最終更新日 25/02/13
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【Fivot】銀行融資に頼らない!Fivotが切り開く新しい資金調達のカタチ

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(引用元:PR TIMES

スタートアップにとって、資金調達は成長の鍵を握る重要な要素です。しかし、従来の銀行融資ではスピード感や柔軟性に欠け、資金確保に苦労する企業も少なくありません。

そこで注目を集めているのが、デットファイナンスの新しい形を提供する「Fivot」(フィボット)。この記事では、法人向けサービス「Flex Capital」と、個人向けサービス「IDARE」で、資金調達の常識を覆し、成長を後押しするFivotの戦略や会社概要について詳しく紹介します。

株式会社Fivotとは?

(引用元:Fivot公式HP

「株式会社Fivot」(以下、Fivot)は、2019年に設立された、東京・虎ノ門に本社を構えるスタートアップ企業です。Fivotは、「新しい産業構造に新しいお金の流れを作る」というミッションのもと、金融業界に革新をもたらすことを目指しています。特に、従来の銀行融資では資金調達が難しいスタートアップ企業向けに、デットファイナンスのサービスを提供しており、これまでの金融サービスにない新しいアプローチで注目を集めています。

Fivotの代表取締役である安部匠悟氏は、起業当初から「企業が直面する資金調達の障壁を取り除く」というビジョンを掲げ、以下の2つのプロダクトを通して既存の金融機関とは異なる方法で資金調達の選択肢を広げてきました。その結果、Fivotはスタートアップ企業にとって重要な資金調達の手段を提供する企業へと成長を遂げています。

<Fivotが提供するサービス>

  • 法人向けサービス「Flex Capital」
  • 個人向けサービス「IDARE」

デットファイナンスとは?

(引用元:PR TIMES

そもそも、デットファイナンスとは何なのでしょうか。以下の表で2つの資金調達法の違いを簡単に説明します。

デットファイナンスエクイティファイナンス
融資方法銀行融資・社債・ベンチャーデットなど株式発行・VC投資・エンジェル投資など
返済義務あり(元本+利息を返済)なし
スピード速い(審査後すぐに資金調達可)時間がかかる(出資交渉や契約に時間が必要)
経営者の権力維持できる(株式の希薄化なし)希薄化する(株式を譲渡し、経営権の分散リスクあり)
成長フェーズの企業(将来的な株価上昇が期待される企業)高い(借入額や返済条件を調整可)制約あり(出資条件に応じた対応が必要)

このように、デットファイナンス(Debt Finance)とは、企業が借入金(負債)を活用して資金調達を行う方法です。デットファイナンスの特性は、経営権を保ったままスピード感のある成長を求めるスタートアップ企業に向いているといえます。

株式発行(エクイティファイナンス)と異なり、返済義務がある一方で、経営者が企業の支配権を維持できる点も特徴です。また、融資の特性上、SaaSなどのサブスクリプションモデルや、BtoBの継続請求ビジネスのように毎月一定の収益が見込めるケース、売り上げが安定している企業に向いています。

一方で、デットファイナンスには2つの課題があります。まず、返済義務があるため、事業が計画通りに進まない場合の財務リスクが高いこと。加えて、新興企業への実行例が少ない点も問題です。貸し手は資金の回収を前提とするため、実績が乏しいスタートアップは融資を受けにくいのです。

このように、デットファイナンスはスタートアップ企業に必要とされている一方でその活用には一定のハードルが存在しています。Fivotは、そのニーズと現状のギャップを埋めるサービスを提供しています。

Fivotの提供サービス・プロダクト

(引用元:PR TIMES

B to B: Flex Capital

(引用元:PR TIMES

Fivotが提供する法人向けサービス「Flex Capital」は、スタートアップ企業に最適なデットファイナンスサービスです。Flex Capitalが他のデットファイナンスと違う点は迅速な融資審査と審査基準の柔軟性にあり、銀行融資やその他の伝統的な金融手段が難しい企業に向けて、資金調達の新たな選択肢を提供しています。特に、Fivotの融資は、既存の銀行融資と比べてスピーディかつ柔軟な条件で提供されるため、スタートアップ企業が急な資金調達が必要な場合にも対応しやすいというメリットがあります。

上述の通り、Flex Capitalの特徴は、迅速な融資審査と審査基準の柔軟性です。従来の金融機関では、融資を受けるためには多くの時間と厳格な条件が必要ですが、FivotではAIを活用した融資審査により、短期間で融資の可否を判断し、スピーディに資金を提供することができます。また、返済条件についても柔軟で、企業のキャッシュフローに合わせた返済計画を提供しており、企業の負担を軽減しています。

〈Flex Capital 独自の技術によるサービス〉
・RBF 将来の売上を先に現金化。担保不要・迅速な審査で最大5,000万円を調達できる、成長企業向けの柔軟な資金調達手段
・ベンチャーデッド 最大3億円の融資を担保や過去の財務実績に依存せず、企業の将来性を重視した柔軟に提供
・インボイス 企業が請求書(売掛債権)を活用して最短3営業日で資金を現金化。成長企業のキャッシュフローを安定させる手段

B to C: IDARE

(引用:PR TIMES)

個人向けに提供される「IDARE」は、貯金を習慣化するための新しいアプローチを提供するアプリです。特に若年層やフリーランスのユーザーに焦点を当てており、貯金の目標を設定してお金を貯めることができる仕組みを提供しています。

本アプリの特徴は、「目標設定型の貯金を促進している点」です。残高を複数にわけて管理することができるため、旅行や教育費などの具体的な目標を設定することで、その目標に向けて貯金を進めることができます。

IDAREは、貯金をゲーム感覚で楽しむことができるため、貯金習慣がない人でも自然にお金を貯めることが可能です。また、ユーザーは自分の進捗状況を簡単に可視化でき、達成感を感じながら貯金を続けることができるため、より高いモチベーションで貯金を習慣化できます。

実績と将来展望:「Flex Capital」がベンチャーグランプリを受賞

(引用元:PR TIMES

Fivotは設立から短期間で数多くの企業や個人にサービスを提供しており、さまざまな実績を積み重ねてきました。特に、Flex Capitalはスタートアップ企業にとって有用な資金調達手段となっており、すでに多くの企業がFivotの資金調達サービスを利用しています。これにより、Fivotは急速に成長し、スタートアップ企業の資金調達における重要なリードカンパニーとなりつつあります。

こうした実績が評価され、Fivotは一般社団法人日本クラウド産業協会が2024年11月20日に発表した「第18回ASPICクラウドアワード2024」の「基幹業務系ASP・SaaS部門」において、『ベンチャーグランプリ』を受賞しました。この賞は総務省の後援のもと、日本国内で優れたIoT・AI・クラウドサービスを提供する企業を表彰するもので、事業者やユーザーの事業拡大や業務効率化を支援することを目的としています。

また、Fivotがターゲットとする市場は今後さらに拡大する見込みです。日本国内ではスタートアップ企業の数が増加傾向にあり、それに伴いデットファイナンスの需要も急速に高まっています。この流れを受け、Fivotのサービスへのニーズは今後さらに拡大すると予想されます。Fivotは市場の成長を見据えながら、より多くの企業に向けたサービス展開を進めていく方針です。

資金調達:2022年9月にシリーズAで総額10億円を調達

(引用元:Fivot公式HP

Fivotが提供するFlex Capitalは、企業が成長に必要な資金を迅速に調達するための重要な手段となっていますが、Fivot自身も積極的に資金調達を行っています。

実際に、2022年9月21日、FivotはシリーズAラウンドで総額約10億円の資金調達を実施しました。このラウンドでは、以下の投資家が引受先となっています。

  • リード投資家:Angel Bridge
  • ​新規投資家:SBIインベストメント、SuMi TRUSTイノベーションファンド、株式会社三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、新生企業投資株式会社グループ、Sony Innovation Fund
  • 既存投資家:キャナルベンチャーズ、DEEPCORE

この資金調達により、Fivotは既存サービスをさらに成長させ、スタートアップ企業への提供価値を高めることを目指しています。具体的には、拡大する顧客層への対応や提供サービスの強化に加え、精度の高い与信モデルとデータ分析基盤への投資融資業務の効率化を図るシステム開発プロダクトおよびビジネスチームの優秀な人材の採用強化に取り組んでいます。

会社概要

  • 企業名:株式会社Fivot
  • 代表取締役:安部匠悟
  • 住所:〒105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目8-21 虎ノ門33森ビル
  • 設立年月:2019年10月
  • 備考:前払式支払手段(第三者型)発行者登録 関東財務局長 第00738号     
  • 貸金業者:東京都知事 (2) 第31827号
  • 従業員数:17名(正社員のみ。業務委託メンバー含め30名)

まとめ

株式会社Fivotは、スタートアップ企業向けに柔軟で迅速な資金調達手段を提供することで、これまでの金融業界にはない新しい価値を創出しています。Flex CapitalとIDAREを通じて、企業と個人の資金調達や貯金の方法を革新し、今後も多くの企業や個人に対して支援を提供していくことが期待されます。Fivotの成長は、日本のスタートアップ市場にとって、非常に重要な意味を持つといえるでしょう。

本記事では、従来の銀行融資では資金調達が難しいスタートアップ企業向けに、デットファイナンスのサービスを提供して株式会社Fivotについて紹介しました。New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社Fivotのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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