最終更新日 25/01/11
国内スタートアップ

【ForestFolks】高品質なカーボンクレジットを提供する注目スタートアップ

サステナブル
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(引用:PR Times)

森林から生まれるカーボンクレジットは、環境問題を解決する新しいビジネスチャンスです。その中で「株式会社ForestFolks」(以下、ForestFolks)は、独自の品質基準と最先端技術を活用し、信頼性の高いカーボンクレジットを提供しています。CO2削減を目指す企業にとって欠かせないパートナーとして注目を集める同社の取り組みと、その可能性に迫ります。

事業内容:森林由来の高品質カーボンクレジットを提供

(引用:PR Times)

ForestFolksは、森林の管理からカーボンクレジットの創出・販売までを一貫して提供しています。森林が吸収するCO2量を増やすだけでなく、生物多様性や水資源への配慮も行い、環境への実質的な貢献を目指している点が、同社の最大の特徴です。

ForestFolksはカーボンクレジットの品質を担保するため、次のような先進的な取り組みも行っており、企業に安心して利用いただける製品として広く評価されています。

【ForestFolksの取り組み】

  • 独自の品質基準:厳格な基準を設け、価値がない「ジャンククレジット」や、実際の環境配慮効果を過大に見せる「グリーンウォッシュ」を防止
  • 長年の林業経験:長年の林業経験を活かし、CO2吸収量を最大限に高めるための整備や管理を実施
  • ドローン計測:ドローンを用いて森林の状態を詳細に把握し、精密なデータ収集を実施
  • 先端解析技術:集めたデータを可視化し、カーボンクレジットの信頼性を確保するための根拠として活用
(引用:PR Times)

カーボンクレジットとは:環境負荷を減らす新しい仕組み

(引用:PR Times)

カーボンクレジットは、企業が温室効果ガスの削減や吸収量を「見える化」し、それを取引できる仕組みです。たとえば、植林やリサイクルなどの活動で削減したCO2量をクレジットとして獲得し、他の企業に売却することができます。この制度は、企業が相互に協力しながら環境負荷を減らせる点が大きな特徴です。

企業にとって、カーボンクレジットの活用は環境目標の達成だけでなく、社会的責任を果たす手段にもなります。取引先や顧客からの信頼向上にもつながるため、企業価値を高めることにもつながるでしょう

ForestFolksでは、自社管理の高品質な森林を活用し、信頼性の高いカーボンクレジットを提供する点が大きな特徴です。

資金調達:プレシードラウンドにて1500万円を調達

(引用:PR Times)

2024年12月26日、ForestFolksはプレシードラウンドにおいて、スパークル株式会社から1500万円の資金調達を達成したことを発表しました。

同社は、この投資を通じて、カーボンクレジットによる創出山林の確保や、地域の経営基盤の強化を図るとしています。実際に、ForestFolksの代表取締役である桜井隆志氏は、次のようにコメントしています。

「今回、地域発展を担うスパークル様との資本参画を通じて、地域社会への貢献を一層強化するとともに、経営体制および経営戦略の強化、グローバルな視点からの事業の発展・加速を図ってまいります。」

国内カーボンクレジット市場の動向

カーボンクレジット市場は、温室効果ガスの排出削減を目指す企業や国にとって重要な仕組みです。この市場は、コンプライアンス市場ボランタリー市場の2つに分かれ、それぞれ異なる目的で運営されています。

コンプライアンス市場は、政府が定めた排出削減目標を達成するために運営されている市場です。2023年に開設された日本の「J-クレジット市場」では、企業や自治体が実施した排出削減や吸収プロジェクトがクレジットとして認定され、企業間で取引されています。たとえば、省エネ設備の導入や森林保全の取り組みがカーボンクレジットの対象です。この仕組みは、削減目標を柔軟に達成するための手段として機能しています。

一方、ボランタリー市場は、企業や個人が自主的に温室効果ガス削減に取り組む場です。企業は、森林保全や再生可能エネルギーを支援し、カーボンクレジットを購入することで自社の排出量を相殺(オフセット)できます。この取り組みは、環境配慮型の経営を示し、自社の信頼やブランド価値を高める効果が期待されています。

市場トレンドと日本の現状

(引用:PR Times)

日本国内の調査では、上場企業の72%が環境や社会に配慮した「ESG経営」に取り組んでいることがわかっています。そのうち、42%の企業がカーボンクレジット市場への参加を検討しており、実際に1%の企業がクレジットを創出し、3%が定期的に購入している状況です。

世界でも欧州の排出量取引制度(EU-ETS)や中国の全国炭素排出量取引制度が注目されており、中国では取引額が5940億円を超えました。また、ボランタリー市場の2023年の取引額は約6億6500万ドルに達し、森林保全や再生可能エネルギー関連プロジェクトが中心となっています。

将来展望と課題

2030年までに日本国内の市場規模は約3000億円、世界市場は2028年に1.5兆ドル規模に成長すると予測されています。この成長を支える主な要因は以下の通りです。

  • 政策的支援:各国の排出削減目標引き上げや日本のJ-クレジットの活用
  • ESG経営の浸透:サプライチェーン全体での脱炭素化の推進
  • 高排出業界の参入:航空や海運業界によるカーボンクレジットの利用拡大

このように、カーボンクレジット市場の成長が期待される一方で、クレジットの質のばらつきや市場の透明性、信頼性の欠如が課題として挙げられています。これに対処するため、国際基準の整備や透明性向上の取り組みが急務といえるでしょう。

企業概要

  • 企業名:株式会社ForestFolks(ForestFolks,inc.)
  • 代表者:代表取締役 桜井 隆志
  • 設立:2023年5月10日
  • 所在地: 〒949-6680 新潟県南魚沼市六日町140 MAKINO-BA内
  • 公式HP:https://www.forestfolks.jp/

まとめ

本記事では、森林の管理からカーボンクレジットの創出・販売までを一貫して提供する株式会社ForestFolksについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社ForestFolksのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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