株式会社Willbox(以下、Willbox)は「国際物流をより最適に、よりスマートに。」をミッションに、国際物流プラットフォームを開発・運営し、物流業界の構造改革に挑んでいます。
荷主様と物流事業者様が直接つながる新しい構造を構築することで、業界全体の連携、最適化に貢献している同社。実際に、物流費を平均15%も削減することに成功しています。
本記事では、物流に変革をもたらすWillboxについて、その事業内容や特徴、資金調達をくわしく紹介していきます。
【Willboxとは】
Willboxは「国際物流をより最適に、よりスマートに。」をミッションとし、荷主と物流事業者を直接つなぐマッチングプラットフォームを提供し、物流業界の課題解決と効率化を目指しています。
実際に、以下のサービスを提供中です。
- Giho:見積もり依頼から実物流まで一貫して管理できる国際物流プラットフォーム
- Container EC:海上運賃・スケジュールを比較してブッキングできるプラットフォーム
また、現在は新たに航空輸送に対応したサービス「Giho Air」の展開に向け、準備を進めています。
【事業内容:Giho】
Giho(ギホー)は、Willboxが提供する先進的な物流プラットフォームです。このシステムは、見積もり依頼から実際の物流業務までを一貫して管理できるよう設計されています。
具体的には、コンテナの発注、物流費の分析、案件管理など、物流に関連するすべてのサービスを包括しています。これにより、ユーザーは物流プロセス全体を効率的かつ効果的に管理することが可能です。
【Gihoの特徴】
Gihoの主な特徴は、物流が可視化されているところです。
①輸送コスト削減
港を変更して鉄道輸送に切り替え、12%ものコスト削減を実現するなど、物流を最適化することで平均15%のコストを削減。競合他社よりも低いコストを提示しています。
②独自のコネクション
全国160社を超える物流事業者データベースとの連携により、様々な選択肢を提供。実際に、既存会社だけでは用意することのできなかったコンテナ数をWillboxが調達した事例もあります。
③豊富なデータベース
1070航路、1938のルートを提供しており、ニーズに合わせて最適な条件の物流を提示することができます。また、見積もりから物流の手配までを一貫して行うため、細かい部分まで安心して任せていただくことができます。
【事業内容:Container EC】
Container ECは、海上運賃やスケジュールを簡単に比較・ブッキングできるサービスです。このプラットフォームは、コンテナ手配を効率化し、時間とコストの削減を実現します。
【Container ECの特徴】
①船会社の知識不要
複数の船会社をまたいだ検索も簡単にできるため、それぞれの会社が所有する船の種類などを気にせずに利用できます。
②豊富な航路とルート
日本から出発している主要な航路を網羅。必要な情報(出発港、到着港、日付、コンテナサイズ)を入力するだけで、1070航路・2128ルートの中から複数の選択肢を一覧で確認できます。
③簡単な操作
検索から、一覧表示、依頼までが専門知識がなくても利用できるようになっています。また、見つけた航路や条件を確認した後、そのままブッキングリクエストが可能。シンプルな操作で、発注までの流れがスムーズです。
④初期費用・月額費用なし
Container ECは、ブッキングまでのサービスはアカウント作成だけで利用できます。実際にコンテナスペースが確保された時のみ手数料(5%)が発生。実際にそのため、初期費用や月額費用を気にせず気軽に使うことができます。
【こんな方におすすめ】
- 荷主(Shipper)
自社で輸出手配を行いたい、またはコスト削減を目指す企業。 - 物流事業者(Logistics)
複数の選択肢から最適な物流手配を行いたい企業。 - フォワーダー(Forwarder)
日本からの主要航路をカバーし、独自の物流ニーズに合わせた手配ができるサービス。
【資金調達】2024年10月にシリーズAで7億円を調達
Willboxは、2024年10月24日、シリーズAラウンドで総額約7億円の資金調達を実施したと発表しました。投資家一覧は以下の通りです。
- 既存投資家:
- SMBCベンチャーキャピタル(リード投資家)
- 三菱UFJキャピタル
- 丸紅ベンチャーズ
- ANOBAKA
- 新規投資家:
- 米国セールスフォースの投資部門であるSalesforce Ventures
- Golden Asia FundⅢ
- みずほキャピタル
この資金調達により、Willboxは顧客基盤の拡大やサービス開発の加速、国内拠点の強化、さらには台湾における事業立ち上げを進める予定です。
投資家は、Willboxのリーダーシップと業界における変革力に対して高い期待を寄せています。
投資家のコメント
- SMBCベンチャーキャピタル
- 物流業界の課題に対し泥臭く向き合い、幅広い物流機能を提供するマーケットプレイスへと進化した点を評価。
- 丸紅ベンチャーズ
- Gihoを用いた国際物流業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に期待を示しました。
- 三菱UFJキャピタル
- 業界全体の標準化・効率化に向けた取り組みを評価し、Willboxの中心的役割に期待を寄せています。
- Salesforce Ventures
- Gihoが提供する新たな価値やSaaS領域での成長可能性に注目。
- Golden Asia FundⅢ
- Willboxが業界のデジタル変革に大きな影響を与えると考え投資を決定。
- みずほキャピタル
- 国際物流のDX化を実現するために必要な業界内の連携を進めるWillboxの実行力に期待を寄せています。
【市場規模】輸送・物流サービスは世界で約11.4兆ドル規模
グローバル化に伴い、国際的なもののやり取りは活性化の一途をたどっています。世界における輸送・物流サービスの市場規模は2024年に約11兆4,000億米ドルとなり、2030年までに7.6%(CAGR)成長すると予測されています。
一方、国内物流市場の動向は、人手不足や就業時間制限、物価の高騰などにより停滞している現状もあります。そんな状態の今だからこそ、Willboxのようなサービスの価値が高まっています。
【Willbox設立者インタビュー】
代表 神 一誠
神氏は、家業の梱包会社に入社し、台湾の工場で大型産業機械の輸出用梱包箱製作や木箱設計のノウハウを現場で学びました。現場では、各貨物に合わせた個別の梱包が必要で、梱包情報が属人化していることに気付きました。この情報が確定しない限り、次の輸送手続きも決まらず、物流案件の進行が難しくなることを実感。また、多重下請け構造によって荷主との直接的な連携が難しく、新規案件の獲得に困難を感じていました。
その後、梱包ノウハウを教えてくれた職人、ギホーさん(陳技芳)からの影響を受け、彼の技術を尊敬しつつ、情報の非対称性を解決する必要性を強く感じました。これにより、梱包ノウハウを核としたマッチングプラットフォーム「Giho Sea」を開発。プロダクト名には、ギホーさんの名前を起用しました。そして、国際物流の構造改革を目指して、Willboxを設立し、物流業界全体の効率化を推進しています。
将来的には、海外進出も視野に入れ、日本国内だけでなく、各国における物流事業者のデータベースを構築し、現地を含めた国際物流の改革を進めることを目指しています。
【企業概要】
- 会社名 Willbox株式会社
- 代表 神 一誠
- 創業 2019年11月19日
- 資本金 100,000,000円(資本準備金含む)
- 株主構成
- SMBCベンチャーキャピタル株式会社
- 丸紅ベンチャーズ株式会社
- 株式会社ANOBAKA
- Salesforce Ventures(米国)
- 三菱UFJキャピタル株式会社
- Golden Asia Fund(ITIC)(台湾)
- LaunchPad Fund株式会社
- 守屋 実
- 事業内容:国際物流プラットフォームの開発・運営
- サービス名
- Giho
- Container EC
- Giho Air
- オフィス
- 本社:〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目3−1クイーンズタワーA 14階 TEL:045-263-9188
- 神戸オフィス:コワーキングスペース「120WORKPLACE KOBE」
まとめ
本記事では、Willbox株式会社について紹介しました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
Willbox株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。