【Monda】データの売買を支援！シードラウンドにて500万ドルを調達した注目の独スタートアップ

近年、ChatGPTやGoogle Gemini、Microsoft Copilotといった高性能な生成AIが次々と開発されています。これらのAIの進化に欠かせないのが、学習に使われる「データ」です。

そのため、生成AI市場の成長に伴い、膨大で高品質なデータを有料サービスとして提供する「DaaS(Data as a Service）」も注目を集めています。実際、RedditやShutterstock、Yelpのように豊富なデータを持つ企業は、AI向けのデータライセンス契約を通じて数百万ドル規模の取引を実現しているそう。

しかし、データの売買や収益化が進む一方で、技術的な問題や法的な制約、運営上の課題が障壁となり、企業が自社データを収益化するのは容易ではありません。そこで、この課題の解決・DaaS市場の民主化を目指し、オールインワンのデータ収益化プラットフォームを提供しているのが「Monda」です。

Mondaは2024年にThani Shamsi(ターニ・シャムシ)氏が創業したばかりのスタートアップですが、同年9月には500万ドルのシード資金調達を発表するなど、急速に成長を遂げています。

生成AIの時代に活躍が期待されるMondaについて、さらに詳しく紹介していきます。

事業内容：オールインワン型データ収益化プラットフォーム
資金調達：2024年9月にシードラウンドにて500万ドルを獲得
市場規模：データ取引の市場規模は2028年に104.1億米ドルを記録
企業概要
まとめ

事業内容：オールインワン型データ収益化プラットフォーム

**Mondaではデータの商品化やストアへの公開、顧客管理を一括で行える**(引用：Monda公式HP)

Mondaは、データの売買に関わるすべてのプロセスに対応できる、オールインワン型のデータ収益化プラットフォームを提供しています。

このプラットフォームには、データセットの商品化やストアへの公開をはじめ、各ストアの一括管理、顧客管理(CRM）、売上分析・インサイト提供など、数多くの機能が搭載。データの売買・収益化を簡単に始められ、事業の効率的な拡大も可能です。

また、MondaはGoogle Cloud、Databricks、SAPなど世界有数のクラウドデータマーケットプレイスとパートナーシップを結んでいます。そのため、本プラットフォームを利用することで、多くの潜在顧客にリーチし、データ販売の可能性を広げることが可能です。

こうした利便性の高さから、すでに150社以上のDaaS企業がMondaを利用し、6,000件以上のDaaSサービスが開発されているとのことです。

＜CEOのThani Shamsi氏が語る3つの差別化要素＞

数クリックでデータの商品化、ストアへの公開が行える手軽さ
1つのプラットフォームでデータ事業全体を運営・管理できる多機能さ
データ事業の収益化に関する専門家からサポートを受けられる安心感

資金調達：2024年9月にシードラウンドにて500万ドルを獲得

**左がCEOのThani Shamsi氏、右がCCOのRichard Hoffmann氏**(引用：News-Monda公式HP)

Mondaは2024年9月3日、シードラウンドで500万ドルの資金調達を発表しました。今回の資金調達は、ヨーロッパのVCであるSenovoとAcrobator Venturesが主導し、アメリカのVCであるTechstarsも参加しています。

調達した資金は、北米顧客の強化・北米での事業拡大に充てられ、具体的には晩秋にボストンオフィスを開設する予定です。実際、MondaのLinkedInではすでに本社所在地がボストンと表示されています。また、プラットフォームのさらなる強化にも今回の資金が活用されるそうです。

なおMondaの共同設立者は、連続起業家でデータ業界で名高いThani Shamsi氏とRichard Hoffmann氏の2人です。Mondaはもともと、彼らが2018年にベルリンで設立したデータプロバイダー向け比較プラットフォーム「Datarade社」のスピンオフとして誕生しました。設立からまだ間もないMondaですが、今年の初めから現在にかけて、チームは32人に倍増しています。

アメリカへの進出など、ますます成長を遂げるMondaに今後も期待です。