けの「人生ストーリーから生まれたビール」の定期便

のサービス展開です。

今回は特に、HOPPIN’ GARAGEのコンセプトが表れている、②「人生ストーリーから生まれたビール」ができる工程について説明していきます。

【人生ストーリーからビールが生まれる工程】

初めに、ビールのストーリーとなる、魅力的な人生ストーリーを持っている主人公を発掘します。
次に、人生ストーリーの主人公と、ビールのつくり手・デザイナーが直接やりとりを行い、共同でビールを開発します。
ビールが完成すると、HOPPIN’ GARAGEのECストアや定期便として人々のもとへ届きます。

次の章では、「人生ストーリーから生まれたビール」をピックアップして紹介していきます。

【クラフトビール紹介】

(引用元:https://www.hoppin-garage.com/product/soregajinsei/

ここで紹介するのは、コピーライター石井つよシさんが主人公の、ハードでヘビーな大人の人生に寄り添うビール「それが人生」。

思い通りにならないことがあったとき、「それが人生」という言葉と一緒に、苦さを噛み締めながらビールを飲む。そんなハードでヘビーな大人の人生に寄り添ったビールをつくりたいと思った石井さんは、これまでどんな人生を歩んできたのでしょうか?

「濃い、渋い、暑くるしい」というキーワードでつくっていただいたビールです。熱を多めに加えるという昔ながらの製法でつくっていて、苦味は強め、粗削りだけどそれがいいよねって感じの味わいになっています。

https://www.hoppin-garage.com/product/soregajinsei/

沿革:「新しいビールの楽しみ方」を拡大中

(引用元:https://www.advertimes.com/20230222/article412028/https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/ONB/23/microsoft1005/

2018年10月から、プロジェクトが立ち上げられました。立ち上げから1年は、お客様とのコミュニケーションや試験品の試飲イベントのみを行っていましたが、翌年からはお客様との共創による商品を連続的に発売します。

商品の売れ行きから、2021年4月には本格的に事業化します。2022年には、11種類の商品を発売し、売り上げは2021年の約2.5倍の約1.8億円に増加しました。

人気の高まりとともに、2023年にはホッピンフェスを開催します。ホッピンフェスは、サッポロビール初のクラフトビール合同イベントで、ビールの飲み比べをすることが可能なフェスです。

2024年には、ビール品評価会である「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」でHOPPIN’ GARAGEのビール2種類「HOPPIN’GARAGE ホッピンIPA」と「HOPPINʼ GARAGE ホッピンラガー」が銀賞を受賞しました。

サッポロホールディングスの新規事業開発

(引用元:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01206/

サッポロホールディングスは、2023年1月から、グループ全体のDXを視野に入れた新規事業開発プロジェクトを推進しています。
日経クロストレンドのインタビューによると、サッポロホールディングスは、5カ月間の取り組みの中で、約80個の事業テーマを創出し、16個のプロトタイプを作成したそうです。
23年度に生み出された事業テーマの事業性評価を実施し、24年度以降の事業化を目指しています。

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【IN HOP】キリン株式会社

(引用元:https://www.kirin.co.jp/

今回紹介する「IN HOP」は、キリンの社内ベンチャー制度から生まれた、ホップを使ったサプリメントを提供するサービスです。

ホップはビールの主原料としてのイメージが強いですが、実はハーブであり、健康へのさまざまな効果が期待されています。
この事実に着目した金子裕司氏が、ホップを活用したサプリメントの開発に成功し、2019年にINHOP株式会社を設立しました。

今回は、そんなIN HOPの商品や、沿革、キリンの社内ベンチャー制度についても紹介していきます。

【IN HOP】ホップのサプリメントで健康対策

(引用元:https://incubationinside.jp/contents/kirin-inhophttps://inhop.co.jp/jukusei/https://inhop.co.jp/jukusei/

IN HOPでは、キリン独自のホップ素材を使った、さまざまな種類のサプリメントや食品を提供しています。
今回は、特に注目されている商品を2種類紹介します。

①【シンキングサプリ ホイップイングミ】

(引用元:https://inhop.shop/collections/all)

「シンキングサプリ ホイップイングミ」は、すべての人の「思考する時間」をサポートする商品です。

キリンホールディングスが10年の研究を経て開発した「熟成ホップエキス」が含まれており、集中力の向上、記憶力の向上、思考時の疲労感を低減する効果が期待できるといわれています。

仕事中や勉強中などでも手軽に美味しく「熟成ホップエキス」を摂れるようにした、ミシュランガイド掲載店シェフ監修の、特別なサプリメントです。

②【ホップ効果】

(引用元:https://inhop.shop/collections/all

「働くアタマとカラダの脂肪にホップ効果」には、2つの特徴があります。

注意力の精度向上に役立つ機能と、BMIが高めの人のお腹周りの脂肪を減らす機能が報告されている「熟成ホップ由来苦味酸」を含むサプリメントです。

毎日の仕事を頑張るビジネスマンや、人生100年時代をイキイキと過ごしたいという方に、おすすめされています。

【IN HOPのこだわり】

  • 熟成ホップエキス
    IN HOPに使われている熟成ホップエキスは、キリンホールディングスが10年にわたって研究を続けたものです。 熟成ホップは、脳機能を活性化させる苦み成分を含んでいますが、ホップ本来の苦みを1/10に抑えています。
  • ミシュランガイド掲載店シェフが監修
    IN HOPは、サプリメントの味にもこだわっており、有名シェフともコラボしています。
    2020年以来、4年連続で1つ星を獲得している鳥羽周作氏が、商品の味覚に監修しました。 「ホップインチョコ」や「ホップイングミ」などの商品が監修されており、2022年には、国際味覚審査機構が実施する、食品や飲料の味覚と品質を国際的に評価するコンテストで入賞しています。

沿革:味覚にこだわりながら事業を拡大中

(引用元:https://innovation.alphadrive.co.jp/kirininhop/https://www.youtube.com/watch?v=41NY5t9KfJI&t=1shttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000062885.html

2019年に、キリンの社内ベンチャーとして設立されました。

2020年には、後に国際味覚審査機構によって優秀味覚賞一ツ星を与えられる「ポップイングミ」の発売が始まりました。また、思考する時間をサポートする「受験力グミ」も発売されています。

2022年には、国際味覚審査機構が実施する、食品や飲料の味覚と品質を国際的に評価するコンテストにおいて、「ホップイングミ」と「ホップインチョコ」が優秀味覚賞一ツ星を受賞します。

IN HOPは、キリンと電通のジョイントベンチャーとして誕生しましたが、2023年のキリンへの事業譲渡を通して、現在はキリンホールディングスのIN HOP事業として運営されています。

社内起業制度:キリンビジネスチャレンジ

(引用元:https://bizchallenge.kirin.co.jp/top/index.htmlhttps://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/n/n8661801fd37c

キリンには、社員からビジネスアイデアを募集し、事業化を支援する社内制度「キリンビジネスチャレンジ」があります。
この制度には、キリングループの国内全社員が応募することができ、応募後の選考を突破すると、事業を立ち上げることができます。この制度を通して、IN HOPのような数々のアイデアが事業化されてきました。

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【スマドリ】アサヒビール株式会社

(引用元:https://www.asahibeer.co.jp/

今回紹介するスマドリ株式会社(以下、スマドリ)は、新しくて楽しいお酒の生活文化「スマートドリンキング」を提供する、アサヒビールと電通デジタルのジョイントベンチャーです。 スマートドリンキングとは、誰もが楽しめる、多様性を認め合えるお酒の飲み方を指しています。

スマドリの「何を飲んでもええねん!」という、ダウンタウン浜ちゃんのCMを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

スマドリは、一人ひとりの体質や気持ちに合わせたお酒の飲み方を推進し、商品や飲食店の展開、イベントの開催などを行っています。

今回は、そんなスマドリの取り組みや、沿革、アサヒグループの新規事業開発についても紹介していきます。

【スマドリ】アサヒビールが創る、新しいお酒の文化

(引用元:https://www.asahibeer.co.jp/sustainability/drinking/engage/https://www.asahibeer.co.jp/sustainability/drinking/engage/

アサヒビールは「さまざまな人々の状況や場面における飲み方」の選択肢を拡大し、多様性を受容できる社会を実現すること」を目的に、さまざまな取り組みを行っています。 今回は、2つのスマドリ事業を紹介していきます。

①【商品展開】スマートカテゴリーの拡大

(引用元:https://www.asahibeer.co.jp/sustainability/drinking/engage/

スマドリの取り組みでは、スマートカテゴリーの拡大とともに「責任ある飲酒」を推進中です。
アルコール度数3.5%以下の商品がスマートカテゴリー商品と定められており、人々のアルコール度数選択の機会を広げ、アルコール摂取量を管理できるようにすることを目標に、商品展開されています。

商品としては、アルコール度数0.00%のビールテイスト飲料「アサヒドライゼロ」「アサヒ ゼロ」「アサヒスタイルバランスプラス」の提供を行っています。
また、アルコール度数0.5%の微アルコール ビールテイスト飲料「アサヒ ビアリー」や微アルコールワインテイスト飲料「ビスパ」、アルコール分3.5%の「スーパードライドライクリスタル」などの販売も行っています。

②【店舗展開】スマドリ文化の発信拠点

(引用元:https://www.asahibeer.co.jp/news/2022/0420_1.htmlhttps://www.asahibeer.co.jp/sustainability/drinking/engage/

スマドリでは、商品だけではなく、店舗の展開も行っています。
2022年6月には、「スマドリバー渋谷」を渋谷センター街にオープンしました。
アルコール分0.00%、0.5%、3.0%のドリンクを100種類以上楽しむことができるバーで、自分の体質や好みに合ったドリンクを選ぶことができます。

2023年5月には、ノンアルコールドリンクを提供することで飲酒運転防止に繋がる「Ariake Miraie CAFÉ」をトヨタモビリティ東京有明店内に設置し、同年9月にも「THE 5th by SUMADORI-BAR」を渋谷にオープンしました。
「THE 5th by SUMADORI-BAR」は、酔わなくても楽しめる新しい大人の嗜好品を提供する、新しいバーです。

これらの店舗を拠点に、スマートドリンキングの機会提供や情報発信を行っています。

沿革:店舗の開設やコラボを経て、飲酒の多様性を普及

(引用元:https://www.jma2-jp.org/award/fifteenhttps://www.asahibeer.co.jp/smartdrinking/company/

スマドリは、2022年1月にアサヒビールと電通デジタルのジョイントベンチャーとして設立されました。 同年4月には、スマドリ初の店舗となる「スマドリバー渋谷」を開店します。

2023年1月には、味の素とスマドリでコラボレーションをします。Z世代に向けて適切なアルコールの楽しみ方と、適正な塩分の食事体験を推進するために、スマドリバー渋谷にて、味の素のうまみ調味料を活用した、減塩メニューの提供を開始しました。

2023年5月には、第15回日本マーケティング大賞で「スマドリバー渋谷」がグランプリを受賞しました。 その後も、教育機関や食品メーカー、地方自治体などと協力し、飲酒の多様性を普及させています。

アサヒの新規事業開発

(引用元:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00438/00020/https://creatorzine.jp/news/detail/5287

アサヒグループが抱える課題解決と新規事業開発を目的に、2023年1月に、イノベーション推進組織FCH(Future Creation Headquarters)が設置されました。 2024年4月時点で、進行している施策が約15件あり、積極的に新規事業の立ち上げやベンチャー企業との連携を行っています。

まとめ

今回は、以下4つの飲料メーカー発の新規事業を紹介してきました。

New Venture Voiceでは、これらの事業ごとに、さらに詳しい記事を紹介しているので、上記のリンクからご覧ください。

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