最終更新日 24/07/05
国内スタートアップ

【ジェイファーマ株式会社】世界で初めてがん細胞を増殖させるLAT1を発見

Share this post
https://www.j-pharma.com/company/

ジェイファーマ株式会社は、抗がん剤や診断薬の開発に力を入れている会社です。なかでも、細胞内外へ物質輸送を担うトランスポーターを標的とした薬を研究しています。

また、同社は事業開発にも力を入れており、着実に資金調達も進んでいます。今後は海外進出も念頭に置いて、ますます新薬の開発に力をいれていくことでしょう。

【ジェイファーマ株式会社】世界で初めてがん細胞を増殖させるLAT1を発見

https://www.j-pharma.com/science/

ジェイファーマ株式会社は、構造が複雑で研究が進んでいなかったLAT1を世界で初めて発見しました。

LAT1を標的とする新薬を開発することで、すべての患者に有効で副作用の少ない抗がん剤の製造が可能になります。トランスポーターを標的とすれば、薬剤自体が細胞膜を通過せず、薬物濃度も血中濃度で調整できるからです。

がん細胞を増殖させるLAT1を世界で初めて発見

アミノ酸トランスポーターLAT1とは、がん細胞を爆発的に増殖させる一因となるトランスポーターです。LAT1を介したアミノ酸の取り込みを阻害すれば、がん細胞を細胞死に追い込むことができます。

LAT1は構造の難しさから最近ようやく研究が進んできた分子です。LAT1を世界で初めて発見したジェイファーマを筆頭に、LAT1を標的とした医薬品の研究はさらなる発展を遂げるでしょう。

LAT1のみを選択的に阻害するナンブランラトの研究

https://www.j-pharma.com/science/

ジェイファーマ株式会社がLAT1を標的として開発した物質が、ナンブランラト(開発コード:JPH203)です。ナンブランラトは、LAT1を介したアミノ酸の取り込みを阻害しつつ、正常細胞には影響をもたらしません。

よって、ナンブランラトは副作用の少ない薬や、有効な治療法のなかったがん患者にも効く薬の開発を促進させます。

沿革:安全にすべての患者に対応できる抗がん剤を

ジェイファーマ株式会社の創業者である遠藤氏は、LAT1の分子同定を1998年に世界で初めて成功させました。2005年に正式に株式会社として設立した後も、遠藤氏らを筆頭に新規のトランスポーターを13種類も発見しています。

LAT1を標的とする新薬開発において世界の最先端を走るジェイファーマは、2015年と2018年に構造の異なる2種類の新薬の臨床実験を始めました。

また、2018年に研究開発や販売戦略に特化した吉武氏が社長に就任したことで、同社の事業開発は一気に加速することになります。

ジェイファーマは日本でも最先端の技術を持ち、今まさに急成長中の株式会社です。今後は、国内だけでなく、米国をはじめとする海外へ進出していくでしょう。

資金調達:Eシリーズにて総額24億円を調達

https://www.j-pharma.com/news_list/889/

ジェイファーマ株式会社は、2023年にEシリーズにおいて総額24億円の資金調達を達成しました。調達した資金は、ナンブランラトをはじめとした新薬の開発、診断技術開発、治験薬製造に使われる予定です。

また、同社は2019年に日本・アジア・アフリカの数か国において、大原薬品工業株式会社とのライセンス契約を締結しました。

製薬企業で実施されているような緻密な事業性予測や予実管理にも着手し、今後もさらなる資金調達を目指しています。

市場規模:抗がん剤市場は大幅な拡大が見込まれる

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16661/

抗がん剤市場は、国内において2018年に1兆円を超え前年度から9.6%アップするなど、年々拡大が続いている市場です。また、国内以上に世界市場は拡大しており、抗がん剤の需要が高まっていることがわかります。

なかでも、ジェイファーマ株式会社はこれまでになかった抗がん剤を開発しているので、今後も市場価値は高まっていくでしょう。

将来展望:アカデミア発のベンチャーから世界へ

https://www.j-pharma.com/news_list/827/

ジェイファーマ株式会社は、今まさに飛躍のときを迎えています。遠藤氏と金井教授によるアカデミア研究から始まった同社も、米国を中心に世界への進出を考える段階になりました。

世界でもまだ研究の進んでいないLAT1を標的とした新薬をはじめ、今後もすべての患者に有効で安全な薬の開発に力をいれていくでしょう。

会社概要

タイトルとURLをコピーしました