【IVRy】AIによる電話自動応答で業務を効率化

引用:https://www.youtube.com/watch?v=jf-AUmmSFZI

総務省によると、1995年から日本の生産年齢人口(15~64歳)は減少し続けており、2050年には5275万人(2021年から29.2%減)を記録すると予測しています。日本全国で「人手不足」問題が深刻化しており、少子高齢化の対策はもちろん、業務を効率化するサービスの開発も欠かせません。

今回紹介する株式会社IVRy(以下、IVRy)は、AIによって電話応答を効率化するSaaSを提供しています。お客さんからの問い合わせに対してAIが自動応答してくれるため、労働力を削減することが可能です。

この記事では、2024年5月にシリーズCラウンドにて資金調達を達成するなど、注目を集めるIVRy(アイブリー)について紹介していきます。

事業内容:AIを活用した電話自動応答サービス「IVRy」の提供

引用:https://ivry.jp/

IVRyの事業内容は、AIを活用した電話自動応答サービス「IVRy」の提供です。お客さんからの問い合わせにAIが自動応答するため、現場の業務を止める必要がなくなり、業務効率化や人手不足解消など、企業が抱える多くの課題解決につながります。

IVRyの機能は多岐に渡り、たとえば電話応答の分岐を自由に設定することが可能です。他にもSMS返信や電話転送、アプリ転送、多言語対応など、フロントオフィスの業務を支える機能を幅広く利用できます。また「月額3480円〜で利用できるうえに24時間365日対応可能」という、コストパフォーマンスの高さもIVRyの魅力です。

現在47都道府県の80業界以上で、累計15,000以上のアカウントを発行しており、着電数2,000万件を突破するなど、*T2D3を上回るペースで事業成長を果たしています。

*T2D3:クラウド領域で著名なNeeraj Agrawal氏が提唱した、SaaSの理想的な成長モデル。経常収益をを毎年3倍、3倍、2倍、2倍、2倍のペースで成長させていくのが理想。

AIによる電話予約自動化の実証実験を開始

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000056805.html

IVRyは2023年11月からリクルートと共同で、AIによる電話予約自動化の実証実験を開始しました。

飲食業界は「人手不足」が深刻化する一方で、原材料の高騰や円安の影響により各種コストが上昇しており、少ない人手でのサービス品質維持が難しくなっています。そこで飲食店の予約や空席状況、顧客情報を一元管理することができる予約台帳アプリ「レストランボード」と共同開発することで、飲食業界の課題に取り組むそう。

今回の取り組みが成功すると、24時間いつでも電話から飲食店を予約できるうえ、予約台帳アプリと連携し、即時予約を確定することが可能です。忙しい時間帯や営業時間外の電話対応業務を削減し、予約の取りこぼしも防げるので、売上増加が見込めるとCEOの奥西氏は語ります。

またAI技術を活用した自然な発話での会話対応も実現できるそう。たとえば、日付や時間、人数などを入力するのではなく、「明日の19時に2人で」と電話するだけで予約が完了します。

飲食店の業務効率化に取り組むIVRyの、今後の機能拡充には目が離せません。

資金調達:シリーズCラウンドにて30億円を獲得

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000056805.html

IVRyは2024年5月にシリーズCラウンドにて30億円を獲得し、累計資金調達額49.5億円を記録しています。今回の資金調達は第三者割当増資によるもので、ALL STAR SAAS FUND、フェムトグロース・スリー投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル、BRICKS FUND TOKYO、Boost Capitalが参加しました。

今回調達した資金は次の3つに活用していくそう。

<シリーズCラウンドの目的>
・「音声コンパウンドAIシステム基盤」を実現するための、AI技術を中心としたR&D人材の採用
・ビジネスや組織体制の強化に向けた人材採用
・利用事業者の拡大を図るためのマーケ&セールス費用

市場規模:コンタクトセンターソリューションは約5000億円規模

引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3386

矢野経済研究所によると、2022年度の国内コンタクトセンターソリューション市場規模は、前年度比3.5%増の4,859億円だったそう。なおコンタクトセンターとは、電話やメール、FAX、Webサイトなど、さまざまな連絡手段を通じて顧客や消費者からの問い合わせに対応する組織のことを指します。

また矢野経済研究所は、国内コンタクトセンターソリューション市場が2023年度以降に関しても着実に伸長していくと予測しています。クラウド型コンタクトセンター比率の高まりは単価低下を招く一方で、これまで利用の少なかった中小企業などで普及が期待されるからです。

今後顧客体験を重視する企業が増加し、顧客の生の声を拾うことができる拠点として、コールセンター/コンタクトセンターの認知が拡がれば、さらなる市場拡大が期待できると、同社は語っています。

企業概要

  • 企業名:株式会社IVRy
  • 代表者:奥西 亮賀(CEO)
  • 設立:2019年3月
  • 所在地:東京都港区三田三丁目5-19 住友不動産東京三田ガーデンタワー29F
  • 公式HP:https://ivry.jp/company/

まとめ

本記事では、クラウド型電話自動応答(IVR)サービス「IVRy」を運営する、株式会社IVRyについて紹介しました。

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