JigSpace Inc(以下、JigSpace)は、拡張現実(AR)技術を中心にした事業を展開するオーストラリア発のスタートアップです。
同社の技術を用いることで、誰でも3Dでプレゼンテーションを作ることができます。
本記事では、同社の事業内容・市場規模・資金調達等について詳しく説明していきます。
事業内容:CADモデルを3Dプレゼンテーションに変換
JigSpaceでは、CADモデル*を「Jjgs」と呼ばれる3Dプレゼンテーションに変換することができます。
※CADモデルとはComputer Aided Designの略で、コンピュータ上で設計や製図を行うツールです。
iOS向けの無料アプリの他、CADファイルのインポート機能を備えた有償の「Jig Pro」が提供されています。
JigSpaceを使えば、CADモデルだけでは伝わりづらい構造や完成イメージを直感的に3Dで見せることができます。
無料アプリは世界中のApple Storeで「iPad」や「Vision Pro」にプリインストールされており、今まさに注目度の高いアプリです。
CADモデルのイメージ
JigSpaceの主な特徴
- CADモデルを簡単に3Dに変換
- CADデータをJigSpaceにインポートするだけで3Dに変換可能です。(Jig Proのみ)
- 変換後の編集も可能
- 変換後、色の変更や注釈やアニメーション等をつけることができます。
- 簡単に共有可能
- 完成したプレゼンテーションをリンクもしくはQRコードに変換して共有することができます。
創業ストーリー
JigSpaceの創業は、2014年にオーストラリアの大学でゲーム開発を教えていたとZac DuffとNuma Bertronの出会いから始まりました。
Zacはタスマニア出身で、10年以上にわたるゲーム制作の経験を持っていました。一方、Numaはフランス出身で、美術とプログラミングのバックグラウンドを持っていました。
2人は教育現場の経験から、リモート学習の可能性を探求していました。
2人が開発したVR技術を用いたリモート学習プラットフォームで、遠隔地の学生にもリアルタイムでインタラクティブな学習体験を提供しました。
このプラットフォームの成功が二人に自信を与え、次なるステップとして2015年のJigSpaceの設立に繋がりました。
教育と技術の融合を目指し、知識をより直感的に共有できる方法を模索した結果がJigSpaceの誕生となりました。
Meet Our Co-Founders, Zac Duff and Numa Bertron | JigSpace
資金調達
JigSpaceはこれまで複数回の資金調達を達成しています。
主要な資金調達は以下の通りです。
- 2021年7月:シリーズAラウンドで約470万ドル(約5.2億円)の資金調達
- 2024年7月:約1300万ドル(約20億円)の資金調達(シリーズ不明)
同社が調達した資金は主に開発者などの採用などに当てられています。
JigSpaceはApple Vision Proの講演でもたびたび取り上げられており、これらの資金調達はその注目度や将来性が評価されたものだと思われます。
市場規模:AR市場は2032年に1兆8700億ドルに
Fortune Business Insightsによると、世界のAR市場は2023年に627億5000万ドルです。
同市場は2032年までに1兆8694億ドルに成長すると予測されており、予測期間中に45.4%の年平均成長を見せると予測されています。
このようにAR市場は現在急成長であり、今後さらに需要が高まっていくことが予想されます。
会社概要
会社名:JigSpace Inc
所在地:Melbourne, VIC
設立年月日:2015年7月21日
共同創業者:Zac Duff, Numa Bertron
まとめ
本記事では、拡張現実(AR)技術を中心にした事業を展開するJigSpace Incについて紹介してきました。
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