今回紹介する「IN HOP」は、キリンの社内ベンチャー制度から生まれた、ホップを使ったサプリメントを提供するサービスです。
ホップはビールの主原料としてのイメージが強いですが、実はハーブであり、健康へのさまざまな効果が期待されています。
この事実に着目した金子裕司氏が、ホップを活用したサプリメントの開発に成功し、2019年にINHOP株式会社を設立しました。
今回は、そんなIN HOPの商品や、沿革、キリンの社内ベンチャー制度についても紹介していきます。
事業内容:ホップの力で、注意力向上と脂肪対策を
IN HOPでは、キリン独自のホップ素材を使った、さまざまな種類のサプリメントや食品を提供しています。
今回は、特に注目されている商品を2種類紹介します。
シンキングサプリ ホイップイングミ
「シンキングサプリ ホイップイングミ」は、すべての人の「思考する時間」をサポートする商品です。
キリンホールディングスが10年の研究を経て開発した「熟成ホップエキス」が含まれており、集中力の向上、記憶力の向上、思考時の疲労感を低減する効果が期待できるといわれています。
仕事中や勉強中などでも手軽に美味しく「熟成ホップエキス」を摂れるようにした、ミシュランガイド掲載店シェフ監修の、特別なサプリメントです。
働くアタマとカラダの脂肪にホップ効果
「働くアタマとカラダの脂肪にホップ効果」には、2つの特徴があります。
注意力の精度向上に役立つ機能と、BMIが高めの人のお腹周りの脂肪を減らす機能が報告されている「熟成ホップ由来苦味酸」を含むサプリメントです。
毎日の仕事を頑張るビジネスマンや、人生100年時代をイキイキと過ごしたいという方に、おすすめされています。
IN HOPのこだわり
- 熟成ホップエキス
IN HOPに使われている熟成ホップエキスは、キリンホールディングスが10年にわたって研究を続けたものです。 熟成ホップは、脳機能を活性化させる苦み成分を含んでいますが、ホップ本来の苦みを1/10に抑えています。
- ミシュランガイド掲載店シェフが監修
IN HOPは、サプリメントの味にもこだわっており、有名シェフともコラボしています。
2020年以来、4年連続で1つ星を獲得している鳥羽周作氏が、商品の味覚に監修しました。 「ホップインチョコ」や「ホップイングミ」などの商品が監修されており、2022年には、国際味覚審査機構が実施する、食品や飲料の味覚と品質を国際的に評価するコンテストで入賞しています。
沿革:味覚にこだわりながら事業を拡大中
2019年に、キリンの社内ベンチャーとして設立されました。
2020年には、後に国際味覚審査機構によって優秀味覚賞一ツ星を与えられる「ポップイングミ」の発売が始まりました。また、思考する時間をサポートする「受験力グミ」も発売されています。
2022年には、国際味覚審査機構が実施する、食品や飲料の味覚と品質を国際的に評価するコンテストにおいて、「ホップイングミ」と「ホップインチョコ」が優秀味覚賞一ツ星を受賞します。
IN HOPは、キリンと電通のジョイントベンチャーとして誕生しましたが、2023年のキリンへの事業譲渡を通して、現在はキリンホールディングスのIN HOP事業として運営されています。
将来展望:ホップで健康課題を解決・ホップ農家の後継ぎを育成していきたい
IN HOPが目指す未来は、ホップの様々な価値・魅力を提供するプラットフォームを立ち上げ、健康課題を中心とする社会課題を解決することです。
その目標の達成とともに、toBとtoCの両面でホップの市場を拡大させることを考えています。
当初、キリンは「熟成ホップエキス」という素材を開発していましたが、商品にホップが入ることの意義やホップを使うことの必要性が、toBやその先のtoCのお客様に通じていませんでした。
そのため、自分たちでtoCを進めていき、お客様のホップ認知やニーズを高めていくことが不可欠であると感じているそうです。
また、市場の拡大を通して、ホップの価値を伝えることで、年々生産が減っているホップ農家を支援していきたいとのことです。
社内起業制度:キリンビジネスチャレンジ
キリンには、社員からビジネスアイデアを募集し、事業化を支援する社内制度「キリンビジネスチャレンジ」があります。
この制度には、キリングループの国内全社員が応募することができ、応募後の選考を突破すると、事業を立ち上げることができます。この制度を通して、IN HOPのような数々のアイデアが事業化されてきました。
今回は、キリンのIN HOPについて紹介してきましたが、New Venture Voiceでは、他にもサントリーやサッポロビール、アサヒビールの社内ベンチャーや、社内起業制度についての記事を掲載しています。こちらの関連記事からご覧ください。