ドローン技術を駆使し、夜空を舞台にした最先端エンターテインメント「ドローンショー」を提供する株式会社ドローンショー・ジャパン(以下、ドローンショー・ジャパン)。
国内トップの実績を誇る同社は、独自に開発したドローンと自社完結型の運営体制を武器に、多くの企業や自治体から支持を集めています。観客に感動を届けるだけでなく、広告や地域活性化の新たな可能性を切り拓くその取り組み。
この記事では、ドローンショー・ジャパンの事業内容、最新プロジェクト「Soar」、そして将来展望について詳しくご紹介します。
事業内容:国内No.1のドローンショーを開発・提供
ドローンショー・ジャパンは、日本国内でいち早くドローンを活用した航空ショーを事業化し、業界をリードしています。ドローンショーとは、夜空を舞台に高輝度LEDを搭載した無数のドローンが織りなす光のパフォーマンスを楽しむ、最先端のエンターテインメントです。
プログラムされた振り付けや色鮮やかな光の軌跡により、観客に驚きと感動を提供します。さらに、花火や風景との融合によるダイナミックな演出は、誰もが心を奪われる特別な体験を生み出します。
最大の強み:ドローンショーに関わる全工程を自社開発
ドローンショー・ジャパンの最大の特徴は、ドローン機体の開発からアニメーション制作まで、全ての工程を自社で手掛けている点です。この「自社開発」の力が、他社にはない競争優位性を生み出しています。
同社が開発した専用ドローンは、最大20分間の飛行が可能で、強風や雨といった悪天候にも対応できる高い耐久性を備えています。さらに、演出に必要なアニメーションを全て社内で制作しており、そのパフォーマンスの質は折り紙付きです。これにより、他社には真似できない高いコストパフォーマンスと独自性を実現しています。
提供価値:企業・自治体の新たな広告手段に
ドローンショーは、圧倒的な集客効果と話題性を兼ね備えていることから、自治体や企業の新たな広告手段として注目されています。実際に、ドローンショーの鮮烈なビジュアルは観客に強い印象を与え、SNSやメディアでの拡散効果を生み出しました。
このように、ドローンショーはイベントプロモーションやブランディングの新たな手段として、その地位を確立しています。
事業実績:大阪・関西万博のPRイベントなどを担当
ドローンショー・ジャパンは、その技術力と創造性を武器に、設立からわずか4年余りで300以上のイベントを成功させるという実績を誇ります。2023年末には、人気アニメ『鬼滅の刃』や『エヴァンゲリオン』をテーマにしたショーがSNSで大きな話題を集めました。
さらに、「STARDANCE in 横浜・八景島シーパラダイス」では、1,000機のドローンを駆使した壮大なパフォーマンスを披露。大阪・関西万博のPRイベント「6 Months to go! スペシャルドローンショー」では、未来の万博を象徴する革新的なショーを展開しました。その活躍は日本国内にとどまらず、さらなる成長が期待されています。
新事業:電通と低空経済活性化プロジェクト「Soar」を始動
ドローンショー・ジャパンは2025年1月15日より、電通の協力のもと、LEDドローンを活用した新たなプロジェクト「Soar(ソアー)」を始動しました。このプロジェクトは、低空経済領域において新たな空間価値を創造し、多様な活用シーンを提供することを目的としています。
電通のマーケティング支援と、ドローンショー・ジャパンが培った技術力・実績を融合させることで、企業のマーケティングや地域観光における新しいソリューションを提供するとのことです。
「低空経済」とは:高度1000メートル以下の低空域を活用した新たなビジネス
「低空経済」とは、高度1000メートル以下の低空域を活用し、新しいビジネス価値を生み出す取り組みのことです。この分野は中国や北米を中心に注目されており、日本国内でも需要が高まりつつあります。
現状、ドローンショーの利用は単発イベントに留まるケースが多く、法規制や天候など提供可能な環境に制限があったため、他のマーケティング施策との連動性や効果検証などに課題がありました。
しかし、「Soar」は、LEDドローンによる鮮烈なビジュアルとSNSの拡散力を活かして、リアルとデジタルをつなぐ新たな体験価値を提供します。これにより、企業のマーケティングROIの向上や、地域観光の新しい魅力創出を目指します。
Soarのサービス提供内容
「Soar」では、次のようなサービスを提供しています。
- SNS広告連動型パッケージ
- ドローンショーの実施とSNS広告を組み合わせたプランで、広告出稿費を削減しながら高いプロモーション効果を実現。ドローンショーの映像を活用した広告配信により、幅広い層へのリーチを可能にします。
- サンプリング連動型パッケージ
- ドローンショーとリアルでの商品サンプリングを組み合わせ、空中に表示されるQRコードを活用してクライアント商材をPR。さらに、観客の歓声を数値化してプロモーション効果を測定する革新的なアプローチを採用しています。
今後の展開と新たな可能性
「Soar」では、以下の取り組みによって、さらなる価値創出を目指しています。
- マーケティング効果の調査・分析:ドローンショーの影響力を具体的なデータで明らかにし、企業のマーケティング活動における効果を最大化
- 常設型ドローンショーの企画・運営:観光地や商業施設において定期的なショーを実施し、地域の集客力を向上
- ドローンショークリエイターコンテスト:新たな才能を発掘し、ドローンショーの品質を向上
- 業界標準化の推進:ドローンショーのデータフォーマットを統一し、効率的な運営と業界全体の成長を推進
資金調達:2024年9月にシリーズAにて5億円を調達
2024年9月4日、ドローンショー・ジャパンは、シリーズAラウンドにて総額約5億円の資金調達を完了しました。調達した資金は、さらなる事業拡大に活用するとしています。
【資金調達の概要】
- 投資ラウンド:シリーズA
- 調達時期:2024年9月4日
- 調達金額:5億円
- 調達方法:第三者割当増資およびシンジケートローン
- 出資者:三井住友海上キャピタル、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、イノベーション・エンジン、HED、QRインベストメント、Carbon Ventures、その他の金融機関
資金調達の目的:事業拡大と市場への対応
ドローンショー・ジャパンは、「世界をエンタメ化する」をミッションに掲げ、LEDライトを搭載したドローンを使ったエンターテインメントショー「ドローンショー」をより多くの人に楽しんでもらうため、急ピッチで事業拡大に取り組んでいます。
実際に、ドローンショー市場は2023年に約330億円規模に達し、今後も年間20%以上の成長が見込まれる成長市場です。その勢いは凄まじく、2030年には約1500億円規模の市場に拡大すると予測されています。
こうした市場成長に応えるため、同社はショーの価格低下が普及の鍵と捉え、ドローン機体のコストダウンに注力しています。ドローンショー・ジャパンは国内唯一のドローンショー専用機体の開発・製造企業として、高品質かつ低価格なサービスを提供し、市場拡大に貢献する方針です。
【具体的な調達資金の用途】
- さらなる製品開発:需要にフィットしたスペックを持ち、低価格で世界市場への展開を見据えた機体開発
- 採用強化:開発やクリエイティブ、現場運用などプロフェッショナル人材の採用強化
- 東京オフィス開設:事業拡大に伴い2024年秋を目処に東京オフィスを開設
- 2024年10月10日に東京本社開設を発表
市場規模:ドローンショー市場は2030年に約8.3億ドル規模へ
ドローンライトショー市場は、エンターテインメント業界において急速な成長を遂げています。調査企業QYResearchによれば、2023年の市場規模は約2億5783万ドルであり、2030年には8億2568万ドルに拡大すると予測されています。この期間の年平均成長率(CAGR)は16.85%と高水準を維持しており、今後も成長が続く見込みです。
地域別では、中国市場が突出した存在感を示しています。2023年時点での市場規模は約1億2530万ドルに達し、世界市場全体の約48.60%を占める計算です。中国以外でも、北米、ヨーロッパ、アジア地域などで市場拡大が進んでおり、今後のグローバルな成長が期待されています。
ドローンショー市場を牽引する法人利用
ドローンショー市場の成長を主導しているのは、企業による活用です。2023年の法人向け市場シェアは57.24%で、2030年には65.68%まで拡大する見通しです。広告やイベントプロモーション、ブランドキャンペーンなどでドローンライトショーが積極的に利用されており、企業がこの技術を新たなマーケティングツールとして採用していることが成長を後押ししています。
個人向け市場も、規模は小さいながら緩やかな成長が見込まれています。2023年には市場シェアが5.13%でしたが、2030年には6.69%に拡大する予測です。
新たなプロモーション手段としての可能性
現在、ドローンライトショー市場にはHIGH GREAT、Geoscan、DAMODAといった主要企業が存在し、2023年時点で上位5社が市場シェアの45.87%以上を占めています。一方で、中国市場を中心に新規参入企業が増加しており、今後はより競争が激化するでしょう。
ドローンショーはその視覚的なインパクトから、観光地での演出や企業プロモーションにおいて注目されています。従来の広告手法では実現できなかった斬新な表現が可能となり、ブランド価値を向上させる手段として採用する企業が増えました。このように、ドローンライトショーは新たなビジネス機会を創出する存在として期待されています。
企業概要
- 企業名:株式会社ドローンショー・ジャパン
- 代表者:代表取締役 山本 雄貴
- 設立:2020年4月1日
- 所在地
- 東京本社:〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6 東京科学大学キャンパス・イノベーションセンターINDEST 4F
- 石川本社:〒920-0025 石川県金沢市駅西本町1-6-8 ドローンショービル
- 公式HP:https://droneshow.co.jp/
まとめ
本記事では、ドローンを活用した航空ショーにおいて業界をリードしている株式会社ドローンショー・ジャパンについて紹介しました。
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