今回紹介するのは、CADDi株式会社(以下、CADDi)です。CADDiでは製造会社のサプライチェーンを改革する、部品調達プラットフォームの「CADDi MANUFACTURING」と、図面データ活用クラウドの「CADDi DRAWER」の提供しています。
CEOの加藤勇士郎氏が掲げる「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」というミッションのもと、産業の常識を変える仕組み作りを行う企業です。
沿革:国内にとどまらず、海外3カ国へのサービス展開強化
CADDiは2017年11月に設立されました。製造業の調達フェーズにおける無駄を発見し、「CADDi MANUFACTURING」(旧:CADDi)の開発が始まりました。
その後、製造業で問題とされる「多重下請け構造」を改善する画期的なサービスへと成長し、わずか2年間で4000社以上で利用されるようになりました。 また2022年4月には、図面データを活用することで設計・調達・製造・販売すべてのフェーズで効率化ができる「CADDi DRAWER」の提供も開始しました。
また、国内だけではなくベトナム・タイ・米国への進出と共に、市場の拡大に成功しています。
2023年7月までに約118億円の資金調達を達成し、更なる事業の拡大を目指しています。
事業内容:図面データ活用で多重下請け構造を改善
(引用元:https://note.com/yushirodesu/n/n8e1dd6b2f140)
CADDiでは、「CADDi MANUFACTURING」と「CADDi DRAWER」の2つの事業で製造業を支えています。 独自の図面解説技術を基に設計から販売までワンストップでサポートできる企業として、国内外問わず多くの企業の業務効率化を担っています。
CADDi MANUFACTURING
(引用元:https://note.com/yushirodesu/n/n88f2399dcfc8/https://caddi.com/company/)
CADDi MANUFACTURINGでは、図面を独自解析し、品質・納期・価格が最も適合する加工会社を世界中から選定し、検査や納品までを行います。 依頼元からの図面の提出を受け、図面を解析し、依頼元とベストマッチする加工会社へ部品の受注依頼を行います。
CADDi DRAWER
(引用元:https://note.com/yosukeshirai/n/nc55301dddc49/https://caddi.com/company/ )
CADDi DRAWERは、独自の画像解析アルゴリズムを搭載した図面データ活用クラウドです。 類似図形検索により、設計・調達・生産部門におけるコストを削減します。 例えば、登録した図面内のテキスト情報をデータ化し、すぐに検索できるようにすることや、発注実績を図面とを自動で紐付け、管理できるようになります。
資金調達:累計217億円を調達
CADDiは、創業約1年で10.8億円の調達を実現しています。 また2023年7月には、過去最大額の約118億円の資金調達を実現しています。 DST GlobalやArena Holdingsなどの海外投資家からも投資があり、世界的に注目されています。
市場規模:2030年度の製造業のDX国内市場は8,130億円へ
(引用元: https://www.fcr.co.jp/pr/23032.htm/https://www.fcr.co.jp/pr/22025.htm)
製造業のDX国内市場は2030年度には、8,130億円規模へと拡大する予想です。2022年度見込からすると約2.5倍の成長が予想されています。 製造業全体で、業務効率化・品質向上を目指し、DXを推進しようとする動きが見受けられます。
将来展望
CADDi株式会社は、以下記載の3つの方向性で成長していく計画です。事業計画の実行力の高さが評価されている通り、今後はさらにグローバルカンパニーへと成長し、大規模なサプライチェーン改革を進めるでしょう。
A 業界・製品カテゴリ
業界・製品カテゴリの拡大を行っています。 産業機械や医療機器などの対象から、大量生産や航空機をはじめとした品質基準がより高い製品にも対象を広げています。対象の加工も、板金、切削、製缶から、鋳造、射出成型への拡大を目指しています。
B 地域・グローバル
ベトナム、タイ、米国への展開の強化を目指しています。 受発注プラットフォームとして、日本の発注者が海外の加工会社から部品を仕入れる場合や、日本の加工会社が海外の発注者に部品を納める場合、既存お取引先を活用したサービス展開ができます。 価値提供の可能性を広げるために、海外顧客の要求に対応し、積極的に海外へ進出しています。
C サービス・アプリケーション
ローンチしたDRAWER事業、MANUFACTURING事業のサービス自体の拡大に注力しています。 QCD-FITするサプライパートナーを開拓するのではなく、取引している・今後取引するサプライヤーと共に成長し、生産自体のキャパシティを向上させる戦略を取っています。