Eight Sleep社(以下、エイトスリープ)は、アメリカ発のスリープテックのスタートアップです。同社は、体温調節機能を持ち、自動で温度が変化するマットレスカバー「Pod」を提供しています。
特に、最新のマットレスカバー「Pod 4 Ultra」は、マットレスの温度を変更する機能だけでなく、振動と温度変化によるアラームなど、最先端の機能が多数備わっています。
本記事では、エイトスリープについて詳しく紹介しています。特に、マットレスカバーの機能の詳細や、日本進出の有無、創業の経緯、最新の資金調達まで説明していますので、ご覧ください。
温度が自動で変化するマットレスカバー”Pod”を販売
エイトスリープは、体温調節機能を備えたマットレスカバーである「Pod」を販売しています。この「Pod」を使うことで、利用者はより快適で効果的な睡眠を得ることができます。
特に、日本は四季があるため、同社のマットレスカバーが効果を発揮すると予想されます。
例えば、夏の暑い夜にエアコンをつけたまま寝て風邪を引いたり、冬の寒い夜に暖房をつけたままで喉を痛めたりした経験がある方に、このマットレスカバーは最適です。
寒暖差が大きい季節や、エアコンに頼った温度調整をしている方には、この製品が快適な睡眠環境を提供してくれることは間違い無いでしょう。
同社の調査では、体温調節機能により睡眠の質が最大32%向上することが実証されています。さらに、エイトスリープには専用アプリが存在します。アプリを通じて睡眠データを解析し、個別に最適化された睡眠アドバイスを見ることができます。これにより、利用者は自分の睡眠習慣を見直し、改善するのに役立てることができるでしょう。
以上は、最新の「Pod 4 Ultra」の紹介ビデオです。マットレスの温度を変更する機能など、最先端の機能が多数備わっているのがわかります。
「Pod 4 Ultra」の機能については、以下にまとめましたので参照してください。
「Pod 4 Ultra」の機能一覧
- 自動温度調節:55°F~110°Fの範囲で自動的に温度を調整。
- デュアル温度調節:ベッドの両側で個別の温度調整が可能(パートナーと寝る時など)。
- 振動・温度によるアラーム:胸元の振動と徐々に変化する温度で自然に起床可能。
- 睡眠・健康レポート:睡眠時間、睡眠段階、心拍数、呼吸数などの詳細なレポートを提供。
- あらゆるベッドに対応:シーツのようにどのマットレスにもフィットするカバータイプ。
- いびきの検出:いびきの発生と強度をレポート。
- 睡眠の高度な追跡機能:心拍数、HRV、呼吸数などのデータを99%の精度で追跡。
- 静音動作:30dBで動作し、従来より40%静かに。
- スマホ不要で操作可能:ポッドの側面をタップして温度と傾斜の調整が可能。
- いびき軽減:自動で頭部を持ち上げ、いびきを軽減。
- 睡眠時の傾斜をカスタム可能:背中の圧力軽減と血行改善に寄与。
- 読書用の傾斜をカスタム可能:就寝前の理想的な読書やTV鑑賞に最適。
- リラックス用の傾斜をカスタム可能:頭と足を少し上げたリラックスポジションが可能に。
日本での販売は?
2024年10月現在、エイトスリープのマットレスカバーを日本において購入できる店舗、Webサイトは存在していません。
公式サイトによると、現在購入可能な地域は以下の5つの地域に限られています。
- 米国(アラスカ、ハワイ、プエルトリコ、その他の米国領土を除く)
- カナダ
- EU諸国(キプロス、ギリシャ、マルタを除く)
- 英国
- オーストラリア
ただし、同社は全世界に多機能マットレスカバーを提供することを目標にしています。そのため、今後アジア方面への提供が開始されるかもしれません。
創業の経緯:弁護士→起業→睡眠に関心
エイトスリープは、2014年にMatteo Franceschetti(マッテオ・フランチェスケッティ, CEO)、Massimo Bassi (マッシモ・バッシ, CTO)、Alexandra Zatarain(アレクサンドラ・ザタライン)によって創業されました。
CEOのマッテオ・フランチェスケッティは大手法律事務所で弁護士としてキャリアをスタートさせました。しかし、常に起業家になることを夢見ていた彼は、初の会社であるGlobal Investmentを2008年に共同創業。ヨーロッパ全域で太陽光発電所を開発し、2011年に売却に至りました。
その後、多機能マットレスカバーのアイデアを思いついた彼は、2015年にクラウドファンディングサイト「IndieGoGo」で初の製品の販売を通じて、10万ドルを調達。8000台以上を販売に成功しました。以上が同社の始まりです。
資金調達:累計資金調達額、1億5000万ドル達成
エイトスリープは、創業以来、複数回の資金調達を行ってきました。以下はその主要な資金調達の概要です。
クラウドファンディング(2015年)
- 調達額:10万ドル
シリーズCラウンド(2021年)
- 調達額:8600万ドル
- リード投資家:Valor Equity Partners(Tesla、SpaceX、GoPuffなどを支援)
- 参加投資家:SoftBank、Khosla Ventures、Founders Fund、General Catalyst
シリーズCラウンドにより、エイトスリープの累計資金調達額は1億5000万ドルとなり、評価額は5億ドル近くに達しました。
この資金は、AI技術を活用した睡眠の質の向上、温度調節、健康監視を通じた総合的な健康管理の提供を目的としたスマートマットレスやマットレスカバーの開発に活用されます。
睡眠デバイス市場規模は、約200億ドル越え
エイトスリープが関わる睡眠デバイス市場は急速に拡大しています。2023年の市場規模は約211億米ドルと推定され、2033年までの年間平均成長率は18.23%で、最終的には約1131億6000万米ドルに達すると予測されています。
この成長の背景には、睡眠意識の高まりや睡眠障害の増加が影響しています。また、睡眠追跡機能を持つスマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブルデバイスの人気も市場拡大に寄与しています。
会社概要
会社名:Eight Sleep
設立:2014年
創業者:Matteo Franceschetti,、Massimo Andreasi Bassi、Alexandra Zatarain
拠点:アメリカ合衆国、ニューヨーク州