【ティアフォー】世界初の自動運転のオープンソースソフトウェア

TIER IV Refined Brand Guidelines. どのようにティアフォーのコミュニケーションの在り方を再構築したのか | by  TIER IV | TIER IV MEDIA | Medium

ティアフォーは、世界初の自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」を開発し、自動運転技術の普及を目指すスタートアップです。自動運転技術の「民主化」をビジョンに掲げ、名古屋を拠点にグローバルな展開を進めています。

この記事では、ティアフォーの事業内容や提供するサービス、創業の経緯について詳しく解説します。

事業内容:自動運転のオープンソース化

GitHub - autowarefoundation/autoware: Autoware - the world's leading  open-source software project for autonomous driving
(出典:https://tier4.jp/

ティアフォーの事業内容は、自動運転関連のソフトウェア開発とサービス提供です。

具体的には、オープンソースの自動運転OS「Autoware」の開発をリードしています

このソフトウェアは、様々な組織や個人が利用できるように設計されており、ティアフォーはこの技術を通じて「自動運転の民主化」を目指すそうです。同社は自動運転技術を広く普及させるために、オープンソースを活用し、世界中の開発者や企業と共同で開発を進めています。

ティアフォーを代表する3つの主なサービス

(出典:https://tier4.jp/products/

ティアフォーが提供する主なサービスには、以下の3つのプラットフォームがあります。

  1. Pilot.Auto:自動運転システムを構築するための設計図を提供
  2. Web.Auto:設計上必要になったコンポーネントを管理
  3. Edge.Auto:システム構築に役立つソフトウェアの情報などを提供

それぞれについて、詳しく説明していきます。

【Pilot.Auto】自動運転システムを構築するための設計図を提供

バス自動運転化などの「起点」に!ティアフォーが新サービス | 自動運転ラボ
(出典:https://pilot.auto/ja/

Pilot.Autoは、オープンソースのAutowareを基にした自動運転ソフトウェアプラットフォームです。自動運転システムを構築するための*リファレンスデザインを提供してくれるので、ユーザーは思い通りの自動運転システムを迅速に実現できます。

*リファレンスデザイン:「参照設計図」の意。システムの運用イメージ・要件定義などで構成された、ユーザーの開発を効率化するための設計図。

Pilot.Autoは配送ロボットや貨物輸送、シャトルバス、ロボタクシー、個人用車両など、さまざまなモビリティに対応することが可能です。また特定のハードウェアとの統合・カスタマイズが可能で、ユーザーのニーズ・運用環境に合わせたシステム構築を可能にします。

【Web.Auto】設計上必要になったコンポーネントを開発・管理

Web.Auto
(出典:https://web.auto/ja/

Web.Autoは、Pilot.Autoを用いた自動運転システムの開発・運用を効率化する、DevOpsソフトウェアプラットフォームです。Pilot.Autoを用いてシステムを構築する中で、必要になったコンポーネント(OS・センサーなど)の設計を手助けしてくれます。

このプラットフォームを利用すると、開発と運用のワークフローを統合できるので、コスト削減と市場投入までの時間短縮を実現できます。Web.Autoは、クラウドネイティブなDevOpsプラクティスをサポートしており、異なる環境での自動運転システムの効率的な管理を可能にしています。

【Edge.Auto】システム構築に役立つソフトウェアの情報などを提供

ティアフォー、新製品となるリファレンスプラットフォーム「Edge.Auto」の提供を開始 自動運転システムの開発を容易に | 株式会社ティアフォー のプレスリリース
(出典:https://edge.auto/

Edge.Autoは、車載カメラやLiDARといったセンサ群や、ECUなどのハードウェア、それらを動作させるソフトウェア群を統合し、リファレンスキットとして提供するプラットフォームです。

システム構築の参考になる情報を提供してくれるので、自動運転システムの開発コスト・時間を最小限に抑えることができます。

創業の経緯:名大から東大への移籍が、起業のターニングポイント

オープンソース「歴史上必ず勝る」…自動運転OSの第一人者・加藤氏 日産 ...
(出典:https://jidounten-lab.com/z_autoware-interview-opensource

ティアフォーの創業者である加藤真平氏は、学生時代からコンピュータサイエンスに取り組み、アメリカのカーネギーメロン大学とカリフォルニア大学サンタクルーズ校で研究を行っていました。帰国後、日本でも自動運転技術の研究開発が盛んになる中、名古屋大学での研究に勤しんでいました。

加藤氏は大学教員として研究に励む中、成果を世界に発信・普及させるには、ベンチャー企業としてビジネスに取り組む必要があると考えるように。そして、名古屋大学から東京大学への移籍が、起業のターニングポイントとなりました。

名古屋大学では、自動運転研究に優れた環境が整っており、自動車産業が盛んな地域での支援も手厚かったといいます。しかし、東京大学への移籍後も名古屋大学との連携を続けるためには、名古屋に拠点を持つベンチャー企業を設立することが必要だと考え、ティアフォーを2015年に創業しました。

このようにして、ティアフォーは、自動運転技術の研究成果を実用化し、広く普及させることを目指して誕生したのです。

(出典:https://www.docswell.com/s/TIER_IV/56YJP4-2023-07-12-094733/5

資金調達:累計資金調達額381億円を達成

ティアフォー、シリーズB追加ラウンドで85億円の資金調達 自動運転レベル4対応の車両開発と安全性評価を加速へ | TIER IV, Inc.
(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000040119.html

ティアフォーは、これまでに多額の資金を調達し、自動運転技術の商用化を進めています。

以下が主な資金調達の概要です。

<シリーズAで113億円を調達(2019年)>

2019年、ティアフォーはシリーズAラウンドで113億円の調達に成功し、累計175億円の資金調達となりました。

主な出資元:

  • 損害保険ジャパン日本興亜株式会社、
  • ヤマハ発動機株式会社
  • KDDI株式会社
  • ジャフコ

目的:優秀な人材の確保と財務基盤の強化に充てられ、自動運転システムの本格的な商用化。

<シリーズBで85億円を追加調達(2024年)>

2024年、シリーズBのラウンドで85億円の資金調達を実施しました。これにより、シリーズB全体での調達額は207億円となり、創業以来の累計資金調達額は381億円に達しました。

主な出資元:

  • 日本グロースキャピタル投資法人
  • ジャフコ
  • みずほキャピタル
  • エースタート

また、ティアフォーは三菱UFJ銀行との融資枠を30億円に拡大し、事業拡大に伴う資金ニーズに対応しています。この融資枠は、2024年1月に締結された10億円の当座貸越契約を拡大したものです。

これらの資金調達により、ティアフォーは自動運転技術の商用化と普及に向けた取り組みを加速させています。

会社概要

  • 会社名: 株式会社ティアフォー (TIER IV)
  • 設立年: 2015年12月
  • 創業者: 加藤真平
  • 本社所在地: 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-3 JRゲートタワー27階
  • URL: https://tier4.jp/

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