株式会社Mujin(以下、Mujin)は知能ロボットの開発・販売を行う会社だ。「過酷な労働から人々を解放し、人類が創造や技術革新にリソースを注げるようにすることで、世界をより良くしたい」というミッションのもと、物流・製造現場の作業を自動化するロボット開発を行っている。
会社沿革:様々な賞を受賞し、シリーズCラウンドで総額150億円を調達
Mujinは、2011年7月に知能ロボットの開発・販売を行う目的で設立された。2015年1月には世界初のバラ積みピッキング用ティーチレスコントローラ「Mujinコントローラ・ピックワーカー」を発売した。同コントローラは、物流・製造現場のバラ積み作業を自動化した。
2016年10月にはベンチャーとして初めてロボット大賞 経済産業大臣賞を受賞した。2019年2月には三井住友銀行から特殊当座借越契約で75億円を調達。
2021年2月には株式会社MUJINから株式会社Mujinへ社名変更した。
さらに2023年12月には、シリーズCラウンド全体の資金調達額は総額150億円となった。
事業内容:ロボット知能化技術により物流・製造現場を自動化
独自の高度なロボット知能化技術によりこれまで不可能であった物流・製造現場の自動化を実現。
主な構成機器
Mujinコントローラ
独自の高度なロボット知能化技術「MujinMI」が搭載された、関連機器の統合制御を行うロボットセルコントローラ。シーンに応じて認識・動作・把持を自律的に判断し制御する機械知能「MujinMI」により、高難度のソリューションも完全ティーチレスで自動化。
Mujinビジョン3D
製造現場の過酷な環境にも耐えうる性能を備えた、レーザLED搭載の3Dビジョンシステム。人間が何か物を掴もうとする時と同様に「周囲に障害物はないか」「対象物は動いていないか」も感知する。
ロボットアーム
Mujinコントローラで動作する為の各社オプションを標準搭載した6軸垂直多関節ロボットをMujin限定色で提供。主要10社の産業用アームロボットに対応しているため、お客様の状況に合わせて様々なメーカーのロボットを選択可能。
Mujinハンド
アクチュエータ選定からフィンガ設計、実機テストまでを当社で完結する特殊機能付きハンド。案件ごとに専用のロボットハンドを設計製作することも可能。
資金調達:シリーズCラウンドにて150億円を調達
2023年9月5日時点でSBIインベストメント株式会社をリードとして合計123億の資金調達を実施した。さらに2023年12月には、シリーズCエクステンションラウンドにて日本郵政キャピタルおよび他1社を引受先とした総額27億円の追加資金調達を実施した。これにより、シリーズC全体の資金調達額は総額150億円となった。
市場規模:2035年には10兆円規模の市場となる見込み
ここ数年で飛躍的に産業用ロボット市場が成長している。さらに経済産業省のロボット市場予測では、2035年には10兆円規模の市場になる見込みであり、産業用ロボット・サービスロボットともに年々市場規模が増えていくことが予想される。
将来展望:海外展開と独自開発
海外子会社を拠点とした販売強化
2023年に中国・アメリカに次いで3カ国目のオランダ支社が設立した。現在従業員の3分の1が海外で働いており、今後グローバルでの展開がより加速していくことが予想される。
新製品の独自開発
日本では新製品のテストなどを推進。独自開発したソリューションは汎用性が高く、現場ごとの違いにもフレキシブルに対応できる特徴がある。その強みを生かしつつ国内外へ価値を提供していく。