最終更新日 24/07/05
国内スタートアップ

「株式会社ECOMMIT」地球にコミットする循環商社

サステナブル
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「引用:https://www.ecommit.jp/

株式会社ECOMMITは、回収・選別・再流通という手間の掛かる工程を一括で担うことで、不用品の循環のサイクルをワンストップで実現する企業です。
同社の目標は「捨てない社会」の実現です。ものが循環する仕組みを創る「循環商社」として、世の中から廃棄品を減らし、サーキュラーエコノミーを推進しています。
本記事では、同社の事業内容である回収・選別・再流通の詳細と、「循環商社」としての将来展望を紹介したいと思います。

事業内容:循環のサイクルをワンストップで実現


「引用:https://www.ecommit.jp/


同社の主な事業内容は「回収」・「選別」・「再流通」の3つです。

回収

同社は不用品・廃棄物の回収を行っています。
国内トップレベルの拠点や自社物流を有しているので、あらゆる不用品・廃棄物の回収をまとめて行うことができます。特に力を入れている衣類分野においては、2019年に国内全体の廃棄量の1%にあたる約6,000tの回収を達成しました。また、同社は、企業や地方自治体との積極的にパートナーシップを結び、独自の仕組みやルートで「捨てざるを得なかったもの」を活用しています。回収量が増えるほど、ごみを削減し、1つでも多くのものを「再流通」にまわすことができます。

選別

選別とは、「回収」した不良品の中から、再度市場に流通できるものを選び抜くことです。
同社の「選別」には、2つの特徴があります。
1. 自動化が難しい領域でも、目利きのできるスタッフが品目ごとに「選別」
同社は、AIなどの自動化技術を活用しつつ、人の目による「選別」も重視しています。特に、自動化では判断が難しい素材等については、経験豊富なスタッフが123品目に分類することで、高精度な「選別」を実現しています。
2. データに基づいた最適な「選別」
同社は、各地に事業所(サーキュラーセンター)を有しており、「誰が」・「いつ」・「何を」求めているのかというニーズをデータ化することで、効率的な「選別」を実現しています。
同社は、以上の「選別」によってリユースできると判断されたものを、市場に「再流通」させています。特に衣類においては、リユース率99%という驚異的な数字を達成しています。

再流通

再流通とは、「回収」・「選別」した不要品を市場にもう一度流通させることです。
同社は、「回収」・「選別」した不要品を、国内外の信頼できるパートナーと協力し、可能な限り廃棄率を下げる流通を構築しています。 15年という歳月をかけて、国内外のパートナーと信頼関係を築き上げた同社だからこそ、様々な種類のものを一度に回収し、「再流通」させることが可能です。 また、同社のリユースラインは国内だけにとどまらず、国外32カ国110社に及びます。

代表サービス:PASSTO

「引用:https://www.passto.jp/

「PASSTO」とは、持ち込まれた不要品を受け取り、ECOMMITが不要品の「回収」・「選別」・「再流通」を一気通貫で行うサービスです。
同社は、「PASSTO」を展開し、その循環インフラの輪や分野を広げています。「PASSTO」は、不要品の「回収」、最適な使い道の「選別」、不要品を「再流通」させる「リユース・リサイクル」の循環をつくる仕組みです。同社は、「PASSTO」を通じて、使わなくなったモノに「捨てる」以外の選択肢を与え、環境貢献を身近な行為にすることを目指しています。 同社は、企業や自治体が循環サイクルを実現するためのサービスを提供しています。具体的には、リユース・リサイクル率の算出やCO2削減量のレポーティングなど、回収から再流通までの製品の流れの可視化を可能にしています。

「PASSTO」の強み

「PASSTO」の強みは、「全国で多品目の不用品を回収できる」という強みがあります。 これまでも同社は、ボックスで不要品を回収するサービスを行っていましたが、回収拠点はアパレル店舗が中心で、回収品目も衣料品に限られていました。「PASSTO」は、同社の強みである「全国で」「多品目(10カテゴリ123品目のリユース・リサイクルに対応)」を回収できる強みを活かし、サービスを提供しています。PASSTOのボックスに入れていただいた不要品は、同社にて「回収」・「選別」・「再流通」が行われます。

市場規模:リユース市場は国内3.5兆円の成長市場

「引用:https://www.env.go.jp/content/000064651.pdf

令和3年度リユース市場規模調査報告書によれば、2025年度のリユース市場規模の予測は3.5兆円にものぼり、右肩上がりの市場といえます。
また、世界最大の統計調査データプラットフォームを提供するスタティスタ(Statista)は、循環型経済の市場規模が2026年には20~30億ドルになると発表しました。世界の消費者からサステナビリティへの関心の高まりは明らかといえます。

参照:https://www.statista.com/study/125082/consumer-trends-2023-sustainability-edition/

将来展望:「捨てない社会」の構築へ

「引用:https://www.ecommit.jp/

同社は、「捨てない社会」のインフラの構築を目指しています。
現在の日本では、誰もが特別な意識をせずとも、ものを捨てることができるインフラが全国に整っています。しかし、これも元々社会に存在したものではなく、人の手によって作られてきた仕組みです。 現状、日本の廃棄物のリサイクル率はOECD下位の20%以下に留まっており、全国各地の廃棄物について、最終処分場の残余年数は約20年と言われています。フランス・スウェーデンといった国では衣類の大量生産・大量廃棄を禁止する「衣類廃棄禁止法」を採択・施行する先進的な取り組みも出てきています。未来まで限られた資源を守るために、「捨てない社会」のインフラをつくり、広めていく必要があります。
同社は、多様なパートナー様と一緒に「PASSTO」を広めていくことで、「捨てる」ではなく「渡す」という行為を、多くの人にとって身近にすることを目指しています。そして、「捨てない社会」の実現を目標にしています。

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