本記事では、宮田昇始氏がSmartHR株式会社(以下、SmartHR)のCEOを退任し、同社の100%子会社として立ち上げたNstock株式会社(以下、Nstock)を紹介します。
Nstock株式会社の事業内容
Nstockでは株式報酬SaaSとセカンダリー事業を行っています。
以下で各事業について説明します。
株式報酬SaaS「Nstock」
「Nstock」*では、株式報酬に関するオペレーションの課題の解決と、株式報酬の価値の可視化を実現します。(*以下、企業名をNstock、サービス名を「Nstock」と表記。)
「Nstock」で解決するSOに関する課題と解決手段
時期 | 課題 | 解決手段 |
---|---|---|
創業期以降 | SOの価値が伝わらない | SOの可視化で従業員、採用候補者への説明を簡易化 |
契約書の作成・締結の負担が大きい | 契約書の作成から締結までオンラインで全て完結し、SO発行の際の事務負担軽減 | |
IPO準備中 | 業務の属人化 | 複数アカウントによる同時管理で、業務の属人化も解決 |
煩雑なエクセル管理 | SOの「マスターデータ」をNstockが構築しデータの一元管理。 法定調書や新株予約権原簿もボタン1つで簡単に出力可能 | |
IPO以降 | 行使手続や登記等の事務が膨大 | 行使条件の充足判定や自社株売買のワークフロー機能により、人的ミスを削減 |
大量の問い合わせ対応に追われる | シンプルで分かりやすいUI/UXにより、問い合わせ工数を削減 |
セカンダリー事業
「セカンダリー」とは、すでに発行された株やSOを投資家間で売買すること、を指します。米国では一般的であるこのセカンダリーは、日本国内では法や慣習の問題からまだ実現されていません。
引用元:https://journal.nstock.com/article/secondary_10x_yamada
セカンダリー事業で、未上場での換金手段を提供により提供される価値
- 日本でのSOの価値を高める。
- SOの行使期限を執行させないためにIPOを急ぐ必要がなくなる。
- 社員がSOの換金のために、得意とするフェーズでなくても会社に残留することを防ぎ、会社のフェーズに適した人材が株式を購入しジョインすることで会社の新陳代謝を促す。
SOのセカンダリー取引市場動向
世界のセカンダリー取引量は、SaaS上で取引できるプラットフォームの登場により2008年から2018年にかけて3倍以上に増加し、10兆円以上となりました。
近年は、IPOせずにスケールする選択をする企業が増加し、上場までの期間が長期化しています。このことは、セカンダリー取引が民主化した結果であると同時に、セカンダリー取引の需要が拡大する要因となるでしょう。
Nstockの将来展望
Nstockは「スタートアップエコシステムをブーストし、日本からGoogle級の会社を生み出す」をミッションとしています。
株式報酬SaaS「Nstock」でストックオプションを国内で拡大します。セカンダリー事業では立ち上げ期に貢献した人材を、その他の立ち上げ期のスタートアップに排出するサイクルや、ストックオプションで報酬を得た人がエンジェル投資家になって再投資する仕組みを作ることで日本のスタートアップエコシステムを活性化します。
会社概要
会社名 Nstock株式会社
代表者 宮田昇始
事業内容 株式報酬SaaS事業 セカンダリー事業 スタートアップへの再投資事業
設立日 2022/1/24