JP UNIVERSE株式会社（以下、JP UNIVERSE）は、メタバースプラットフォームの運営や、メタバース構築キットの販売を行うスタートアップ。
興味深い点は、JP UNIVERSEとさまざまな大企業が連携して、複数のメタバースが統合されたプラットフォームの創出を目指している点である。同社はRPGプロジェクトの普及を通じて、企業や行政のDXを推進し消費者のEX実現を目標とする。
JP UNIVERSEは、「ゲームの力で世界をもっとクリエイティブに」というミッションのもと、メタバースおよびプラットフォーム事業を展開している。
事業内容：メタバース技術およびプラットフォームを企業に提供
メタバース技術の提供「PEGASUS WORLD KIT」
PEGASUS WORLD KITは、RPGの技術とノウハウが搭載されたメタバース構築ツールキットである。RPG/メタバースサービスの構築に必要な機能を標準搭載し、企業にRPG/メタバース技術を提供する。
本キットはRPGやメタバースノウハウを必要とする企業に販売され、企業はキットを活用して作成したRPGゲームやメタバースサービスを顧客に提供する。
本キットは『ファイナルファンタジーXV』のディレクターを務めた代表の田畑氏の開発ノウハウを活用している。そのためハイクオリティで没入感あふれるRPG/メタバース空間を簡便かつスピーディーに構築することが可能である。
プラットフォーム事業「リュウグウコク」
「リュウグウコク」は、ジャパン・メタバース経済圏構想から生まれたRPGプロジェクトである。「リュウグウコク」の世界は、ユーザーが自分の好きなアバターで冒険に参加できるだけでなく、企業が提供するさまざまな現実のプロダクトを遊びの中で使用することができる。
ユーザーにとっては、気軽に企業の製品やコンテンツをゲームやメタバースの世界で体験できる機会になる。加えて企業にとっては、ユーザーのゲーム体験をサポートすることで、新たな顧客との出会いの機会となる。
ジャパン・メタバース経済圏とは
ジャパン・メタバース経済圏とは「リュウグウコク」を活用し、多様なメタバースを集めた共通基盤を指す。
田畑氏が「ゲームの力で日本をアップデートする」というコンセプトのもと、企業や行政のDXを推進し消費者のEX実現を目指す取り組みである。
今まで、企業や行政それぞれがバーチャルマーケット等でメタバース空間を展開することはあっても、それを統合する基盤が無かったため、この取り組みは今後拡大していくと予想される。
今後は、ジャパン・メタバース経済圏に複数のメタバースが統合されることで、ユーザーは異なる仮想空間を自由に行き来し、多様なサービスを利用することが可能になる。
資金調達：シリーズAで総額約16億円の調達を実施
JP UNIVERSEグループは、2023年の4月に初めて3億円の資金調達をして以降、順調に資金調達を達成してきた。2023年末にはシリーズAで総額約16億円の資金を調達した。
中でも特筆すべきは、2023年11月にTOPPANデジタルをリード企業に行った合計総額13億円の資金調達である。
今後は、提携各社の協力のもと、「PEGASUS WORLD KIT」と「リュウグウコク」をグローバル化するべく事業推進していく。
市場規模：メタバース市場は2030年に約80兆円まで拡大
総務省が発表する「情報通信白書令和4年版」によると、メタバースの世界市場は2021年に4兆2640億円（388億ドル）であった。2030年には78兆8705億円（6788億ドル）まで拡大すると予想される。メタバース事業はメディアやエンターテインメントだけではなく、教育や小売りなどさまざまな領域での活用が期待されている。
将来展望：「ジャパン・メタバース経済圏」をグローバル化
JP UNIVERSEは将来的に海外や行政機関にも提供して「ジャパン・メタバース経済圏」をグローバル化させる構想を掲げる。 2023年2月27日、金融大手各社と共同で「ジャパン・メタバース経済圏」を創出すると表明した。今後はRPGの要素を取り入れ、企業のDXに展開していくことを目指すという。
今回表明したのは、JCBをはじめとする9社。JP GAMESが開発するメタバース構築フレームワーク「PEGASUS WORLD KIT」を使って「リュウグウコク」を構築し、これを基にした「ジャパン・メタバース経済圏」を創出していくとする。
会社情報
会社名：JP UNIVERSE株式会社
代表者：田畑 端
所在地：東京都千代田区九段北一丁目14番16号
設立年月日：2022年4月
資本金：9900万円
