【avatarin】アバターロボットを開発するANA発のスタートアップ

avatarin株式会社(以下、アバターイン)は、アバターロボットの開発、プラットフォームの提供を行うスタートアップです。

同社は、「移動の民主化~すべての人が持続的にいつでも、どこへでも自由に移動できるように」という目標を掲げるANAホールディングス発のスタートアップです。

本記事では、同社の事業内容・市場規模・資金調達等について詳しく説明していきます。

アバターロボット「newme(ニューミー)」

(引用:https://robotstart.info/robot-database/newme)

「newme(ニューミー)」は、遠隔地を自由に動きまわり、ディスプレイにスタッフの顔を表示して対面での会話が可能な接客・案内に最適なアバターロボットです。

遠隔でも接客、案内業務を提供することができ、人材が不足している幅広い業界にソリューション・サービスの提供を可能にします。

※AI機能は現在開発中です。

遠隔で接客や案内業務が可能

(引用:https://about.avatarin.com/service/#sec2)

ビジネスの現場では、人手不足による省人化や自動化が進む一方、接客やホスピタリティの重要性が見直され、人材の価値についての注目が高まっています。

アバターロボット「newme」があれば、「人による応対が必要な業務」や「その個人にしかできない業務」を遠隔から行うことが可能となり、顧客体験価値の維持・向上や収益向上に繋げることができます。

アバターロボットのプラットフォーム「avatarin」

(引用:https://about.avatarin.com/service/#sec2)

「avatarin(ベータ版)」は、誰でも、いつでも、どこからでも、アバターロボットを利用することができる専用のプラットフォームです。

avatarinのプラットフォームを利用すれば、職場や公共施設など、遠隔地にあるロボットに自由にアクセスすることができるようになります。

人手不足の中でも、限られた人材がアバターロボットを利用することで、ビジネスの現場に新しい価値創造の可能性を広げます。

創業ストーリー

avatarin代表の深堀氏は「世界の人々に夢と感動を届ける」という理念に共感し、2008年にANAに入社しました。

しかし、入社後に気づいたのは、エアラインユーザーは世界の人口のわずか6%に過ぎないという事実でした。

この現実に衝撃を受けた深堀氏は、ライフワークとして社会課題の解決を考え始めました。特に、物理的、身体的、あるいは国際情勢的に「行きたいところに行けない人々の移動」をどうするかに焦点を当てました。

2016年、深堀氏は米国ロサンゼルスのXPRIZE財団が実施した「10億人の生活を変えるテクノロジー」をテーマにしたコンペティションに、「瞬間移動」のコンセプトで参加し、見事グランプリを受賞しました。

2018年には、ANA内で「アバタープロジェクト」が始動し、将来に向けたアバターの社会インフラ化をビジョンとして表す「ANA AVATAR VISION」を発表しました。

当初は量子テレポーテーションも考慮しましたが、実現性のある方法を模索する中で、遠隔操作のロボット「newme」を使い、世界中の行きたい場所に設置されたロボットを通じて瞬間移動したかのような体験を提供するというアイデアに行き着きました。

こうして、ANAの社内事業としてスタートしたアバタープロジェクトは、深堀氏の情熱とともに、現実のものとなり、avatarinが誕生しました。

ANA発ベンチャー「avatarin」の原点:深堀CEOが語る「社会課題解決」と「量子テレポーテーション」

沿革

アバターインは2020年4月に深堀昂氏によって設立され、これまで「newme」を中心としたアバターロボット事業を展開してきました。

2021年7月には、大分県と株式会社デンケンの協力のもと、大分県にあるデンケンの工場で量産を行うことで「newme」の量産体制を確立しました。

同年10月には、アバターロボットを誰もが利用することができるプラットフォーム「avatarin」ベータ版を提供開始しました。

2024年7月にはシリーズBで37億円の資金調達を達成するなど、事業を拡大中です。

資金調達:シリーズBで37億円を調達し、累計調達額は77億円

アバターインはこれまで複数回の資金調達を達成しており、累計調達額は約77億円です。

主な株主として、ソフトバンク株式会社、芙蓉総合リース株式会社、株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社などがあります。

主要な資金調達は以下の通りです。

  • 2023年4月:シリーズAラウンドで約20億円の資金調達
  • 2024年7月:シリーズBラウンドで総額約37億円の資金調達

同社は調達した資金を元に、生成AIやロボティクスをはじめとする技術の研究・開発を促進し、人とAIが共存するサービス創出を目指します。

市場規模:AIロボット市場は2026年に約4兆円へ

(引用:https://www.sbbit.jp/article/cont1/83034)

MarketsandMarketsによると、AIロボットの市場規模は2021年に69億米ドル(約8073億円)でした。

同市場は2026年までに353億米ドル(約4兆1303億円)の規模に成長すると予測されており、当該期間中のCAGR(年平均成長率)で38.6%の増加が見込まれています。

サービスロボットが市場を独占

(引用:https://www.sbbit.jp/article/cont1/83034)

AIロボット市場において、人の生活空間などで稼働するサービスロボットは全体の約97%と最大のシェアを占めており、2026年までの期間中もその地位を維持すると予想されています。

国際ロボット連盟(IFR)によると、サービスロボットの需要が高まっている背景の一つに、AIサービスロボットの製造を主とするベンチャー企業の種類と数がロボットメーカー全体の約29%を占めていることがあるようです。

今がアツい「AIロボット」、“5年で5倍”の圧倒的な成長市場、その可能性を探る

会社概要

会社名:avatarin株式会社

所在地:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3-3-9 日本橋アイティビル5F

設立年月日:2020年4月1日

代表:代表取締役CEO 深堀 昂

HP:https://about.avatarin.com/

まとめ

本記事では、アバターロボットの開発、プラットフォームの提供を行うavatarin株式会社について紹介してきました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

アバターインのように、AIロボット開発を行う企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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