最終更新日 24/09/13
国内スタートアップ

【株式会社クリーンエナジーコネクト】気候変動問題に立ち向かう

サステナブル
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今回紹介するのは、株式会社クリーンエナジーコネクト(以下、クリーンエナジーコネクト)。同社は企業に環境価値と電力を提供するNon-FIT太陽光発電事業と、再生可能エネルギーに関するコンサルティング事業を行っています。

VCや銀行から400億円以上の資金を調達しており、その将来性が高く評価されている注目の企業です。本記事ではクリーンエナジーコネクトの沿革や事業内容、市場規模などについて紹介します。

企業沿革:先進的なサービスで大企業や政府から信頼を獲得

クリーンエナジーコネクトは、内田 鉄平氏によって、2020年4月に創業されました。同社は「環境価値を主張できない」というFIT法の弱みを克服した、Non-FIT太陽光発電による新たなソリューションを考案。

RE100*を目指す企業に向けて、電力・環境価値の提供を行い、政府や大企業から信頼を獲得しました。実際に経済産業省から新エネ大賞を受賞したり、Amazonや第一生命保険などの大企業と契約を結んだりと実績を積み上げています。

また最近Non-FIT太陽光発電所数が1,000箇所を突破しており、事業拡大のために今後も増設される見込みです。

*RE100:「Renewable Energy 100%」の略。
事業活動で消費するエネルギーを、100%再生可能エネルギーで調達する取り組みです。

事業内容:環境価値を高めるグリーン電力ソリューション

(引用:クリーンエナジーコネクトと自己託送用太陽光発電所開発に係る契約を締結~環境先進企業向け太陽光電力の自己託送サポートサービスを提供~|PR Times)

クリーンエナジーコネクトの主な事業は、グリーン電力ソリューション事業。具体的には環境価値と電力を提供するNon-FIT太陽光発電事業と、再生可能エネルギーに関するコンサルティング事業の2つを提供しています。

再生可能エネルギーに関するノウハウや設備を提供することで、企業の環境価値向上に寄与している点が同社の大きな特徴です。

Non-FIT太陽光発電事業のスキーム

Non-FIT太陽光発電事業では、需要家である企業と契約を結び、電力や環境価値を提供しています。

本事業の最大の特徴は、生み出した電力を市場価格で販売している点。電力を固定価格で買い取ってもらうFIT法*に依拠しないため、取引企業は環境価値を主張することができます。

加えて自前で土地や設備を用意する必要がないため、脱炭素運動に低コストで参入することが可能です。そのため、グリーン電力事業に強い関心を持つ国内エンタープライズ企業が、本サービスを多く導入しています。

*FIT法とは「一定額で電気を買い取るよう電力会社に義務づける制度」

FIT法とは「太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を、国が決めた価格で買い取るよう、電力会社に義務づける制度」です。この制度のおかげで、日本全体で再生可能エネルギーの導入が進みました。

しかし、同時にFIT法による問題も生じるようになります。それが「企業が環境価値を主張できない」という大きな問題です。

電力を一定額で買い取る必要がある電力会社は、次第にその費用の一部を「再エネ賦課金」として一般家庭に課すように。その結果、FIT法に依拠して生み出した電気では、費用を負担する一般家庭に環境価値が付与され、企業は環境に配慮していると主張できなくなりました。

再生可能エネルギーに関するコンサルティング事業

再生可能エネルギーに関するコンサルティング事業では、環境価値向上を目指す企業に向けて、導入支援などのアドバイザリーを行っています。

企業の方針等を踏まえて最適な手段を提案してくれるので、再生可能エネルギーに馴染みがない企業でも気軽に参入することが可能です。

資金調達:グリーンプロジェクトボンド等で109億円を調達

引用:https://cleanenergyconnect.jp/1349/

クリーンエナジーコネクトは2024年9月に、オフサイトコーポレートPPAのプロジェクトにおける約800箇所、約72MW-DCのNon-FIT低圧太陽光発電所の開発のため、グリーンプロジェクトボンドとメザニンローンにより109億円を調達したと発表しました。これにより累計資金調達額は518億円になったそうです。

今までの資金調達について

クリーンエナジーコネクトは銀行やVCから資金調達を行なっており、2024年9月以前での累計資金調達額は400億円にものぼります。主な使用用途は、新しいNon-FIT太陽光発電所の建設やその研究開発にかかる費用です。

今後もRE100という目標達成のために、全国でNon-FIT太陽光発電所の増設が期待されます。

市場規模:グリーン電力市場は2040年に約5兆円まで成長

引用:https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=24011&la=ja

株式会社富士経済によると、2040年度のグリーンエネルギー市場は、電力・ガス・LPGの販売額の18.6%を占める5兆1,634億円にのぼるそう。

「2050年カーボンニュートラル宣言」をはじめ、省エネ法の改正など政策動向やGXリーグの構想によって、環境意識が向上しています。そのため大手企業やグローバル企業を中心に、2050年度のカーボンニュートラル達成に向けた脱炭素化への取り組みが増加すると見られ、今後は大幅な伸びが予想されるとのこと。

将来展望:最先端のグリーン電力ソリューションで気候変動問題を解決

クリーンエナジーコネクトは、将来展望として、最先端のグリーン電力ソリューションによる気候変動問題の解決を考えています。その達成に向けて、Non-FIT太陽光発電所の増設に加えて、蓄電池や風力発電との組み合わせによる新たなサービスの提供を進行中です。

既存の太陽光発電事業に固執せず、最先端のグリーン電力ソリューションを追求し続ける同社には目が離せません。

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