Zipline社は、ドローンを利用した配送サービスを提供するアメリカ発のスタートアップです。特に、医療用品の配送に特化しており、遠隔地や緊急時に迅速かつ効率的に物資を届ける技術で注目を集めています。
この記事では、Zipline社の事業内容、創業の経緯、資金調達、について詳しく紹介しています。
事業内容：ドローンを使った配送サービス
Zipline社の事業内容は、ドローンを使った配送サービスの提供です。特に、血液や医薬品、ワクチンなどの重要な医療用品を、安全かつ迅速に届けるサービスを展開しています。
具体的には、「Zips」というドローンを活用した空輸サービスを提供しています。以下に詳しく記載しています。
ドローン「Zips」を利用した空輸
Zipline社の主なサービスは、ドローンを利用した配送です。同社のドローン「Zips」は、自律飛行が可能で、最大70mphの速度で移動できます。Ziplineは、主に2つのドローンを提供しています。
- プラットフォーム1 (P1)：長距離配送に特化しており、広範囲のエリアをカバーします。P1のドローンは固定翼タイプで、パラシュートを使って荷物を安全に投下します。このドローンは、医療用品を遠隔地に迅速に届けるために使用されています。
- プラットフォーム2 (P2)：短距離かつ精密な配送に特化しています。P2のドローンは、固定翼に加えてホバリングが可能なプロペラを備えており、狭いエリアや建物の近くでの配送に適しています。
創業の経緯：途上国で見た医療物資の物流問題から起業
Zipline社は、2014年にケラー・リナウド・クリフトン氏、キーナン・ウィロベック氏、ライアン・オクセンホーン氏、ウィル・ヘッツラー氏の4人によって創業されました。リナウド氏は、以前スマートフォン制御のロボティクス企業を立ち上げていましたが、より社会的に意義のあるプロジェクトに転換することを決意し、Ziplineを設立しました。
彼らの創業の動機には、途上国で見た医療物資の物流問題があります。タンザニアで医療物資が十分に行き届いていない問題を知り、この問題を解決するためにドローンを使った配送サービスを開発しました。
彼らは、ロボティクスと航空の専門知識を活用し、ドローンを使って迅速かつ安全に医療物資を届ける方法を考案しました。
資金調達：2023年にシリーズFで3億3000万ドルの調達に成功
＜2019年、1億9000万ドルを調達＞
- 主な投資家：Katalyst Ventures、ゴールドマン・サックス、豊田通商、Design to Improve Life Fund
- 企業評価額：12億ドル
- 目的：アフリカ、南アジア、東南アジア、アメリカ大陸でのリーチの拡大
＜2021年、 2億5000万ドルを調達＞
- 主な投資家：Katalyst Ventures、ゴールドマン・サックス、The Rise Fund
- 企業評価額：27億5000万ドル
- 目的：アフリカと米国での事業拡大、特にガーナとルワンダでのサービス需要の急増に対応
＜2023年、3億3000万ドル＞
- 主な投資家：Katalyst Ventures、 Pactolus Ventures、Emerging Capital Partners、Reinvent Capital
- 企業評価額：約42億ドル
- 目的：新しい空輸サービスの開始と、事業を継続的に成長させるための資金
市場規模：世界の宅配ドローン市場規模は、5億米ドル越え
世界の宅配ドローン市場規模は、2022年に5億3020万米ドルとなり、2023年から2030年にかけて年平均成長率（CAGR）42.6％で成長すると予測されている。
同市場の成長を牽引しているのは、当日配送や迅速配送の需要の高さや、ドローン技術の進歩といった要因です。また、COVID-19の流行も大きな要因の一つです。コロナによって、電子商取引と非接触型配送の普及が加速したことで、ドローン産業への投資の増加したと考えられています。
会社概要
- 会社名：Zipline
- 設立年：2014年
- 創業者：ケラー・リナウド・クリフトン、キーナン・ウィロベック、ライアン・オクセンホーン、ウィル・ヘッツラー
- 拠点：アメリカ合衆国
- URL：https://www.flyzipline.com/
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