(引用元:Soft Bank Recruiting site 2020年6月24日掲載『ソフトバンクの社内起業から世界へ。”食”の可能性を拓くumamill代表の思い』 )
umamill株式会社(以下、umamill)は、2019年3月にサービス提供を開始した、日本食輸出支援プラットフォームを提供するスタートアップです。
「日本食をもっともっと世界へ広げたい」という志を掲げ、日本の食品メーカーと海外のバイヤーを繋ぐ役割を果たしています。
umamillは、ソフトバンクの社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」によって企業化されました。
そのため、umamillの親会社はSBイノベンチャー株式会社(ソフトバンク社の新規事業支援会社)となっています。
沿革:日本食輸出のパイオニアとして事業拡大中
(引用元:INCUBATION INSIDE『【ソフトバンク】審査通過から2年半、0.1%の難関くぐり会社化。SBイノベンチャー初の輸出支援事業』・umamill 2022年5月12日掲載プレスリリース)
umamillは、2015年に社内起業としてスタートしました。
ソフトバンクの社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」にてプロジェクトを開始後、2019年に法人化します。
同年に、「umamill」という名称で日本食輸出支援プラットフォームのサービス提供を開始しました。 2022年には、海外バイヤー約600社と提携するなど、顧客基盤を築き上げます。
また、農林水産省の農林水産物・食品輸出プロジェクト(GFP)のアンバサダーとして認定され、日本食の輸出拡大の一翼を担っています。
事業内容:日本食輸出支援プラットフォーム
(引用元:umamill HP)
umamillは、海外で日本の食品を探しているバイヤーと、日本国内の食品メーカーとをつなぐ革新的なプラットフォームとなっています。
umamillを使うことで、バイヤーは海外にいながら日本食品のサンプルを無償で手に入れることができ、簡単に日本の食品メーカーと取引することが可能です。
また、umamillでは商談が成立した後も、出荷から輸出までのプロセス全体のサポートも行っています。
umamillは、日本の食品メーカーと海外バイヤーが安心して取引を行える場を提供する、信頼できるプラットフォームなのです。
umamillを使うメリット
umamillには、たくさんのメリットがあります。
例えば、以下の特徴があげられます。
- 輸出入手続きを代行してもらえる
- 無料の食品サンプルを試せる
- すべてのやりとりがumamill上で完結する
次の章で日本の食品メーカーと、海外バイヤーにわけて、それぞれのumamillを使うメリットを詳しく紹介していきます。
日本の食品メーカーの利点
- やりとりの簡易化
umamillを利用すると、原産地証明書の取得や、輸出可否判断、貿易実務などの手続きを代行してもらうことができます。複雑な手続きや言語の壁を気にせずに、自社の製品を輸出することが可能です。 また、バイヤーごとにやりとりをする必要がなく、umamillでのやりとりで完結できます。 - 海外での販路開拓ができる
umaillを使うことで、海外のニーズに合わせて商品を売り込むことができます。
輸出手続きだけではなく、現地でのプロモーションやECサイトでの販売支援なども行っているので、着実に海外での売り上げを伸ばすことができるでしょう。
海外バイヤーの利点
- やりとりの簡易化
umamillを利用すると、言葉やコストの問題、複雑な輸出規制に注意することなく、日本食材のお試し・輸入ができます。 また、メーカーごとにやりとりをする必要がなく、umamillでのやりとりで完結できます。 - ライバル店との差別化
umamillを利用することで、日本国内でしか手に入らない食品を輸入することができます。 このような希少性の高い日本食を利用することで、ライバル店との差別化することが可能です。 - 無料の食品サンプルを試せる
umamillでは複数のメーカーから、1ヶ月に10個の無料サンプルを受け取ることができます。気になる商品をサイト上から選ぶだけで、サンプルが手元まで届くので、手軽に商品を試せるのが強みです。
資金調達:累計9億円の資金調達を達成
(引用元:umamill HP 2022年6月1日掲載プレスリリース)
umamillは2022年時点で、累計9億円の資金調達に成功しています。
注目すべきは、2022年5月に実施した、JAグループなどが出資するアグリビジネス投資育成株式会社を引受先とする第三者割当増資です。
日本政府が掲げる、農林水産物・食品輸出額目標(2031年までに5兆円)の達成に取り組むパイオニアとして、様々な投資機関から支援されています。
これらで調達した資金は、日本食輸出拡大に向けた体制の強化や、「umamill」の機能強化、海外販路拡大、マーケティングなどに充てられるそうです。
市場規模:日本食需要の高まりとともに「umamill」が重要に
(引用元:農林水産省 2023年10月13日掲載『会議における日本食レストラン数の調査結果(令和5年)の公表について』)
農林水産省の調査によると、海外での日本食レストランの件数は年々増加しています。
2013年時点では、5.5万件だった海外の日本食レストランですが、10年後の2023年には3.4倍の18.7万件に増加しました。
このような海外での日本食レストランの拡大に伴って、日本国内の食品メーカーの需要は拡大していると考えられます。
海外バイヤーと日本の食品メーカーを繋ぐ、umamillの役割は、ますます重要になってくるでしょう。
将来展望:日本産食品の希少性をアピール
(引用元:TCC REVIEW 2020年2月28日掲載『食の輸出支援プラットフォーマー 日本食と世界のバイヤーを結ぶ』)
umamillは、日本食品の海外展開拡大の役割を担っていますが、そもそも日本の食品生産規模は小さい傾向にあります。
経営規模が限られている事業者は、国内向けの生産に手一杯で、輸出を賄うだけの生産が無理な場合も多いといわれている状況です。
そこで、生産量が少ないのであれば、むしろその希少性をアピールして、高い単価で取引できるような体制を目指しているそうです。
まとめ
今回紹介したumamillは、日本食プラットフォームを通して、日本文化のさらなる理解と関心を高める役割を果たしています。
社内ベンチャーから始まり、農林水産省の農林水産物・食品輸出プロジェクト(GFP)のアンバサダーとして認定されるなど急成長している注目の企業です。
昨今ソフトバンク株式会社だけでなく、多様な業種・企業で社内起業制度・起業支援が実践され、数々のベンチャー企業が誕生しています。
New Venture Voiceでは、そんなベンチャー企業について紹介しているので、合わせてご覧ください。