インドの急成長スタートアップ、Zepto(ゼプト)は、わずか10分以内で食料品を配達する革新的なサービスです。インドのeコマース市場に旋風を巻き起こしています。
創業からたった2年で企業価値9億ドルを達成し、若者の間で人気のアプリへと急成長を遂げました。
本記事では、Zeptoの事業内容や資金調達等について詳しく紹介します。
事業内容：10分以内に食料品・日用品を配達するサービス
Zeptoの事業内容は、食料品配達サービスです。スマートフォンアプリから食料品や日用品の注文を受け、わずか10分以内に配達するサービスを提供しています。従来の食料品配達サービスが30分程度かかるのに対し、Zeptoは圧倒的なスピードを武器に市場を席巻しています。
この超高速配達を支えているのは「Dark Store」と呼ばれる小型の配送拠点です。Dark Storeは一般の人が入れない倉庫のような施設で、効率的に商品が保管・管理されています。注文が入ると、配達員がDark Storeから商品をピックアップして届けます。
Zeptoのアプリでは、食料品や飲料、日用品など5000以上の商品が揃っており、ユーザーは簡単に商品を選んで注文が可能です。さらに、配達料金は約0.5ドル（約75円）と手頃で、一定金額以上の注文なら無料になります。
このサービスは、忙しい都市生活者や急に買い物が必要な人々にとって大変便利で、都市部で広く支持を集めています。
Zeptoのサービスの主な特徴
- 10分以内の食料品配達： アプリで注文された商品を迅速に配達。平均配達時間は8分47秒。
- 幅広い商品ラインナップ： 食料品や飲料、家庭用品など、5,000以上のアイテムをカバー。
- Zepto Cafe： 2022年開始の新サービス。紅茶やスナックなど、カフェ・レストランのメニューを配達。
- 長時間営業： 朝6時から深夜2時まで、ほぼ1日中サービスを提供。
- 低額の配達料： 小額の注文には配達料がかかりますが、149ルピー(約240円)以上の注文で無料。
- リアルタイム配達追跡： アプリで配達状況をリアルタイムで確認可能。
- 独自ブランド商品： Zeptoオリジナルの商品も開発・販売。
創業の経緯：スタンフォード合格も、起業を選択
Zeptoは、Aadit Palicha(アーディット・パリチャ)とKaivalya Vohra(カイヴァリヤ・ヴォーラ)の2人によって2021年に創業されました。彼らは幼い頃からの友人で、インドで共に育ちます。
スタンフォード大学に合格していた2人は、2020年に入学する予定でしたが、進学を見送り、起業を選択しました。その理由は、インドのテクノロジー業界が急成長しているこのタイミングを逃したくなかったからです。
当初、彼らは「KiranaKart」というサービスを立ち上げ、地元の小さな食料品店をオンラインでつなぐビジネスを展開しました。しかし、従来の配達方法では利益を出すのが難しいと気づき、方向転換を図ります。
その中で発見したのが、配達時間を大幅に短縮することの重要性でした。通常45～60分かかる配達を10～15分で行うと、顧客の満足度と再利用率が劇的に向上することが判明しました。
これがきっかけになり、2021年4月、2人はビジネスモデルを一新し、Zeptoとして再スタートを切ったのです。
資金調達：2億ドルを獲得して2023年初のユニコーン企業に
Zeptoは、急成長を続けるインドのeコマーススタートアップとして、大規模な資金調達を次々と成功させてきました。以下に、主な資金調達の概要を紹介します。
＜2021年12月：シリーズCで1億ドル調達＞
Zeptoは設立から1年も経たないうちに、シリーズCラウンドで1億ドルを調達。
参照：https://entrackr.com/2021/12/zepto-raises-100-mn-in-series-c-at-570-mn-valuation/
＜2023年8月：シリーズEで2億ドル調達＞
ZeptoはシリーズEラウンドで2億ドルを調達し、インドにて2023年初のユニコーン企業になりました。
出典：https://finance.yahoo.com/news/indian-grocery-delivery-startup-zepto-123713636.html
＜2024年6月：シリーズFで6億6500万ドル調達＞
Zeptoは成長をさらに加速させ、シリーズFラウンドで6億6500万ドルを調達しました。この資金調達により、同社の評価額は36億ドルに達します。
参照：https://www.contrary.com/blog/zepto-series-f
＜2024年8月：シリーズGで3億6000万ドル調達＞
2024年、ZeptoはシリーズGラウンドで追加の3億6000万ドル(約530億円)を調達。評価額を50億ドル(約7250億円)に引き上げたと発表しており、わずか3カ月間で39％も上昇させる快挙を達成した。
参照：https://forbesjapan.com/articles/detail/73408
【主な出資元】
Zeptoの成長を支える主な投資家には以下が含まれます。
- General Catalyst
- Mars Growth Capital
- Glade Brook Capital
- Nexus Venture Partners
- StepStone Group
- Avenir Growth Capital
- Lightspeed
- Avra
市場規模：インドの食料品配達市場は60億ドル規模
Business todayによると、オンライン食料品配達サービスの世界市場は、2020年から2025年の間に約8000億ドル増加し、年平均成長率(CAGR)は25％を超えると予測されています。特にインドでは、2021年には3億ドル規模だった「クイックコマース」市場が、2025年までに50億ドルに成長すると見込まれています。
会社概要
会社名：Zepto
創業者：Aadit Palicha、Kaivalya Vohra
設立：2021年4月
まとめ
本記事では、わずか10分以内で食料品を配達する革新的なサービスを提供するZeptoについて紹介しました。
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Zeptoのように、国内外の面白い企業についてまとめていますので、ぜひ関連記事もご覧ください。
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