newmo株式会社は、主にタクシーとライドシェアサービスの運営を行っている、2024年1月に設立されたスタートアップです。
同社は、設立から10ヶ月足らずで200億円近く(創業以来の累計資金調達額は約187億円)に成功しています。
本記事では、投資家も大注目のnewmo株式会社について、詳細に記載しています。
事業内容:タクシー×ライドシェア
newmo株式会社は、”利用者視点に立ったサステナブルな地域交通”の実現を目指し、2024年1月に設立されたスタートアップです。主にタクシーとライドシェアサービスの運営を行っています。
同社の特徴は、「移動で地域をカラフルに」というミッションのもと、地域の潜在力を引き出すことを目指している点です。具体的には以下の3つの目標を掲げています
- 日常の移動をより楽しく、便利に、安全にすること
- 多様なモビリティ手段の提供を通じて、地域の観光や産業を豊かにすること
- テクノロジーを活用し、多くの人が安全に、柔軟に働ける環境を提供すること
同社はタクシー・ライドシェア事業を通じ、日本各地の移動に関する以下のような課題を解決していくことを目指しています。日本国内では人手不足・高齢化を背景に、バス路線の廃止やタクシー運転手の減少しています。このように地域交通の担い手が減少し、住民や観光客が移動の足不足に直面する「移動難民」問題が深刻化しています。
2024年3月には大阪にてタクシー事業を展開する株式会社岸交、7月には同じく大阪にてタクシー事業を展開する株式会社未来都(みらいと)の経営権を取得し、現在までにnewmo株式会社の保有タクシー車両数は646台で大阪府内のタクシー事業者では5位の規模となっています。
同社は、2025年度中に
「1) 全国主要地域での展開、2) タクシー車両数3,000台、3) ドライバー数1万人」を目指しています
調達した資金を通じ、タクシー事業者への資本参画、ライドシェア事業の立ち上げ、プロダクト開発(運行管理システム、ドライバー向け/利用者向けアプリ)等を加速させていく方針です。
ライドシェアの特徴
newmo株式会社の主力サービスは、ライドシェアです。このサービスは、従来のタクシーとは異なり、一般のドライバーが自家用車を使って有償で他人を送迎するシステムです。
利用者にとっての特徴は以下の通りです。
- スマートフォンのアプリを使って簡単に車を呼び出せる
- 予約や支払いがアプリ上で完結する
- 従来の交通機関では対応しきれない地域や時間帯でも利用できる
ドライバーにとっての特徴は以下の通りです。
- 好きな時間に働くことができる
- 特別な運転免許は不要で、普通自動車免許があれば参加できる
- 初心者でも安心して始められるよう、研修やサポートが充実している
同社は、このライドシェアサービスを通じて、地域の交通問題の解決や、新たな雇用の創出を目指しています。
新たにFintech事業を開始
newmo株式会社は、FinTech関連の新事業として、子会社「株式会社ライドシェアリース」を設立し、今秋にドライバー向けのカーリース事業を開始することを発表しました。
この新事業は、ライドシェアドライバーとして働きたいが、車を持っていない人や車両のリースを希望する人に向けて提供されます。サービスの特徴は以下の通りです。
- 初期費用0円でライドシェアドライバーに
車両購入に必要な頭金や保険代が不要で、初期費用0円でライドシェアドライバーとして働くことが可能。 - 車検・保険・税金・整備費用込みの定額月額プラン
車両代に加え、車検、保険、税金、整備費用(オイル交換など)が含まれる定額プランを提供。 - 多様な車種から選択可能
ドライバーのライドシェアスタイルや好みに応じて、軽自動車を除く様々な車種から選択が可能。
このサービスは、まず大阪エリアで提供され、ドライバーへの案内が順次開始されます。
会社沿革
2024年設立のnewmo株式会社は設立からまだ日が浅い企業ですが、短期間で急速な成長を遂げています。以下に主要な出来事をまとめます。
- 2024年1月:newmo株式会社設立
- 2024年2月:シードラウンドで約15億円の資金調達を実施。メルカリをはじめ、国内大手VC12社が資本参加
- 2024年3月:大手損害保険3社と業務提携契約を締結。大阪市域交通圏にてタクシー事業を展開する「岸交」に資本参加。
- 2024年5月:シードラウンド2ndクローズで3億円を調達
- 2024年7月:シリーズA 1stクローズで100億円超の資金調達を実施。大阪の老舗タクシー会社「未来都」の経営権を取得
- 2024年10月:シリーズAの追加ラウンドで約63億円の資金調達。名古屋に「newmo東海株式会社」、沖縄に「newmo沖縄株式会社」を新設
これらの出来事から、newmo株式会社が急速に事業を拡大していることがわかります。
資金調達:設立から1年足らずで、100億円以上の資金調達に成功
newmo株式会社は、設立から1年足らずで100億円以上の資金調達に成功させています。主な資金調達の実績は以下の通りです。
- 2024年2月:シードラウンドで約15億円の資金調達。メルカリをはじめ、国内大手VC12社が資本参加
- 2024年5月:シードラウンド2ndクローズで3億円を調達
- 2024年7月:シリーズA 1stクローズで100億円超の資金調達
- 2024年10月:シリーズAの追加ラウンドで約63億円の資金調達
短期間でこれだけの資金を調達できたことは、同社の事業モデルや成長性に対する投資家の高い期待を示しています。
この豊富な資金を活用し、同社は事業の急速な拡大や、サービスの品質向上、新技術の開発などを進めていくと公表しています。
newmoでは2025年度中に、「1) 全国主要地域での展開、2) タクシー車両数3,000台、3) ドライバー数1万人」を目指しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000137033.html
今回調達した資金を通じ、タクシー事業者への資本参画、ライドシェア事業の立ち上げ、プロダクト開発(運行管理システム、ドライバー向け/利用者向けアプリ)等を加速させてまいります。
市場規模:Uberとのシェア競争か
newmo株式会社が参入しているライドシェア市場は、世界的に急速に成長している分野です。日本では2024年4月から、一般のドライバーが自家用車を使って有償で他人を送迎する「日本型ライドシェア」が開始されています。
現在の世界のライドシェアリングの市場規模は、2024年に1177億米ドル、2032年までに4360億米ドルに達する見込みにあります。2023年から2032年にかけて17.3%のCAGRで成長すると予想されており、4倍近くの成長が期待されている分野です。
ライドシェア市場の成長を支える主要な要因として、以下の要因が考えられます。
- 便利で費用対効果の高い交通ソリューションへの需要増加:ライドシェアは、個人所有の車や公共交通機関と比較して、費用効果が高く便利な選択肢となっています。
- モバイルアプリの普及:スマートフォンの普及に伴い、ライドシェアサービスへのアクセスが容易になり、ユーザーの利便性が向上しました。
- 都市化の進展と交通渋滞の増加:都市化が進む中、交通渋滞の増加がライドシェアの需要を押し上げています。
- 持続可能な交通手段への嗜好の高まり:環境意識の高まりとともに、持続可能な交通手段としてライドシェアが注目されています。
世界のライドシェア市場には、ウーバー(Uber)、リフト(Lyft)、ディディ・チューシン(DiDi Chuxing)などの大手企業が参入しています。これらの主要企業とのシェア競争にいかにして勝っていくのかが、newmo株式会社の大きな課題といえます。
日本でのライドシェア市場はまだ黎明期ですが、人口減少や高齢化、地方の交通問題など、日本特有の課題解決の手段として期待されています。newmo株式会社は、この成長市場で先駆的な役割を果たすことを目指しています。
会社概要
会社名:newmo株式会社
設立 :2024年1月4日
所在地 :東京都港区虎ノ門5丁目9番1号 麻布台ヒルズガーデンプラザB 4階
代表取締役CEO :青柳直樹
事業概要:タクシー・ライドシェアサービスの運営
WEBサイト:https://newmo.me/