最終更新日 24/07/17
国内スタートアップ注目企業

【Moneytree】フィンテックの未来を担う企業に注目!

Fintech
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マネーツリー株式会社は、2012年に設立された日本のフィンテックスタートアップです。資産管理アプリ「Moneytree」や金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」を提供しています。

本記事では、同社の事業内容(主力サービス)・創業の経緯・資金調達等について詳しく説明していきます。

事業内容

マネーツリー株式会社は、個人および企業向けに金融データの管理と活用を支援するサービスを提供しています。

主に、銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの収支情報を一元管理できる資産管理アプリ「Moneytree」と、企業向けの金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」を展開しています。以下に、マネーツリー株式会社の主力サービスを紹介していきます。

Money Tree株式会社の主力サービスは、「Moneytree」「Moneytree LINK」「Moneytree Business」「LINK Trends」の4つです。

Moneytree

「Moneytree」は、個人向けの資産管理アプリです。複数の銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの収支情報を一元管理できます。ユーザーは自身の金融情報を一箇所で確認し、効率的に資産を運用することが可能です。

「Moneytree」には、3つの大きなメリットがあります。

  1. 家計の可視化が簡単
    銀行・クレジットカード・電子マネー・ポイント・マイル・証券など、複数の金融サービスを一元管理できます。このアプリを使えば、ユーザーは自身の資産状況を一か所でいつでも確認できるため、家計の可視化が非常に簡単になります。
  2. 自動で家計簿が完成
    MoneytreeのAI機能は、ユーザーの明細を学習し、自動的に支出をカテゴリ別に振り分けます。これにより、ユーザーは手間をかけずに家計を管理することができます。日々の支出を手動で入力する必要がなくなるため、忙しい人でも簡単に利用でき、家計簿作成の負担が軽減されます。
  3. お金の心配を減らす
    大きな支出や有効期限の近いポイントについて通知を送る機能が付いています。この通知機能により、ユーザーは安心して日々の財務管理を行うことができます。

Moneytree LINK

「Moneytree LINK」は、企業向けの金融データプラットフォームです。

このサービスは、銀行やクレジットカード会社、会計ソフトなどと連携して、データを自動で取得し、分析することができます。2015年から提供されており、金融や会計業界で標準的なAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)として広く認知されています。

具体的には、55億件の取引データと2,200万件の口座情報を取り扱っており、業界でトップクラスのデータプラットフォームです。金融データの活用とAPI連携を通じて、企業は業務プロセスを効率化することができます。
例えば、会計処理の自動化や顧客の支出パターンの分析により、より迅速で正確な財務管理ができるようになるなどのメリットがあります。

Moneytree Business

「Moneytree Business」は、企業向けの財務管理サービスです。AIによる経費の自動検出、クラウド上のレシート保存、CSV・Excel形式でのデータ出力機能などを提供し、経費管理や経費精算業務を効率化します。

「Moneytree Business」には、3つの具体的なメリットがあります。

  1. 簡単にアクセスできる複数の口座情報
    「Moneytree Business」は、銀行口座やクレジットカードなどの入出金データを一元管理し、統一されたフォーマットで提供します。これにより、複数の口座情報を簡単に確認できるようになります。さらに、電子証明書の発行は初回のみで済み、その後は簡単に法人口座にアクセスすることが可能です。また、入金通知の設定により、ATMや銀行、インターネットバンキングへのアクセスが不要となり、入金確認がスムーズになります。
  2. 経営状況を簡単に見える化
    会計や経理の専門知識がなくても、経営状況を一目で理解できるグラフを出すことができます。さらに、収集したデータは無期限で保管されるため、過去のデータと比較して自社の経営状況を評価することが可能です。これにより、経営の透明性が高まります。
  3. データの可能性を最大限に活用
    「Moneytree Business」は、CSVやExcel形式でデータを出力する機能を備えており、集約された金融データを効率的に活用することができます。複数の法人口座を管理している場合でも、データを一括で出力することができるため、包括的なデータ分析が可能です。この機能により、経営者は詳細な財務分析を行い、ビジネスのパフォーマンスを最適化するための戦略を策定することができます。

LINK Trends

「LINK Trends」は、最新技術を駆使した消費者データとトレンド分析を実現する革新的なビッグデータ解析サービスです。このプラットフォームは、消費者ビッグデータを最大限に活用し、企業が市場の変動や消費者の行動パターンを詳細に把握できるよう支援します。

「LINK Trends」には、5つの具体的なメリットがあります。

  1. ビッグデータ活用による競争力向上
    「LINK Trends」を活用することで、企業は市場のトレンドや消費者行動を正確に把握することができます。
  2. ターゲット市場の理解
    消費者の行動パターンや市場トレンドを詳細に分析し、企業がターゲット市場をより深く理解できるようサポートすることができます。これにより、企業は消費者の期待に応える適切な商品やサービスを提供することが可能になります。
  3. 意思決定の精度向上
    経営者やマーケターが効果的な意思決定を行うために必要なデータを提供し、組織全体のパフォーマンスを向上させます。
  4. リソースの最適化
    「LINK Trends」では、家計簿アプリで収集した匿名データを活用し、データサイエンティストチームが分析を担当します。これにより、企業は自社のリソースを効果的に活用し、ビジネスの成長に集中することができます。
  5. 市場の変化への迅速な対応
    最新の市場情報を消費者ビッグデータから解析し、企業が市場の変化に迅速に対応できるようサポートします。これにより、企業は市場の動向に即応し、競争優位を維持することができます。

創業の経緯:「人々とお金のあり方を劇的に変える」

(出典:https://money-bu-jpx.com/news/article021483/

2012年、ポール・チャップマン、ロス・シャロット、マーク・マクダッドの3名が、「人々とお金のあり方を劇的に変える」というミッションを掲げて起業し、マネーツリー株式会社を設立しました。

創業者の一人であるポール・チャップマン氏は、以前にSaaSスタートアップ「cvMail」を設立し、バイアウトされた経験を持つ起業家でした。彼らは、日本の金融サービス市場に革新をもたらすビジョンを持っていました。

創業者たちは、個人の金融データの透明性と効率性を高めることを目指し、複数の金融機関やサービスの情報を一元管理できるプラットフォームの開発に着手しました。

2013年4月、iOS版の個人資産管理サービス「Moneytree」をローンチしました。このサービスは、銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの資産情報をまとめて管理できるアプリケーションでした。

その後、創業者たちは、個人向けサービスだけでなく、企業向けのソリューションも視野に入れました。2015年1月には、企業向けの金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」の提供を開始し、ビジネスモデルを拡大しました。

このように、「Moneytree」は創業時から、個人と企業の両方に価値を提供する金融データプラットフォームの構築を目指し、その目標を実現するために段階的にサービスを展開してきました。

フィンテック市場の成長とビジネスチャンス

(出典:https://www.bcg.com/ja-jp/press/22may2023-fintech-1-5-trillion-industry-by-2030

BCCのレポートによると、フィンテック関連の市場規模は、2021年の2,450億ドルから、2030年までに1兆5,000億ドルへと6倍に成長すると予測されています。この急速な成長は、フィンテックが金融サービス産業全体に及ぼす影響の大きさを示しています。

現在、世界の金融サービス産業(銀行・保険)の収益規模は12兆5,000億ドルに達しており、そのうちフィンテック関連の収益は2%程度を占めています。しかし、この割合は最大7%まで拡大すると推定されています。

特に注目すべきは、銀行向けフィンテック関連の企業価値が2030年までに、世界の全銀行の企業価値総額の約25%を占めると予想されている点です。この予測は、フィンテックが銀行業界に与える影響の大きさを物語っています。銀行業界がデジタル化を進める中で、フィンテック企業の技術とサービスはますます重要な役割を果たすことになります。

このような市場の成長と変化は、マネーツリー株式会社のようなフィンテック企業にとって大きなビジネスチャンスを意味します。特に、銀行や金融機関との連携を強化することで、マネーツリーは市場での地位をさらに確立していくでしょう。

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資金調達:累計資金調達額は約47億円

マネーツリー株式会社は、設立以来、複数回の資金調達を行ってきました。

特に2020年4月のシリーズC2ラウンドでは、フィデリティ・インターナショナルをはじめとする複数の機関投資家から26億円を調達し、累計資金調達額は約47億円に達しました。

これにより、同社は金融データエコシステムの構築と金融DXの推進に向けた取り組みを一層強化することが期待されています。

会社概要

社名:マネーツリー株式会社(英文社名:Moneytree KK)

所在地:〒106-0031 東京都港区西麻布3-13-3 カスタリア広尾2階

代表取締役 ポール チャップマン

設立日:2012年4月23日

資本金:1億円(2022年3月末時点)

事業内容:資産管理サービス「Moneytree」および金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」の開発・運営

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