最終更新日 24/11/20
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【Plott】シリーズBにて10億円を資金調達!IPビジネスに革命を起こす注目スタートアップ

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(引用:Plott公式HP)

今回紹介するスタートアップは、「日常に温度を。世界に熱狂を。時代に灯火を。」をビジョンに掲げる「株式会社Plott」(以下、Plott)です。

Plottは、SNSを活用したショートアニメやWebtoon作品のプロデュースを中心に、自社IP(知的財産)を活用した幅広い事業展開を行っています。具体的には、アニメーションの制作に加え、ゲーム開発や音楽制作、グッズ販売など、多角的なビジネスを展開。実際に、同社が手がけた「テイコウペンギン」「混血のカレコレ」といった作品は、20代を中心に爆発的な支持を集めるヒット作となっています。

さらに、Plottは2024年11月に、シリーズBラウンドで10億円の資金調達を達成しました。さまざまな投資家から期待を寄せられるPlottについて、その事業内容や特徴を紹介します。

事業内容:IPコンテンツの企画・制作・ビジネス展開

(引用:PR Times)

Plottはショートアニメを中心に、IPコンテンツの企画・制作・ビジネス展開を行っています。

具体的には、主にYouTubeやTikTokなどのプラットフォームでアニメ作品を制作・公開し、縦読み形式のwebtoon作品についても手掛けています。また、自社が所有するIPコンテンツを活用し、ゲームや音楽、グッズなどさまざまな形でビジネスを展開中です。

最近では、さまざまなチャネルを通じてファンとの接点を拡大することを目指し、自社内でのメディアミックスに注力しています。

(引用:PR Times)

ショートアニメや縦読み漫画などの新しいコンテンツ形式が登場したことで、エンターテインメント業界では新たな収益化の手法が生まれています。Plottはこれらの変化に迅速に対応し、YouTubeやTikTokでのショートアニメ事業の展開や、webtoon事業への参入など、常に進化するプラットフォームに柔軟に適応してきました。

その結果、Plottが展開するYouTubeチャンネルの総登録者数は、2024年10月末時点で1000万人を突破し、YouTubeチャンネルの累計再生回数は100億回、月間再生回数は5億回を突破しました。さらに、自社IPの二次利用事業においては、2024年度の売上が前年の450%に成長するなど、大きな成功を収めています。

特に、「テイコウペンギン」を題材にしたハイブリッドカジュアルゲーム「テイペンウォーズ~ブラック企業破壊大作戦~」は、リリース後30万ダウンロードを記録し、好評を博しています。

(引用:PR Times)

Plottの特徴:独自のビジネスモデルとデジタルネイティブ世代に対応した感性

(引用:Wantedly|Plott)

Plottの最大の特徴は、アニメ制作会社として独自のビジネスモデルを展開しており、制作会社でありながら版権を保有する点です。制作したアニメの収益を直接的に得ることが可能であり、幅広いプロモーション活動を行える自由度も兼ね備えています。

<Plottの特徴>

  1. 版権を持つビジネスモデル
    • 一般的なアニメ制作会社は、制作委員会からの受注による報酬が主な収益源であり、制作したアニメが成功しても追加のリターンを得られません。一方でPlottは、ショートアニメという比較的低予算で制作可能な分野に特化し、自社で全額出資することで版権を保持。このモデルを通じて、作品の収益を直接享受できる点が特徴です。
  2. プロモーションの自由度
    • 自社で版権を持つことにより、キャラクターを活用した自由なプロモーション活動が可能です。たとえば、YouTubeチャンネルを活用することでファンと直接的に接点を持ち、キャラクターを通じた商品訴求を行うことができます。これはSNSだけを活用する場合と比較して、より強力な訴求力を発揮します。
  3. デジタルネイティブ世代に対応した感性
    • Plottのチームは主に20代のメンバーで構成されており、彼らの感性をそのまま活かした若者向けのアニメ制作を実行。チームのメンバーは、テレビ業界のADやマンガアプリのディレクター、出版社やWeb広告代理店、ソーシャルゲームのディレクターなど、多岐にわたる経歴を持っています。この多様性が、新しい視点からのクリエイティブを生み出す原動力となっているそう。
  4. データと感性の融合
    • Plottのアニメ制作では、YouTubeチャンネルの企画運用を中心とし、視聴者の反応をすべて数値化して確認する仕組みを採用しています。このデータを基にした判断に加え、感性も取り入れた制作プロセスにより、これまでにない新しいIPコンテンツを生み出すことを可能にしています。

資金調達:2024年11月にシリーズBラウンドで10億円を調達

(引用:PR Times)

Plottは2024年11月14日、シリーズBラウンドにおいて、以下の6社から合計10億円の資金調達を行ったことを発表しました。

  • ジャフコ グループ株式会社
  • 株式会社MIXI
  • 株式会社バンダイナムコエンターテインメント
  • みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合
  • 三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合
  • SMBC日興証券株式会社

今回調達した資金は、「日常に温度を。世界に熱狂を。時代に灯火を。」という理念を実現するために活用されます。具体的には、今後2年間で新たなIP100作品の創出や、新規事業の立ち上げ、それに伴う採用活動に重点的に投資する予定です。

今後の展望

(引用:PR Times)

Plottは中期経営スローガンとして「IP革命」を掲げ、2026年末までに以下の目標を達成する計画を立てています。

  1. 新規IPの創出: 100作品
  2. 新たなビジネス領域への進出:
    • ハイブリッドカジュアルゲーム10作品の開発
    • 楽曲50曲の制作
    • オフラインイベントの開催
  3. 組織体制の強化: プロデューサー100名の採用

Plottはこれらの目標を達成するため、若年層を中心とした流行の動向に敏感に対応し、時代に即した制作スタイルやビジネスモデルを構築していくとしています。また、ユーザーやクリエイターをはじめとするコンテンツ関係者との良好な関係を築きながら、日本のエンターテインメント産業(アニメや漫画など)の発展に寄与していく方針です。

市場規模:キャラクタービジネス市場は2024年に2.75兆円へ拡大

(引用:矢野経済研究所)

株式会社矢野経済研究所の調査によると、コンテンツ市場の1分野であるキャラクタービジネス市場(商品化権・版権を含む)の規模は、2023年に前年度比2.2%増加し、2兆6969億円に達する見込みです。さらに、2024年には前年から1.8%増加し、2兆7464億円に成長すると予測されています。

キャラクタービジネスの展開は、商品化や広告・販促といった従来の用途に加え、カフェや展示会、スタンプラリー、謎解きゲームなど、さまざまな体験型イベントへと拡大。この背景には、消費者のニーズが「モノを買う」ことから「体験を楽しむ」ことへとシフトしているという、消費スタイルの変化があると考えられます。

特に、体験型イベントをきっかけに物販につなげる戦略は、キャラクタービジネスにおいて大きな効果を発揮しています。そのため、市場のさらなる成長には、顧客に価値ある体験を提供しながら収益を生み出す仕組みを構築することが重要です。

企業概要

  • 企業名:株式会社Plott(Plott Inc.)
  • 代表者:代表取締役 奥野翔太
  • 設立:2017年8月2日
  • 所在地: 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町2-4ダヴィンチ小川町5F
  • 公式HP:https://plott.tokyo/

まとめ

本記事では、ショートアニメを中心に、IPコンテンツの企画・制作・ビジネス展開を行う株式会社Plottについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社Plottのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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