【Lyra Health】元MetaCFOが創業したヘルスケアスタートアップとは?!

A New Global Standard for Workforce Mental Health | Lyra Health

現在、アメリカでは精神障害に苦しむ成人が増加している、と言われています。その精神的な問題の多くがうつ病であり、約3000万人の患者が適切な治療を受けることができていない、と推定されています。
こうした状況を背景に生まれたスタートアップが、Lyra Health社です。

Lyra Healthは、従業員がオンラインで、メンタルヘルスのケアを受けられるようにするサービスを提供している会社です。
このサービスによって、企業の従業員は、気軽にセラピストやメンタルヘルスコーチに相談することができます。そのため、仕事で忙しい中でも簡単にメンタルヘルスケアを利用可能です。

本記事では、Lyra Healthの事業内容、創業の経緯、資金調達などを詳しく紹介します。

事業内容:幅広い心の悩みに対応

Lyra Health Mobile App | Lyra Health
(出典:https://www.lyrahealth.com/app/

Lyra Healthの事業内容は、会社で働く人たちの心の健康をサポートする仕組みの提供です。

Lyra Healthのサービスはいくつかありますが、個人の状況に合わせて、適切な助けを選べるのが特徴です。 具体的な特徴について紹介していきます。

  1. 専門家によるカウンセリング
    • 心理の専門家(カウンセラーやセラピスト)と直接話ができます。
    • 一対一での相談が基本ですが、カップルや家族での相談も可能です。
    • 同じような悩みを持つ人々とのグループ相談もあります。
    • 対面でもオンラインでも相談を受けられます。
  2. 医療的サポート
    • 必要な場合は、精神科医による診断や薬の処方も受けられます。
    • 薬の効果や副作用のチェックなど、継続的なサポートも行います。
  3. デジタルケア
    • スマートフォンやパソコンを使って、オンラインでのカウンセリングが受けられます。
    • 瞑想の方法や心の健康に役立つ知識を学べる動画なども用意されています。
  4. 特別なケアプログラム
    • 深刻な悩みを抱える人向けの特別なプログラムもあります。
    • 例えば、自殺願望や自傷行為に悩む人のための「DBT」という治療法を提供しています。
    • このプログラムでは、24時間365日サポートを受けることができます。

Lyra Healthの特徴は、利用者一人ひとりの状況に合わせて、適切なサポートを選べることです。
軽い悩み相談から専門的な治療まで、幅広いサービスを提供しているので、様々な心の悩みに対応できるのが強みと言えます

創業の経緯:元MetaのCFOからヘルスケア領域へ

Lyra at Rock Health
(出典:https://www.lyrahealth.com/about/

Lyra Healthの創業のきっかけは、創業者 David Ebersman(デイビッド・エバーズマン)の経験にあります。

2015年、元Meta(旧Facebook)のCFOだったエバーズマンは、家族の一人がメンタルヘルスの問題に直面しました。しかし、適切な治療を見つけるのに苦労し、結局家族は治療を諦めてしまいました。

この経験から、エバーズマンは「なぜ適切な治療を受けるのがこんなに難しいのか」と、メンタルヘルスケアに問題意識を持ちました。1年後、口コミで心理学者に出会い、個々のニーズに合わせたケアの大切さを実感しました。

そんな時、ある大手企業のヘルスケア担当者が、エバーズマンのアイデアに興味を示したことで、新しいメンタルヘルスプラットフォーム「Lyra」が誕生した、と言います。

エバーズマンは当時のことを以下のように振り返っています。「最初は具体的な製品イメージもなく、何を作るかもはっきりしていませんでした。でも、この分野に新しい何かが必要だと強く感じたんです。それが事業を始める原動力になりました」

こうして、個人のニーズに合わせてサポートを提供するLyra Healthが創業したのです。

資金調達:累計約7億ドルの調達を完了

Lyra Healthは、2022年にシリーズFの資金調達を完了させており、累計で6億8700ドルの調達に成功しています。

以下にシリーズ毎の調達額と出資元をまとめていきます。

2015年、シリーズA

  • 調達額:3500万ドル
  • 出資元:Greylock Partners、Venrock

2018年 シリーズB

  • 調達額:4500万ドル
  • 出資元:Tenaya Capital、Glynn Capital、Crown Ventures、Casdin Capital

2020年 シリーズC

  • 調達額:7500万ドル
  • 出資元:IVP、Meritech

2020年 シリーズD

  • 調達額:1億1000万ドル
  • 出資元:Addition、Adams Street

2021年 シリーズE

  • 調達額:1億8700万ドル(+2億ドルの追加資金)
  • 出資元:Oprah Winfrey、その他

2022年 シリーズF

  • 調達額:2億3500万ドル
  • 出資元:Dragoneer、Salesforce Ventures、Coatue

市場規模:アメリカのメンタルヘルス市場は約80兆円以上の規模

(出典:https://www.fortunebusinessinsights.com/u-s-behavioral-health-market-105298

Fortune Business Insightsによると、アメリカのメンタルヘルス市場は2022年には約80兆円規模になり、今後も年4%ずつ伸びると予想されています。

この市場の成長はコロナウィルスによるものが大きいと考えられています。
コロナ禍で多くの人が不安やうつに悩み、投資家たちはヘルスケア領域に注目しました。結果、アメリカではメンタルヘルス関連のベンチャー企業に、1500億円以上が投資されたと報告されています。

Venture Funding For Mental Health Startups Hits Record High As Anxiety, Depression Skyrocket
Investors poured .5 billion into the market in 2020, but technology alone won’t solve long standing problems like low ...

会社概要

  • 会社名:Lyra Health, Inc.
  • 設立年:2015年
  • 創業者:David Ebersman
  • 拠点:アメリカ合衆国、カリフォルニア州
  • URL:https://www.lyrahealth.com

まとめ

本記事では、会社で働く人たちの心の健康をサポートするLyra Healthについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

Lyra Healthのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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