近年、Web3技術はインターネットの新たな可能性を切り拓き、私たちの生活やビジネスのあり方を変えようとしています。その中で、Web3を活用したジオソーシャルプラットフォーム「CyberTrophy」の運営会社として、注目を集めているのがカナダ発のスタートアップ「Continuum.Social」です。
リアルとデジタルを融合させたこのサービスは、観光促進や地域活性化に貢献しながら、人々の新たなつながりを生み出しています。本記事では、CyberTrophyのビジネスモデルや特徴、実績を通じて、その魅力を詳しく解説します。
事業内容:ジオソーシャルアプリ「CyberTrophy」を運営
Continuum.Socialが提供する「CyberTrophy」は、ユーザーが現実世界の特定の場所を訪れることで、アプリ上でデジタルトロフィーを収集できるプラットフォームです。アプリユーザーは観光地や街のシンボル地点を巡ることで、トロフィーをコレクションとして集め、さまざまな特典を得ることができます。
最大の特徴は、トロフィー取得の履歴がブロックチェーン技術を用いて、改ざん不可能な形で記録される点です。
ブロックチェーンとは分散型台帳技術の一種で、複数のコンピュータでデータを共有することで、データの透明性と信頼性を保証します。これにより、訪問した日時や場所の履歴が正確に記録され、外部からの改ざんや不正を防ぐことが可能です。
たとえば、ブロックチェーンを使わない場合、偽の位置情報でトロフィーを取得したり、運営側がデータを操作したりするリスクがあります。しかし、CyberTrophyではこうした不正が排除され、トロフィーが「実際に訪れた証明」として高い信頼性を持つ点が大きな特徴です。
さらに、CyberTrophyにはトロフィーをAR(拡張現実)で楽しむ機能や、他のユーザーとのトロフィー交換、コメントを通じた交流機能も搭載されています。これにより、CyberTrophyは単なるデジタルアイテムの収集を超え、人々のコミュニティ形成や地域経済の活性化をサポートしています。
CyberTrophyのビジネスモデル
Continuum.Socialが提供するCyberTrophyのビジネスモデルは、ユーザーと事業者双方に価値を提供する仕組みが特徴です。具体的には、以下の要素で構成されています。
【CyberTrophyのビジネスモデル】
- 商業利用の促進
- リアルタイム広告機能
- トークンエコノミーの導入
- データ活用による収益化
1. 商業利用の促進
CyberTrophyでは、飲食店や観光地、商業施設が自身でトロフィーを設定することができ、新規顧客を誘導できます。たとえば、観光地に限定トロフィーを設置すれば、訪問者はそのトロフィーを集めるために目的地を巡るようになるでしょう。
これにより、その地域の事業者は顧客との接点を増やすことができます。また、観光地間の回遊性が高まり、滞在時間の延長にも寄与するため、売上向上や地域全体の活性化が期待できるでしょう。
2. リアルタイム広告機能
CyberTrophyでは、トロフィー周辺にいるユーザーに対し、スマートフォンを通じてリアルタイムで広告を表示する仕組みを提供しています。このモデルはクリック課金型で運用されており、事業者にとって効率的なプロモーション手段となっています。
3. トークンエコノミーの導入
CyberTrophyでは、トロフィーを収集したユーザーにポイントが付与され、将来的にはトークンに交換可能です。このトークンは、CyberTrophyが運営するDAO(分散型自律組織)内で利用可能で、地域やコミュニティへの貢献が経済的価値としてユーザーに還元される仕組みを構築していくとしています。
4. データ活用による収益化
CyberTrophyでは収集されたトロフィーデータは匿名化され、企業や自治体に統計情報として提供されます。このデータを活用することで、事業者は効果的なマーケティング施策を検討することができます。さらに、こうして得た事業者の収益の一部は、DAOを通じてユーザーに還元される仕組みです。
CyberTrophyの特徴
CyberTrophyが他のアプリと一線を画す理由は、その技術的な革新性と独自のユーザー体験にあります。
【CyberTrophyの特徴】
- Web3とブロックチェーンの活用
- リアルとデジタルの融合
- コミュニティの形成
- カスタマイズ可能なトロフィー
1. Web3とブロックチェーンの活用
CyberTrophyは、トロフィー取得データをブロックチェーンで記録し、改ざんや偽造のリスクを排除しています。近年注目されるディープフェイクやデータ改ざんのリスクに対する有効な対策となっており、ユーザーが安心して利用できる信頼性の高さを実現しています。
2. リアルとデジタルの融合
CyberTrophyはスマートフォンの位置情報を活用し、現実世界の行動をデジタル空間に反映させます。特に、訪問地でのAR写真撮影機能は、ユーザーの特別な思い出につながるでしょう。
3. コミュニティの形成
CyberTrophyは、ユーザー同士の交流を促進する仕組みも備えています。同じトロフィーを収集した人々とコメントを共有したり、トロフィーを交換したりすることで、新たなつながりを生み出せるでしょう。
4. カスタマイズ可能なトロフィー
CyberTrophyでは、企業やイベント主催者が独自のトロフィーを作成できます。たとえば、ボランティア活動の参加者限定トロフィーやイベント記念トロフィーを発行することで、特別感を演出しつつ、参加者のエンゲージメントを高められます。
CyberTrophyの活躍実績
Continuum.Socialが提供するCyberTrophyは、実際にさまざまな場面で活躍しています。
【CyberTrophyの活躍場面】
- 京都スタンプラリーの成功例
- Asian Metaverse Summit & Awards 2024での受賞
- 大阪での地域活性化プロジェクト
京都スタンプラリーの成功例
2023年に実施された「京都の偉人スタンプラリー」では、CyberTrophyが活用され、延べ6000人以上が参加しました。観光地にARスタンプを設置し、訪問者がトロフィーを収集する体験を提供。京都の偉人をモチーフとしたトロフィーが観光客の注目を集め、地域全体の回遊性向上に寄与しました。
Asian Metaverse Summit & Awards 2024での受賞
Continuum.Socialは、2024年に開催された「Asian Metaverse Summit & Awards」で「Most Innovative NFT Project」を受賞しました。この受賞は、Web3技術を活用した革新的なプラットフォームとして、CyberTrophyが国際的に高く評価されていることを示しています。
大阪での地域活性化プロジェクト
大阪大学との連携で進められている地域プロジェクトでは、防災拠点や商業施設にトロフィーを設置し、地域住民の交流や経済循環を促進しています。この取り組みは、地域活性化モデルの成功例として注目されています。
将来展望:トークンエコノミーの普及を推進
Continuum.Socialは、Web3技術を活用して、リアルとデジタルを融合する新しい形のサービス「CyberTrophy」を提供しています。その結果、観光促進や地域経済の活性化、コミュニティの形成といった多岐にわたる課題解決に寄与しています。
将来的には、トークンエコノミーの普及を通じて、ユーザーが地域や社会に貢献した成果が経済的価値に還元される仕組みをさらに強化する予定です。私たちの日常やビジネスの新たな可能性を感じさせるContinuum.Socialの取り組みに、これからも目が離せません。
企業概要
- 企業名:Continuum.Social
- 代表者:日本法人 代表取締役 泉 征弥(いずみ いくや)
- 設立:2021年11月
- 所在地: 〒104-0061 東京都中央区銀座7-5-4-5FS
- 公式HP:https://www.continuum.social/
まとめ
本記事では、ジオソーシャルアプリ「CyberTrophy」を運営するContinuum.Socialについて紹介しました。
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