
投資が特別な人のものだった時代は終わろうとしています。今、金融サービスの常識を塗り替えつつあるのが、スマートフォンアプリ「Bloomo(ブルーモ)」を提供するブルーモ証券株式会社(以下、ブルーモ証券)です。
同社は、誰もが簡単に米国株やETFに投資できる環境を整え、個人の資産形成を日常的な選択肢へと変えようとしています。わずか0.0001株単位での投資、著名投資家のポートフォリオをワンタップでコピーできる仕組み、自動リバランスやNISA最適化機能など、これまでにない革新的な体験を提供している点が大きな特徴です。
本記事では、ブルーモ証券の事業内容、成長の背景、そしてその存在がなぜ今の日本市場に必要とされているのかを詳しく解説します。
事業内容:米国株資産運用アプリ「Bloomo(ブルーモ)」を提供

ブルーモ証券は、「投資をみんなのものに」というミッションのもと、誰もが気軽に米国株やETFで資産運用を始められるスマートフォンアプリ「Bloomo(ブルーモ)」を開発・提供しています。アプリ上での簡便な操作だけで、本格的なポートフォリオ運用ができるという点が最大の特徴です。
2024年5月のサービス提供開始以降、ポートフォリオコピー機能や自動リバランス、0.0001株単位からの投資対応など、投資初心者でも安心して使える機能を次々と実装。App Storeでは、国内の証券アプリの中でも最高水準となる4.7点(2025年3月時点)の評価を獲得しており、多くのユーザーから高い満足度を得ています。

また、2024年11月に「Bloomo for JFRカード」、2025年2月には「Bloomo for 住信SBIネット銀行」といった提携サービスも展開しており、企業連携を通じた普及拡大にも積極的です。
さらに、ブルーモは手数料体系の面でも競争力を持っています。たとえば、年率0.55%の運用手数料はロボアドバイザーの約半分に相当し、取引手数料は無料、為替手数料も0.25%と業界最低水準です。費用面でも利用者に優しいサービス設計がなされています。
便利な機能①:「目標ポートフォリオ」自分の理想を反映した投資設計

ブルーモでは、ユーザー自身が目指す銘柄構成と比率を「目標ポートフォリオ」として設定できます。設定した内容に応じて、ブルーモが両替や買付、注文の実行を自動で行ってくれるため、煩雑な操作は不要です。
また、米国株やETFに0.0001株単位で投資できるため、少額の入金でも理想のポートフォリオを高精度で再現することが可能です。入金時には最新のポートフォリオに基づいて、最適な注文内容を自動で計算して実行します。
また、今後は毎週・毎日などの頻度を柔軟に設定できる「スマート積立」機能の導入も予定しており、より多様な資産形成ニーズに応えられるようになるでしょう。
便利な機能②:「ポートフォリオ共有」他ユーザーの戦略を参考に投資

ブルーモでは、他のユーザーや著名投資家が公開しているポートフォリオを閲覧・コピーできる機能を備えています。ウォーレン・バフェットのような著名投資家のスタイルを再現したポートフォリオをワンタップでコピーし、そのまま自分の目標ポートフォリオとして設定できます。
もちろん、コピーしたポートフォリオに対して、自分の好きな銘柄を追加することも可能です。これにより、ゼロから設計することなく、信頼できる運用戦略を土台にした投資が始められます。
便利な機能③:「リバランス」目標とのズレを自動調整

投資が進むにつれて、ポートフォリオの構成比率は市場変動により少しずつズレていきます。しかし、ブルーモでは、このズレを自動的に検知し、入金のタイミングなどに合わせてリバランスを実行。
また、目標ポートフォリオを変更した場合にも、自動的に必要な売買が計算され、適切な銘柄と金額で注文が行われます。配当金が発生した際には、自動で再投資される仕組みも整っており、資産形成の効率を高める設計がなされています。
便利な機能④:「かんたんNISA」非課税制度を誰でも手軽に活用

ブルーモでは、「かんたんNISA」という機能を通じて、NISA口座を使った資産運用も手軽に始められます。面倒な郵送手続きは不要で、アプリ内でNISA口座を開設することも可能です
<かんたんNISAの主な特徴>
- 自動でNISA口座を優先して投資が行われるため、節税メリットを最大限に活用できる
- 好きな銘柄を選び、NISAに最適化されたポートフォリオを構築できる
- 入金と積立設定をするだけで、非課税枠を効率的に使った定期投資が可能になる
このように、NISA制度の活用ハードルを大きく下げることで、税制を意識せずとも効果的な資産形成ができる仕組みを提供しています。

ブルーモ証券は、金融サービスを「一部の人のもの」から「誰でも使えるもの」へと変えることを目指しています。機能のわかりやすさ、投資の始めやすさ、そして運用の継続しやすさを徹底的に追求したサービス設計により、これまで投資に踏み出せなかった多くの人々に、新たな選択肢を提供している点が同社の魅力です。
資金調達:2025年3月にシリーズAラウンドで20億円を調達

2025年3月20日、ブルーモ証券株式会社はシリーズAラウンドにおいて、総額20億円の資金調達を実施したことを発表しました。この調達により、同社の累計資金調達額は約28.5億円に到達。
今回のラウンドでは、グローバル・ブレイン、ANRI、Spiral Capital、Portage Ventures、MUFG Innovation Partners、Angel Bridge、住商ベンチャー・パートナーズ、Scrum Venturesといった国内外の著名なベンチャーキャピタルが出資に参加しており、ブルーモ証券に対する高い期待が伺えます。
調達資金の主な用途
今回調達した資金は、以下3つの分野に重点的に活用される予定です。
1. プロダクトの高度化と投資商品の拡充
- 米国以外のADR銘柄など、取り扱い銘柄の拡大
- スマート積立投資(毎日・毎週の積立頻度設定)
- 複数ポートフォリオ管理機能の導入
2. 利用者基盤の拡大と金融リテラシーの啓発
- マーケティング・PR活動の強化
- 自社サイトやYouTubeを通じた情報発信
- パートナー企業との連携拡大(例:「Bloomo for JFRカード」「Bloomo for 住信SBIネット銀行」など)
3. 組織体制の強化と人材採用
- プロダクト開発・マーケティング・カスタマーサポートなど各領域での人材確保
今後予定されている主なアップデート
今回の調達を機に、ブルーモ証券では以下のような段階的なサービスアップデートを実施予定です。
- 第1弾(3月下旬):取り扱い銘柄を500超に拡大し、米国外のADR銘柄も追加
- 第2弾(4月上旬):日本円現金口座およびスマート積立機能の実装
- 第3弾(初夏):複数ポートフォリオの作成・管理機能を提供
これにより、ユーザーの投資体験はさらに柔軟かつ本格的なものへと進化していくとしています。
ブルーモ証券は、「投資をみんなのものに」というミッションのもと、誰もが簡単かつ安心して始められる資産運用体験を提供してきました。個人の資産形成がますます重要となる今、ブルーモは次世代の金融インフラとして、日本市場における存在感をさらに高めていくことが期待されます。
市場トレンド:家計資産の投資活用が求められる背景とは
ブルーモ証券が掲げる「投資をみんなのものに」というミッションは、日本の経済が抱える構造的な課題に対する1つの解であると言えます。とりわけ、家計に眠る膨大な金融資産が投資や消費に回らず、経済成長に十分寄与していない現状において、誰もが気軽に投資を始められる環境づくりが強く求められています。
預金に偏る日本の家計構造

経済産業省の発表によると、日本の家計が保有する金融資産は、2024年3月末時点で約2,200兆円にのぼります。そのうち5割超を現金・預金が占めており、株式や投資信託といったリスク性資産の比率は2割未満です。
一方、米国では家計資産の約5割がリスク性資産に投じられており、資産運用による資産形成が個人にも社会にも好循環をもたらしています。この違いは、金融制度や投資文化の違いだけでなく、将来への期待や不安、リスク許容度など複数の要因が複雑に絡み合った結果と考えられます。
高齢層に集中する資産と動かないお金

日本の家計資産のもう1つの特徴は、高齢層への集中です。70歳以上の世帯が全体の約4割の金融資産を保有しており、加齢とともに資産を「貯め続ける」傾向が見られます。
背景には、長寿リスクへの備えや、子や孫への資産継承を意識した行動、さらには相続や贈与に伴う税制の複雑さなどが挙げられます。こうした要因により、保有資産が消費や投資に回らず、経済における資金循環が停滞する一因となっています。
若年層に広がる投資の関心とその壁

一方、2024年から始まった新NISA制度の拡充を背景に、若年層を中心に投資への関心が高まりつつあります。長期・分散・積立といった投資の基本が制度として設計され、非課税での運用も可能となったことで、資産形成の選択肢として投資を検討する人が増えてきました。
とはいえ、実際に投資に踏み出すうえでは、依然として多くの課題が残っています。調査によれば、投資をしていない理由として最も多かったのが「余裕資金がない」(約6割)という回答でした。また、所得の高い層ほどリスク性資産の保有割合が高いというデータもあり、年収やライフステージによる投資格差が存在しています。
このような状況に対して、ブルーモ証券が提供する「ポートフォリオコピー機能」や「少額から始められる積立投資」といった仕組みは、初心者にとって投資への心理的ハードルを下げる有効な手段となっています。誰でも迷わず投資を始められる環境づくりが、今後ますます重要になっていくといえるでしょう。
資産を活かす社会に向けて
家計に蓄積された膨大な資産を、将来の豊かさや経済成長につなげていくためには、意識と制度の両面から変革することが必要です。たとえば、資産移転を円滑にする税制の整備や、公的年金制度の持続性に対する信頼回復、そして長期・分散・積立といった基本的な投資手法の普及などが求められています。
ブルーモ証券が目指すのは、こうした課題に対して、誰もが分かりやすく、無理なく投資を始められるサービスを通じて応えていくことです。個人の資産が眠ったままになるのではなく、未来への自信や安心につながっていく。そのような金融のあり方が、これからの時代に必要とされています。
企業概要
- 企業名:ブルーモ証券株式会社
- 代表者:代表取締役CEO 中村 仁
- 設立:2022年6月9日
- 所在地: 〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町5-1 FinGATE BASE 404
- 事業内容:金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3384号
- 公式HP:https://bloomo.co.jp/
まとめ
本記事では、米国株資産運用アプリ「Bloomo(ブルーモ)」を提供するブルーモ証券株式会社について紹介しました。
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