最終更新日 24/10/08
国内スタートアップ

【menopeer】更年期症状に悩む女性をサポート!女性の自己実現を支援するフェムテックスタートアップ

ヘルスケア
Share this post
引用:menopeer公式HP

女性の社会進出が進み、働く女性が増えている一方で、依然として多くの課題が残っています。

経済産業省によると、女性特有の健康課題(更年期や月経に伴う症状、婦人科がんなど)による経済損失は年間約3.4兆円を記録したそう。特に更年期症状による離職損失は最も大きく、約1兆円と試算されています。

実際に、「36〜55歳の女性の約半数以上が、何らかの更年期症状を抱えている」というデータや、「40〜50代女性の約9.4%が更年期症状/障害を理由に退職している」というデータもあります。

こうした更年期の女性が抱える問題に取り組んでいるのが、「株式会社menopeer」(以下、menopeer)です。menopeer(メノピア)は、「女性の心身の健康支援を通じて、自己実現を目指し続けられる社会の実現」をミッションに掲げ、更年期に特化した専門家によるケアサポートサービスを提供しています。

2024年7月にシードラウンドにて資金調達を実施するなど、今後の活躍が期待されるmenopeerについて見ていきましょう。

事業内容:40,50代の女性に特化した健康支援サービス「menopeer」

健康全般・生活習慣について相談できる40,50代女性向けサービス「menopeer」(引用:PR Times)

menopeerが運営するサービス「menopeer」は、更年期症状・女性特有の健康課題に悩む女性へ向けたLINE健康相談サービスです。食事や睡眠などの生活習慣、病院選びなど、健康全般についてLINEで手軽に相談することができます。

「menopeer」の最大の特徴は、更年期医療のプロフェッショナルでチームを形成している点。対応してくれる専門家は、婦人科や更年期専門クリニックで勤務経験のある看護師や助産師、管理栄養士です。さらに、ほぼ全員がメノポーズカウンセラー*の資格を有しており、キャリアコンタルト、サプリメントアドバイザー、睡眠改善インストラクターの有資格者でもあります。

*メノポーズカウンセラー:「NPO法人更年期と加齢のヘルスケア」が認定している資格。更年期全般、特に更年期障害についての情報提供を行うことが期待される。

また、更年期や女性の健康、生活習慣に関する記事をLINEで定期配信する機能も搭載されており、ユーザーが安心して利用できる環境が整っています。なお、LINE通話による専門家との相談サービスは、30分3190円から利用可能です。

新しい月経・体調管理アプリ「ルミナ」のベータ版を近日リリース

新しい月経・体調管理アプリ「ルミナ」のサービスイメージ(引用:PR Times)

menopeerは、35歳以上の女性に適した新しい月経(出血)・体調管理アプリ「ルミナ」のベータ版を近日中にリリース予定です。

同アプリの魅力は、プレ更年期〜更年期世代が心身の健康管理をより効果的に行えるよう、さまざまな機能を搭載している点。自分の更年期の段階を確認する機能や、プレ更年期〜更年期世代に起こりがちな月経不順に対する分析・アラート機能などを有しており、LINEで簡単に自身の状態を記録・管理することができます。

LINEから事前登録できるため、気になる方はぜひチェックしてみてください。

資金調達:2024年7月にシードラウンドで実施

引用:PR Times

menopeerは2024年7月29日、VC2社からシードラウンドでの資金調達を完了したことを発表しました。出資元は、東京ウェルネスインパクトファンド(キャピタルメディカベンチャーズとマネックスベンチャーズが共同運営)およびイーストベンチャーズ5号ファンドです。

今回調達した資金は、事業推進に活用されます。更年期症状が現れる40〜50代は、女性にとってキャリアアップの重要な時期です。現在、女性が男性と同等に長く働ける制度や環境が整いつつある一方で、こうした健康課題により自己実現を諦めざるを得ないケースも多く見られます。

そこでmenopeerは今後、個人だけでなく、あらゆるステークホルダーに対して、サービス提供・事業連携を通じて「女性が心身ともに健康を維持しながら自己実現を目指し続けられる社会の実現」を目指すとしています。

menopeerが目指す社会インパクト創出モデル(引用:PR Times)

市場規模:フェムテック市場は2023年に約750億円まで成長

フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模推移(引用:矢野経済研究所)

株式会社矢野経済研究所によると、2022年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場は、前年と比べて107.8%成長し、695億円に達しました。この成長は、2020年の市場規模が前年比103.5%だったことに比べると、2021年以降の市場拡大の勢いが一段と加速していることを示しています。

さらに、2023年の市場規模は前年比107.0%増の743億9100万円に達すると予測されており、フェムケア&フェムテック市場の成長は今後も続くでしょう。

市場の成長を後押しする要因の1つとして、女性の健康に特化したナショナルセンターの開設があります。2023年8月、政府は2024年度中に女性の健康に特化した国立高度専門医療研究センターを開設する方針を決定しました。このセンターは、国内での研究データの共有や成果の活用に加えて、女性一人ひとりに向けた正しい情報提供の面でも重要な役割を果たすことが期待されています。

国内フェムテックプレイヤーが続々登場

2023年最新版国内フェムテックプレイヤーマップ(引用:Note|Femtech Community Japan)

フェムテック業界全体の成長をさらに促進する動きとして、一般社団法人Femtech Community Japanが「2023年最新版国内フェムテックプレイヤーマップ」を公開し、業界内のネットワーク形成が進んでいます。

たとえば、ファミワン(famione)は妊活や不妊治療をいつでも手軽に専門家に相談できるサービスを展開しており、住友生命から資金調達を受けるなど、大きく注目を集めています。

他にも、MamaWellはパーソナル助産師がデータをもとに支援してくれる、妊娠・育児期の女性に向けた伴走型サービスを展開中です。

このように、さまざまな企業や団体が登場するフェムケア&フェムテック市場は、今後も成長していく分野といえるでしょう。

企業概要

  • 企業名:株式会社menopeer(メノピア)
  • 代表者:木村琴子
  • 設立:2022年1月
  • 所在地: 〒151-0064 東京都渋谷区上原1丁目3−9
  • 公式HP:https://www.menopeer.com/

まとめ

本記事では、更年期症状・女性特有の健康課題に悩む女性へ向けたLINE健康相談サービスを提供する株式会社menopeerについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社menopeerのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

目次に戻る

タイトルとURLをコピーしました