今回紹介する株式会社Moon Japan(以下、Moon Japan)は、「教育を共育で変える」をミッションに掲げ、活動している企業です。この「共育」という言葉には色々なセクター、つまりさまざまな領域の方々と共に学生を育んでいくという思いが込められています。
従来の教育系スタートアップは教育の1点に注目し事業展開してきたため、教育の当たり前というのは誰かがこぼれ落ちてしまう教育になってしまったとMoon Japanは考えています。そのため、学生を含む沢山の方々の意見が詰まった「共育」によって誰も取りこぼさない教育を目指し、さまざまな事業を展開中です。
本記事では、その事業の詳しい内容や、Moon Japanが目指す教育の形などについて詳しく紹介してきます。
事業内容1:総合の授業を円滑に進めるプラットフォーム「MoonShot」
Moon Japanは、小学校・中学校における「総合的な学習の時間」、高校における「総合的な探究の時間」を円滑かつ効果的に進めるための総合プラットフォーム「MoonShot」を展開しています。こちらは、総合の授業を最適化する学校向けのサービスです。
「MoonShot」のサービスは主に以下の3つ。
- カスタム可能な授業の作成、運用
- 講師の派遣、管理
- 授業満足度の集計、管理、レポート作成
本サービスの特徴として、授業の構成から報告までを一元管理できるため、労働負担を削減することができます。また「学生が社会を知り、キャリアについて考える機会を作る」という教育的価値を提供することが可能です。
「MoonShot」を導入した授業は、以下の4つのフェーズに分けて行われます。
- 自己分析
- 課題設定・調査
- 事業計画
- プレゼンテーション
学生が自分自身について考え、自分たちで課題を設定、調査、計画、発表まで行うことによって、学生が社会と関わるきっかけや、課題解決の実戦による経験値などの教育的価値が得られると考えられています。
実際に導入した岡谷県立真庭高等学校は、次のように述べています。
生徒
「将来役に立つ物が学べた気がする!」 「普段会えない方と出会い、新しい世界を知れた。」
教員
「業務削減はもちろん、生徒と向き合う時間が増えた。」 「地域活動だけではなく、ビジネスを学ぶというのが画期的だった。」
メンター
「日本のリアルを知ると同時に自分の事業を一から振り返るきっかけになった。」 「普段会えない、学生に会うことで、新たな発見があった。」
(引用:公式HP)
知識がない方でも簡単に導入できるため、気になった方はこちらをご覧ください。
事業内容2:総合型入試専門塾「MoonAcademy」
Moon Japanは、総合型入試専門塾「MoonAcademy」を展開しています。
現在、AIの進化や働き方改革などにより、社会では知識だけでなく創造性や実践力などのスキルが必要とされています。
またそれに伴って大学入試も従来の学力試験による選抜から、総合型選抜・推薦入試など、多様な能力や経験を評価する入試へと変化しており、2023年度の日本の大学入試において総合型選抜・推薦入試の比率は50.7%まで成長しました。
しかし、この変化に十分対応できる教育機関は限られており、特に地方在住の受験生の83.6%が「都会と地方での教育格差」を実感し、多くの地方の学生たちが総合型選抜への挑戦を断念している現状があります。
そのため、Moon Japanは、オンラインを中心とした形式で地域に関係なく総合型選抜対策を行うことのできる「MoonAcademy」を展開しました。
また、「Moon Academy」は学生の将来設計を促し、それの実現を手助けするための塾でもあります。先ほども述べたように、現代では創造性や実践力などのスキルが必要とされているため、従来の塾のようにただ「勉強する」「受験対策をする」のではなく、「生徒が本当にやりたいこと」「なりたい自分を見つける手助けをすること」に力を入れている点が同サービスの特徴です。冒頭でも触れたように現代の社会は変化が激しいため、そのような状況にも対応できるように、生徒の「考える力」と「行動する力」を育み、その後の人生のことも考えたサービスを提供しています。
総合型選抜対策
こちらでは、
・合格者による小論文添削 面接・プレゼン練習
・志望理由書作成サポート 大学情報・受験情報の提供
・大学ツアーや教授との交流イベント
など、総合型選抜に対する実践的な対策を行います。
実践的なキャリア探求
こちらでは、
・スタートアップでのインターン
・社会課題解決プロジェクト
・第一線の社会人との対話
・学生起業・インターン・留学経験者とのカウンセリング
など、社会と触れ合い、生徒が自分のキャリアについて考える機会を設け、キャリアを形成する支援をします。
地域や時間の制約を越えたコミュニティ活動
こちらでは、
・オンライン上の日常的な交流
・定期的なオフライン交流会
・合宿プログラム
などを行います。
ほかにも、
- スタートアップCEOとの対話セッション
- オフラインでの社会課題解決ワークショップ
- 大学教授との研究ディスカッション
- 学生起業や留学経験者との進路相談
- 起業を目指す仲間とのプロジェクト
など普段あまりできない貴重な体験をすることが可能です。
「Moon Academy」について料金など詳しく知りたい方ははこちらをご覧ください。
また、Moon Japanは、U-20 向けのインパクトファンドである「MoonImpactCapital」、そして長期的な就職支援を行う「MoonCareer」の2つの事業を展開していく予定です。
資金調達:シードラウンドにて3,000万円の資金調達を実施
MoonJapanは 2024年5月15日シードラウンドにて3,000 万円の資金調達を実施しました。
【本資金調達の概要】
- シリーズ:シードラウンド
- 合計調達額:3,000万円
- 引受先:
- mint,Setouchi Startups
- 鈴木健吾氏
- 真鍋康正氏
- ほか個人投資家複数名
資金調達の目的
MoonJapanは 、今回調達した資金を以下のことに活用するとしています。
- 全国の自治体との連携強化
- 「MoonShot」や関連事業の構築と拡大に必要な人材の採用
創業者プロフィール:藤田岳
プロフィール
- 氏名:藤田岳(ふじたがく)
- 生年月日:2004年06月22日
- 出身:東京都
- 趣味:国内外旅行・音楽・映画
略歴
小学校はインターナショナルスクールに通う
中学校は郁文館中学校に進学
先輩の薦めでアメリカ進学を志し、その下準備として高校3年間をカナダで過ごすことを決意
その後コロナによる11ヶ月の渡航禁止期間を経てカナダの高校に進学
開始2週間でAsianHateの被害に遭ったことをきっかけに、AsianHateに対するアパレルブランドを創立
学生団体の代表、運営、東京都特例認定NPO法人での活動、株式会社ユーグレナFutureサミットメンバーとして活動
2023年9月に早稲田大学国際教養学部に入学、現在も在学中
2024年2月に株式会社MoonJapanを設立
2024年6月にインパクトスタートアップ協会に加盟2024年7月にIVS地域スカラシップを実施
起業理由
株式会社MoonJapanの構想は僕がカナダ留学中にAsianHateに対するアパレルブランドを作っていた当初入っていたBLAST!SCHOOL通称「ブラスト」から始まりました。 ブラストで沢山の同世代が様々な社会課題を自分事化し、本気で取り組んでいる姿を見て私は「彼らなら本当に日本、そして世界に大きな変化を起こせるんじゃないか」そう感じました。 これはその後所属するMakersUniversity u-18や様々なコミュニティーでも痛感させられることでした。 僕はその当時、「この人たちとずっと楽しくお酒を飲みながら生きていきたい!」(※当時は未成年でしたので、お酒は飲んでいません)こう思いました。 そしてこの思いこそがムンジャパが始まった1番最初のきっかけなのです。
(引用:本人note)
企業概要
- 企業名:株式会社Moon Japan
- 代表者:藤田岳
- 設立:2024年2月
- 所在地:東京都豊島区
- 公式HP:https://www.moon-japan.com/
まとめ
本記事では、株式会社Moon Japanについて紹介しました。
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