株式会社パワーエックス(以下、パワーエックス)は、自然エネルギーの普及のために、蓄電池の生産や電気運搬船の開発、バッテリーサービスの製造をおこなっている会社です。
自然エネルギーを「ためる」「はこぶ」「つかう」という3つの観点から、製品の開発に尽力しています。
ミッション:自然エネルギーの爆発的普及を目指す
パワーエックスの主なミッションは、自然エネルギーが浸透した社会をつくることです。太陽光・風力・地熱などの自然エネルギーから発電することで、環境をより豊かなものにします。
近年、温暖化などの問題から、脱火力発電が理想とされてきました。
しかし、電力コントロールなどの問題により、自然エネルギーを使った発電は普及の目処がたっておりません。
そこで、パワーエックスは、自然エネルギーがより普及するよう、「電気をためる・はこぶ・つかう」の3つの視点で取り組んでいます。
ミッションの視点①:「電気をためる」蓄電池生産
自然エネルギーを扱いにくいのは、電力のコントロールが困難だからです。たとえば、太陽光発電では、日射量の少ない日は電力が得られにくいといった事態が起こりえます。
そこで、パワーエックスは、自然エネルギーから生成された電力を貯め、いつでも電気が使えるような蓄電池を開発しました。上記の画像にあるような、「PowerX Mega Power」や「PowerX Cube」など多くのモデルを製造しています。
「PowerX Mega Power」は、日本のエネルギー需要・技術に合わせて製造されている大型定置用蓄電池です。24時間ネットワークで監視でき、安全性が担保されています。
また、「PowerX Cube」はさまざまな用途にフィットするよう開発された多用途蓄電池です。「PowerX Cube」1台で、発電所や施設の電力運用性を向上させられます。
ミッションの視点②:「電気をはこぶ」電気運搬船
パワーエックスは、自然界に溢れている自然エネルギーを、電気を必要としている場所に届けるために電気運搬船も開発しています。主に海で隔たれている地域が、電気不足となる傾向にあるからです。
電気運搬船は、既存の電気インフラを世界中の海上で繋げます。また、パワーエックスは、運ぶ距離によってサイズの違う電気運搬船を展開しており、コストが低く経済的な合理性が高い体制をとっています。
ミッションの視点③:「電気をつかう」バッテリーサービス
パワーエックスは、自然エネルギーをどんな場所でも使えるように、バッテリーサービスも手掛けています。同社はすべての商品を自社製にし、安心して自然エネルギーを利用できる充電器に力を入れてきました。
「PowerX Hypercharger」は、同社が開発している蓄電池型EV(電気自動車)充電器の1つです。国内最速級の充電機能を持っているため、施設の電気代削減に繋がります。また、蓄電池や大型冷却器を内蔵しており、いかなる環境下でも設置が可能です。
2024年、岡山県の新見浄化センターにて納入されました。新見市の公共施設における、再生可能エネルギーの使用率上昇を目指します。
資金調達:累計調達額が232億円を超える
2024年時点で、パワーエックスは合計資金調達額が232億円を超えました。
2023年にシリーズBラウンドで46.2億円を調達し、2024年には三菱UFJなど大手金融機関から、総合95億円を調達しています。
2023年・2024年の資金調達により、蓄電池製品の製造体制がいっそう強化される見込みです。
市場規模:蓄電池の世界市場は2040年に8兆円を超える
「富士経済」は2023年に、定置用蓄電池の世界市場が2024年までに8兆円まで成長すると予想しました。再生可能エネルギーが必要とされる現在、系統・再エネ併設分野を中心として、蓄電池の活用の場が増えています。
とくに蓄電池の需要が旺盛なのが、太陽光発電の普及が進む先進国です。また、EV(電気自動車)の普及にともなって、蓄電池の市場はさらに拡大するといえます。