【Peregrine Technologies】警察のあらゆるデータを管理!検索・分析機能を活かして犯罪を撲滅

引用:https://www.peregrine.io/customer-stories/a-21-reduction-in-violent-crime

NORC(National Opinion Research Center、シカゴ大学の調査期間)によると、2024年上半期のアメリカの犯罪件数は、前年に比べて全体的に減少しています。特に殺人事件、強盗、車両盗難といった重大な犯罪が大幅に減少したそうです。たとえば、殺人事件は前年同期比で22.3%減少し、強盗は約13.9%の減少を記録しています。

しかし、全ての犯罪が減少したわけではなく、都市ごとにばらつきがあり、一部の都市では軽微な犯罪や暴力事件が依然として問題です。特に、簡易暴行や性的暴行はほとんど変化がなく、一部の地域では増加傾向も見られます。人々の安全な生活を実現するために、今後も犯罪対策に取り組んでいく必要があるでしょう。

今回紹介するPeregrine Technologies(ペレグリン・テクノロジー)は、アメリカの犯罪対策に革命を起こしている企業です。同社は警察のあらゆる情報を統合管理するソフトウェアを開発しており、警官の円滑な犯罪捜査を可能にしています。

Forbes Next Billion-Dollar Startups 2024」に名を連ねる、大注目のPeregrine Technologies(以下、Peregrine)について、その事業内容や資金調達をご紹介。

事業内容:警察の全データを管理するソフトウェアを開発

引用:https://www.peregrine.io/

Peregrineの事業内容は、警察が保有するあらゆる情報を統合管理するデータベースプラットフォームの開発です。同社のソフトウェアは警察の古いシステム内に散在していた捜査データをうまく整理し、Webブラウザから簡単に検索・分析できるようにします。さながら「犯罪捜査のための検索エンジン」といえるでしょう。

たとえばスマホから個人の名前や住所を入力すると、裁判記録や逮捕報告書、警察の調書、ボディカムの映像記録などをその場で迅速に確認することが可能です。また携帯電話の位置情報・ナンバープレートのデータなどを、警察の捜査記録や監視カメラの映像と結びつけられるので、容疑者を簡単に見つけることができます。

Peregrineの分析機能:人や場所、犯罪歴などをまとめたネットワークを自動生成する様子

導入コストが低いため多くの警察が利用中

引用:https://www.peregrine.io/customer-stories/seconds-save-lives-the-amarillo-police-department-s-real-time-revolution

現在までにPeregrineは、アトランタ・ロサンゼルスなど、アメリカの警察や公共安全機関と57もの契約を締結しています。同社の収益は2023年に300万ドルから1000万ドルに増加しており、CEOであるNick Noone(ニック・ヌーン)氏は、2024年中にその3倍の3000万ドル(約43億円)に達すると予想しているそう。

Peregrineがここまで支持を集める理由は、その高い機能性はもちろんのこと、導入コストの低さにあります。資金が限られている地方警察では、多くの場合、「リアルタイム犯罪センター(RTCC)」と呼ばれるハイテク監視システムを導入することが難しい状況にあります。しかし、クラウドサービスであるPeregrineは非常に安価であるため、より小規模な機関でもRTCCを導入することが可能です。

実際にNick Noone(ニック・ヌーン)氏は、Peregrineの顧客の平均契約額は年間約28万ドル程度であり、「私たちは顧客に多額の費用を支払ってもらうことを望んでいません」と述べています。

人々のプライバシーを侵害する可能性に懸念

引用:https://www.eff.org/ja/deeplinks/2020/11/eff-publishes-new-research-real-time-crime-centers-us

Peregrineの取り組みは犯罪撲滅に役立つ一方で、「こうした安価なRTCCが警察に濫用されるのでは」と懸念が高まっています。

「ここ最近、さまざまな規模の警察署がリアルタイムの監視技術にアクセスしやすくなっていることは明らかだ」と、電子フロンティア財団(EFF)の上級調査研究者のベリル・リプトンは述べています。「Peregrineのような企業は、基本的に人々のプライバシーを損なう要素の上に成り立っている」と彼女は指摘しました。

一方、こうした懸念を和らげるためにPeregrineは、米国プライバシー・市民的自由監視委員会の元委員長であるアダム・クラインを顧問として迎え入れています。FBI・CIAの取り組みを監視した彼の経験を活かし、プライバシーと市民的自由に配慮したオペレーションの在り方を、Peregrineのスタッフに指導しているそう。Peregrineの今後の成長に期待です。

資金調達:2024年5月に3000万ドルを獲得

引用:https://www.peregrine.io/newsroom/peregrine-in-the-news-peregrine-announces-30m-series-b

Peregrineは2024年5月に、シリーズBラウンドとして3000万ドルを資金調達しました。この際に同社の評価額が3億6000万ドルに達し、ForbesのNext Billion-Dollar Startups 2024に名を連ねました。

企業概要

  • 企業名:Peregrine Technologies
  • 代表者:CEO Nick Noone
  • 設立:2018年
  • 所在地: US 94105 California San Francisco 71 Stevenson St
  • 公式HP:https://www.peregrine.io/

まとめ

本記事では、警察が保有するあらゆる情報を統合管理するデータベースプラットフォームを開発する、Peregrine Technologiesについて紹介しました。

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