最終更新日 24/12/27
海外スタートアップ

【Oura】スマートリングで指から健康を守るフィンランドのスタートアップを紹介!

IT
Share this post

Ouraは、2013年にフィンランドで設立されたヘルステクノロジー企業です。睡眠とパフォーマンスを追跡・向上させるウェアラブルリングを開発・製造しています。このリングは、睡眠段階、心拍数、身体活動などをモニターするリング状のウェアラブル端末です。

本記事では、Ouraの事業内容や最新モデルの「Oura Ring 4」や資金調達などについて、紹介していきたいと思います。

事業内容:指輪型のスマートデバイス「Oura Ring」を提供

健康、フィットネス、睡眠を追跡するOura Ring | Oura
(出典:https://ouraring.com/ja/product/rings

Oura(オーラ)は、指輪型のスマートデバイス「Oura Ring」を提供するヘルステック企業です。同社の製品であるOura Ringは、指に装着することで様々な整体情報をモニタリングし、ユーザーの健康管理をサポートしています。

収集されるデータとしては、主に、睡眠、心拍数、体温、活動量などがあります。

  • 睡眠: 睡眠の質や各ステージ(浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠)の時間を計測し、ユーザーの睡眠習慣を分析。
  • 心拍数: 安静時や活動時の心拍数を測定し、心臓の健康状態を把握。
  • 体温: 体温の変化を検知し、健康状態の変化や月経周期の予測に寄与。
  • 活動量: 日々の歩数や消費カロリー、運動強度を記録し、フィットネス目標の達成をサポート。

これらのデータは専用のアプリと連携し、利用者は自身の健康状態を日々チェックすることができるのです。このOura Ringの多様かつ便利な機能が評価され、現在ではNBAやWNBAなどのプロスポーツチームでも活用されています。

新モデルOura Ring 4を発売

(出典:https://ouraring.com/ja/product/rings

ここからは2024年10月15日に発売された、新しいモデルOura Ring 4について紹介していきます。

Oura Ring 4は、前モデル(Oura Ring 3)から測定精度の向上だけでなく、バッテリーも改善など多くのアップデートがされています。

  • 血中酸素濃度(SpO₂)の測定精度が30%向上。
  • 40種類以上のアクティビティを自動認識し、ユーザーの運動や活動をより正確にトラッキング。
  • 最大8日間の使用が可能となり、バッテリーが強化。

実際に購入を検討されている方や、具体的な価格やセール情報について知りたい方はOuraの公式HPを参照してください。

資金調達:累計約5億5000万ドル(約860億円)を調達

Ouraは、設立以来複数回の資金調達を行い、2023年12月時点で累計約5億5000万ドル(約860億円)を調達しています。以下に各シリーズごとの概要をまとめます。

シリーズAラウンド(2016年11月):

  • 調達額: 500万ユーロ(約5.3億円)
  • 主な投資家: Joi Ito、Jaan Tallinn
  • 概要: フィンランドのウェアラブルデバイス開発企業として、Ouraは初期の製品開発と市場投入を支援するために資金を調達しました。

シリーズBラウンド(2018年12月):

  • 調達額: 2800万ドル(約30億円)
  • 主な投資家: Forerunner Ventures、Square、GoogleのGradient Ventures
  • 概要: このラウンドでは、製品の改良と市場拡大を目的として資金を調達しました。

シリーズCラウンド(2021年5月):

  • 調達額: 1億ドル(約109億円)
  • 主な投資家: The Chernin Group、Elysian Park、テマセク、エーザイ
  • 概要: 調達した資金は、製品ラインの拡充や新技術の開発、グローバルな市場展開に充てられました。

シリーズDラウンド(2023年12月):

  • 調達額: 2億ドル(約314億円)
  • 主な投資家: Forerunner Ventures、Block、Alumni Ventures
  • 概要: このラウンドでは、さらなる製品開発や市場拡大、特に医療分野への進出を視野に入れた資金調達が行われました。

創業の経緯

(出典:https://muse.world/interview-kari-kivela-oura-health/

Ouraは、フィンランドのオウルという街から2013年に始まりました。創業者は、Petteri Lahtela(ペッテリ・ラーテラ)、Kari Kivelä(カリ・キヴェラ)、そしてMarkku Koskela(マルク・コスケラ)の3名です。

Petteri Lahtela(ペッテリ・ラーテラ)は、通信業界で14年間キャリアを重ねていました。2004年には、慢性疾患の管理や予防に向けたITシステムを開発する企業に参画。この経験を通じて、ライフスタイルによって変化する人間の身体の反応を正確に理解し、それを即座に利用者へフィードバックできる製品を開発するアイデアを得ました。

一方、Kari Kivelä(カリ・キヴェラ)は、ノキア(フィンランドの通信系企業)でソフトウェア開発に10年以上従事し、テクノロジーとフィットネスの両領域に関わっていました。彼の夢は、機能性だけでなく、美しさも兼ね備えたウェルネスデバイスを作ることでした。

こうした彼らの日常生活に溶け込むデバイスを通じ、人々に健康に寄与したい、という思いから、Ouraが誕生したと言います。

参照:https://research.contrary.com/company/oura

市場規模:健康意識の高まりから右肩上がり

出典:https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/wearable-technology-market

ウェアラブル市場の世界市場規模は2022年に613億ドルとされています。さらに、2026年には1861億ドルに達すると予測されており、年平均成長率は12.9%となっています。

この成長の背景には、消費者の健康意識の高まりや、ウェアラブル技術の進歩があります。Ouraの市場も、睡眠追跡アプリ・デバイスの認知度向上と主流化により後押しされています。

Wearable Technology Market Share & Trends Report, 2030
The global wearable technology market was valued at USD 61.30 billion in 2022 and is expected to expand at a compound an...

ウェアラブル市場における競合

上記の通り、ウェアラブル市場は近年、急速に成長しています。Oura以外にもウェアラブル市場に関わる企業は多く存在しています。ここでは、Ouraと競合する主要企業を比較し、それぞれの特徴を説明します。

Apple:Apple Watchによる自社製品との互換性で優位

Apple Watchは2015年に発売され、スマートウォッチ市場で圧倒的なシェアを持っています。健康管理機能を拡充しつつ、Appleのエコシステムと統合されていることが最大の強みと言えます。

  • 製品特徴: 睡眠分析、転倒検知、血中酸素測定などの高度な健康機能。
  • 強み: Apple製品との連携

Fitbit:Googleに買収され、拡大

Fitbitは2007年に設立され、ウェアラブル市場の先駆者として知られています。2021年にGoogleに買収され、Google Fitプラットフォームと統合されました。

  • 製品特徴: フィットネストラッカーやスマートウォッチを複数展開。
  • 強み: Googleエコシステムとのシームレスな統合。

Xiaomi(シャオミ):低価格に強み

Xiaomiは2014年にMi Bandシリーズを発売し、ウェアラブル市場に参入しました。このシリーズは、圧倒的な低価格と高機能を兼ね備えており、初心者や価格重視の消費者に人気です。

  • 製品特徴: 心拍数、睡眠トラッキング、アクティビティ測定を提供。価格は60ドル以下。
  • 強み: 他社製品よりも低価格で提供

会社概要

  • 会社名: Oura Health Oy(オーラ・ヘルス・オイ)
  • 設立: 2013年
  • 創業者:
    • Petteri Lahtela(ペッテリ・ラーテラ)
    • Kari Kivelä(カリ・キヴェラ)
    • Markku Koskela(マルク・コスケラ)
  • 公式HP: https://ouraring.com/ja

まとめ

今回は、指輪型のスマートデバイス「Oura Ring」を提供するヘルステック企業、Oura(オーラ)について紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

Ouraのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

目次に戻る

タイトルとURLをコピーしました