今回紹介する株式会社RABO(以下、RABO)は、「世界中の猫と飼い主が、1秒でも長く一緒にいられるように猫の生活をテクノロジーで見守る。」をミッションに掲げ、事業を展開している企業です。
本記事では、その事業内容や、資金調達について詳しく紹介していきます。
事業内容:猫の体調を管理できるデバイス「Catlog_Series」
RABOは、猫のあらゆる情報を把握し、見守るためのサービス「Catlog_Series」を展開しています。具体的な内容は次の通りです。
- ニーズに応じて使い分けできる2つのデバイス
- アプリで猫の情報を簡単に把握
- 愛猫のコンディションが3秒でわかる『スコア表示』
- Catlog_Seriesの料金
ニーズに応じて使い分けできる2つのデバイス
Catlogには、2つのデバイスがあります。
1つめはCatlog_首輪型ヘルスモニターです。
こちらは猫の首につけることで、愛猫の行動を自動記録し健康状態を把握できる商品となっています。
具体的には、猫専用AIが、食事、水飲み、運動、歩行、毛づくろい、睡眠、嘔吐を識別します。また、正確な行動ログを24時間365日、常に記録するため、外出先からほぼリアルタイムの行動を確認することも可能です。さらに、普段より大きめの行動変化や「元気がない」状態、嘔吐の発生を検知し、通知してくれます。
さらに、カロリーバランスの計測も可能です。 食事量を登録することで、愛猫ごとの食事 / 消費のバランスを把握し、変化する消費量のバランスを毎日モニタリングによって健全な食事量をコントロールすることができます。
首輪の着け心地にもこだわっており、重さはわずか9g、10円玉二枚分の軽さです。さらに厳しい静音試験を通過した無音部品のみを使用しており、敏感な聴覚を持つ猫でも限りなくストレスが低くなるように設計されています。
また、万が一首輪が引っかかってしまった時のために、シュシュ型はやわらかく大きく伸びて抜けやすく、通常ベルト型は一定以上の加重で勝手に外れるセーフティバックルを採用しています。
専用ベルトは、誰でも簡単に交換いただけます。写真のように色や種類もたくさんあるため、、猫と一緒におしゃれを楽しむことが可能です。
うちの猫に合うのか、またどのサイズがいいのか、とお悩みの方のために練習用の首輪もあります。詳しくはこちらをチェックしてみてください。
2つ目は、Catlog_Boardトイレマット型ヘルスモニターです。
これは猫のトイレの下に置くことで体重・排泄管理ができる商品となっています。専用のものではなく、普段つかっているトイレの下に置くだけで利用が可能です。
具体的には、トイレの下に設置した状態で猫がトイレをすると、体重や排せつの回数、量を自動で記録してくれます。
体重やトイレの時の癖から個人を判断するため、多頭飼いでももちろんご利用いただけます。またそのため、首輪がなくても利用することができます。
アプリで猫の情報を簡単に把握
先ほどの首輪やBoardを設置したら、アプリで外出先から猫の様子を把握することができます。タイムラグは2分ほどなのでほぼリアルタイムで何をしているのかがわかります。溜まったデータはたくさんの種類で確認でき、頻繫に通知されるため、振り返るとどのような一日を送ったのかを知ることも可能です。
また、各データの水位も確認でき、週、月、年での表示はもちろんほかの猫との比較もできます。
愛猫のコンディションが3秒でわかる『スコア表示』
Catlogには猫の日々のコンディションを「スコア」で表示する機能があります。アプリを開いて3秒で、Catlog独自のデータ解析によって猫の元気を数字で表した「元気スコア」、体重変動やトイレの回数の変動が一目でわかる「体重トレンド」や「トイレ入室トレンド」などの猫のコンディションが確認でき、1日の過ごし方の参考にすることができます。もし異常値を示した場合にはすぐプッシュ通知を打つようになっているため、健康管理の指標としても利用可能です。
不調を隠すという風に言われている猫ですが、人間の目で見て元気がない状態だと既に手遅れなケースもあるため、素早く猫の体調の変化に気づけるCatlogをぜひ利用してみてください。
データを振り返るサービスや新機能
Catlogは今年2024年に5周年を迎え、11月5日に「データで振り返る5周年」を発表しました。5年の中で集まった160億件のデータ(2024年10月時点)の中から何億時間分寝たのかなどの、猫にまつわるユニークなデータを公開しています。
また同日に、地震からはじまった2024年にRABOだからできる取り組みの一環として、『Catlog』を着けた猫が迷子になってしまった場合、半径約10m範囲の位置情報を地図で表示する「迷い猫モード」を新機能としてリリースすることを知らせました。
さらに12月18日に、猫の安静時の呼吸数の変化から、ストレスや体調不良(発熱、痛み、貧血、呼吸器や循環器の問題)など、普段気づきにくい不調に気付くきっかけとなる「安静時呼吸数」の機能をアップデートしたことを知らせました。
Catlog_Seriesの料金
- Catlog_首輪型ヘルスモニター:¥13,640~
- Catlog_Boardトイレマット型ヘルスモニター:¥19,800~
- メンバーシップ:1猫様あたり¥780~/ 月(6猫様目以降のご加入は ¥0 / 月)
初期費用を大幅に節約できる猫割もあるため、気になった方はぜひこちらをチェックしてみてください。
資金調達:2024年11月にCVCファンドから資金調達を実施
2024年11月27日、RABOは、キヤノンマーケティングジャパンのCVCファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」から資金調達を受けたと発表しました。なお、本資金調達の具体的な調達金額は明らかにされていません。
この取り組みは、猫と飼い主にとっての幸福な日々をサポートすることを目的としており、RABOは今後も新たな技術を通じて、ペットと飼い主の関係性をより良いものにしていくことを目指しています。なお、RABOは2022年4月6日にシリーズBで約13.2億円を調達し、累計資金調達額は21.7億円を記録していました。今回の資金調達で新たなプロジェクトが進展することで、猫の生活をより豊かにすることが期待されています。
代表者プロフィール:伊豫 愉芸子(いよゆきこ)
東京海洋大学大学院博士前期課程修了。東京大学大気海洋研究所 佐藤克文教授のもと、ペンギンやオオミズナギドリに小型センサーをつけ行動生態を調査するバイオロギング研究に従事。
大学院修了後、株式会社リクルートに新卒入社し、インターネットサービスの企画やプロダクトの設計、新規事業開発を担当。2018年2月22日の猫の日に、株式会社RABOを創業。
猫様と20年以上一緒におり、ショートヘアソマリ♂のブリ丸とベンガル♂のおでんと暮らしている。一般社団法人日本ペット技能検定協会認定キャットケアスペシャリスト/キャットシッター資格所有。
企業概要
- 企業名:株式会社RABO (RABO, Inc.)
- 代表者:伊豫 愉芸子
- 設立:2018年2月22日
- 所在地: 東京都渋谷区東3-9-19 VORT恵比寿maxim
- 公式HP:https://rabo.cat/?srsltid=AfmBOoqJ_Kab70HO3UjWBV5s_vmT3dCHKKmLjQWESy6GQHSc4jznuZT8
まとめ
本記事では、株式会社RABOについて紹介しました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
株式会社RABOのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。