「社会課題解決」と聞くと、多くの人が難しさや重圧を感じるかもしれません。そのため、人々が社会課題に取り組むハードルを下げることは非常に重要なポイントです。
株式会社Gabは、社会課題という堅苦しいイメージを払拭し、誰もが楽しく自主的に取り組める仕組みを作ることで、その解決を目指しています。
本記事では、同社の事業内容・市場規模等について詳しく説明していきます。あなたの会社にも役立つヒントが見つかるかもしれません。
事業内容:エシカルブランド支援プラットフォーム「エシカルな暮らし」
株式会社Gabの主力事業の1つが、エシカルブランド支援プラットフォーム「エシカルな暮らし」です。
エシカルブランドとは
エシカルブランドとは、環境や社会、人権、動物福祉などに配慮し、倫理的(エシカル)な理念をもとに運営されているブランドのことです。
また、そのようなエシカルな理念に基づいて行われた消費活動は「エシカル消費」と呼ばれ、SDGsが叫ばれる今、注目のトピックとなっています。
「エシカルな暮らし」は、そのようなエシカルブランドに特化した支援プラットフォームです。
参考:エシカル消費とは?その意味と今日からできることをわかりやすく紹介
「エシカルな暮らし」の特徴
「日本を世界一のエシカル消費先進国にする」というビジョンの元、「エシカルな暮らし」では以下のようなサービスを提供しています。
- ①プロモーション:
- プロモーション戦略の立案や、「エシカルな暮らし」のSNS、およびエシカル領域のインフルエンサーによる発信を行います。
- ②グロース支援:
- 有楽町マルイにある常設店舗やECを中心に、エシカルな暮らしの多様な販路で販売・展示します。また、SNS、店舗、EC、コミュニティなどの活用を通じて、ブランドの課題解決と成長を支援します。
- ③テストマーケティング:
- エシカルに関心の高いターゲット層のニーズやインサイトを正確に把握することで、新商品の開発やブランド戦略に役立つ具体的なデータを提供します。
- ④SNSコンサルティング:
- エシカル領域を中心に、幅広いジャンルのSNSアカウントで再現性の高いグロースを実現します。
- ⑤ブランド・商品開発:
- 店舗やECで集積・分析しているデータをもとに、ヒットする商品づくりを再現性高くサポートします。「エシカルな暮らし」とのコラボ商品の開発も可能です。
- ⑥廃棄物活用:
- 廃棄物や回収した使用済みの商品を活用し、エシカルなマテリアルを開発・提供します。要望に応じて、そのマテリアルを用いた商品開発まで包括的にサポートします。
このようにさまざまなエシカルブランドの成長を支援する「エシカルな暮らし」ですが、課題も見つかっています。
現在、多くのエシカルブランドが社会課題解決の視点を重視する一方で、実際は顧客にとって不要な商品を作り出しているそうです。
そこで、今後は顧客のニーズに基づいた商品だけを開発することを目標に、Gabは店舗やEC等で集積・分析したデータを活用し、他社のものづくりを支援していくとしています。
事業内容:ゲーム感覚のゴミ拾いイベント「清走中」
株式会社Gabのもう1つの主力事業である「清走中」は、ゲーム感覚でゴミ拾いを行うイベントです。
チームで協力して拾ったゴミの種類や重量、スマートフォンで通達されるミッションの達成度などがポイント換算され、上位チームには豪華景品が贈呈されます。
ポイ捨てされたゴミがアイテムに変わり、街全体がゲームエリアとなるような仕組みを通じて、「楽しさ」を入口にゴミ問題について考える機会を提供します。
同イベントはこれまでに全国22地域で開催され、累計4000人以上が参加しています。
詳細はこちら:https://corp.seisouchu.com/
参考動画
市場規模:日本のエシカル市場規模は8兆超え
一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム(FTFJ)の調査によると、2022年の日本のエシカル消費市場は約8兆円(8兆950億円)でした。
内訳を見ると、最も大きいのは「連帯消費」(地産地消、地元商店での買い物、応援消費等)で約2.3兆円となっており、全体の28.4%を占めています。2番目に大きいのは「エシカルなエネルギー」(高エネルギー効率の家電商品、ヒートポンプ設備等)で、1.51兆円となっています。
エシカル消費というと、新しい考え方のように聞こえるかもしれません。しかし、実際は以前から行われていた、社会や環境に配慮した行動や商品開発等も含まれています。
そのため、同市場は既に相当な規模に達しており、今後も成長が期待される重要な市場セグメントとなっています。
参考:【データから読み解く】日本のエシカル消費市場規模 | オンラインMBAなら『ビジネス・ブレークスルー大学大学院』
資金調達:プレシリーズAラウンドで1億円の資金調達
株式会社Gabは、2025年1月にプレシリーズAラウンドで1億円の資金調達を実施しました。
本調達は、スパークル株式会社をリード投資家として、ユナイテッド株式会社、スタートアップファクトリー、株式会社taliki、G-STARTUPなどの企業や個人投資家が引き受けました。
この調達により同社の累計調達額は1億3000万円となり、今後は主力事業である「エシカルな暮らし」や「清走中」のさらなる事業拡大を目指していくとしています。
参考:社会課題解決のハードルを極限まで下げるGab、プレシリーズAで1億円の資金調達を実施
会社概要
- 会社名:株式会社Gab
- 所在地:〒150‐0002 東京都渋谷区渋谷3-5-16渋谷3丁目スクエアビル2階
- 設立:2019年12月10日
- 代表:山内 萌斗
- HP:https://www.gab.tokyo/
まとめ
本記事では、エシカルブランド支援プラットフォーム「エシカルな暮らし」やゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」を提供する株式会社Gabについて紹介してきました。
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株式会社Gabのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。