最終更新日 25/02/04
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OpenAI、調査エージェント機能「Deep Research」を発表!詳細なレポートを数十分で作成

AI
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OpenAIが新たに発表した「Deep Research」は、わずか数十分で詳細な調査レポートを自動作成できる画期的なAIエージェントです。従来のリサーチ業務を大幅に効率化し、金融・科学・政策・エンジニアリングといった専門分野の調査にも対応。出典を明示しながら信頼性の高い情報を統合し、最適なレポートを提供します。

本記事では、Deep Researchの特徴や活用方法、そして今後の展開について詳しく解説します。

Deep Researchとは:詳細な調査レポートをわずか数十分で作成

(引用:OpenAI公式HP)

「Deep Research」は、OpenAIが2025年2月3日に発表した高度な調査エージェントです。インターネット上の膨大なテキスト・画像・PDFを検索・解釈・分析することで、ユーザーが必要とするレポートを作成します。従来、人間が数時間かけて行っていたリサーチ作業をわずか数十分で完了できます。

OpenAIによると、特に金融・科学・政策・エンジニアリングといった分野において、徹底的かつ信頼性の高い調査を求めるユーザー向けに設計されているそうです。また、高額な商品(自動車・家電など)の購入前の調査にも活用できます。

この機能は、OpenAIの最新AIモデル「o3」をベースに開発され、Webブラウジングとデータ分析に特化したバージョンとして最適化されています。初期段階では、月額200ドルのChatGPT Proプランのユーザーに提供され、その後Plus(20ドル)やTeamプランのユーザーにも展開予定です。

今回のDeep Researchの発表について、OpenAIは「知識を統合する能力は、新しい知識を生み出すための前提条件だ」と発言。「新しい科学的研究を生み出すことができるAGI(汎用人工知能)の開発」という大きな目標に向けた重要な一歩となると述べました。

Deep Researchの4つの特徴

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詳細な調査レポートの作成を依頼できるDeep Researchには、以下の4つの特徴があります。

  • 高度なWebリサーチ機能
  • 信頼性の高い調査レポートを提供
  • 複雑なタスクを独立して処理
  • 強化学習を活用した柔軟な推論

1.高度なWebリサーチ機能

(引用:OpenAI公式HP)

Deep Researchは、高度なWebリサーチを自動化し、専門的な調査レポートを作成できるAIです。数百の情報源を統合し、データ分析・要約を行い、Pythonを活用した統計解析やグラフ作成にも対応します。

2.信頼性の高い調査レポートを提供

(引用:OpenAI公式HP)

AIによる情報収集では誤情報(ハルシネーション)のリスクが指摘されますが、Deep Researchは出典を明示する仕組みになっているため、データの信頼性が高いです。また、取得した情報の背景や根拠を論理的に説明する能力を持ち、より実用的なレポートを作成できます。

3.複雑なタスクを独立して処理

Deep Researchは、一度の指示で複雑なリサーチを自動で完了できます。従来のChatGPTは都度指示が必要でしたが、Deep Researchは強化学習を活用し、リアルタイムで情報を収集・統合することで、自力で最適な回答を導き出します。

「必要に応じて検索プロセスを変更し、最も適切なデータを取得することで最適なレポートを提供する点」がこの機能の大きな特徴であり、従来の検索エンジンやAIアシスタントと一線を画する部分です。

また、Deep Researchの実行には5〜30分かかるため、その間に別の作業が可能です。調査が完了すると通知が届きます。実行された手順と使用されたソースの概要を示すサイドバーが表示されるので、安心して作業を任せることができます。

4.強化学習を活用した柔軟な推論

OpenAIの「o1」モデルが持つ強化学習の手法をベースに、WebブラウジングやPythonツールを活用したタスクのトレーニングが施されています。その結果、広範な知識を統合し、専門的な領域にも対応可能なモデルとなっています。

Deep Researchの性能

(引用:OpenAI公式HP)

Deep Researchは、さまざまなベンチマークテストで、従来のOpenAIのモデルやDeepSeek-R1を大きく超える性能を示しました。

「Humanity’s Last Exam」(人類最後の試験)で26.6点を記録

3000以上の専門的な質問に対する正答率を測るテスト「Humanity’s Last Exam」で、Deep Researchは26.6点を記録しました。これは、従来の「o1」モデルの9.1点や、「o3-mini」の10〜13点を大幅に上回る結果であり、特に化学、人文・社会科学、数学の分野で優れた成績を収めています。また、最近登場した競合モデルである「DeepSeek-R1」の9.4点に対して、倍近い点数を叩き出しており、OpenAIの意地を感じさせます。

「GAIA」ベンチマークで最高スコアを更新

AIの実世界での知識活用能力を評価する「GAIA」ベンチマークでは、新たな最高スコアを記録。これにより、複雑な現実の課題に対する推論能力の高さが示されました。

Deep Researchの使い方・利用状況

現在、Deep ResearchはChatGPT Proユーザーのみ利用可能で、ChatGPTのWeb版から以下の手順でリサーチを実行できます。

  1. 入力画面で「Deep Research」を選択し、調査したい内容を入力
  2. 必要に応じて、関連ファイル(PDFやスプレッドシート)をアップロード
  3. サイドバーでレポートの進捗を確認(完了まで5〜30分)
  4. レポート内の出典・引用をクリックし元データを確認

現在は、ChatGPT Proユーザーが月100回まで利用可能で、2025年2月中にはモバイルアプリやデスクトップ版にも対応予定です。また、PlusおよびTeamユーザーにも順次展開され、その後Enterpriseユーザーにも提供する予定だとしています。

Deep Researchの将来展望

Deep Researchは、今後さらなる機能強化が予定されています。

  1. 画像やデータ可視化の埋め込み
    1. 今後数週間以内に、リサーチレポート内に画像やグラフなどのデータを表示する機能を追加予定。これにより、より直感的に情報を理解できるようになります。
  2. 専門的なデータソースへのアクセス拡張
    1. 現在はWeb検索が主なデータソースですが、今後は購読制のデータベースや企業の内部情報にアクセスし、より詳細なリサーチが可能になるとされています。
  3. エージェント機能との統合
    1. OpenAIは、今後「Deep Research」と他のエージェント機能(例: Operator)を統合し、調査だけでなく実際のタスク自動化まで行えるシステムを構築すると発表しています。
    2. たとえば、リサーチ結果を基に自動でマーケティング戦略を策定するなど、業務効率化への応用が期待されます。
  4. 低コスト・高速版の開発
    1. 現在のDeep Researchは計算リソースを大量に消費するため、利用コストが高く制限も多いですが、今後はより高速でコスト効率の高いモデルを開発して、全有料ユーザー向けの利用上限を大幅に引き上げる見込みです。

まとめ

Deep Researchは、OpenAIの最新AIモデル「o3」を活用した高度な調査エージェントであり、従来の人間によるリサーチ作業を大幅に効率化する革新的なツールです。特に、以下の点で優れています。

  • 高度なWebリサーチとデータ統合を実現
  • 出典を明示した信頼性の高いレポートを提供
  • 金融、科学、政策、エンジニアリングなどの分野に最適
  • 「Humanity’s Last Exam」で圧倒的なスコアを記録
  • 今後は画像埋め込み、データ可視化、内部データ連携が追加予定

現在はChatGPT Proユーザー向け(200ドル/月)に提供されていますが、今後はPlus(20ドル/月)やTeam、Enterprise向けにも展開される予定です。

今後、低コスト・高速版の登場により、多くのビジネスパーソンが利用しやすくなるでしょう。今のうちに仕組みを理解し、業務効率化に活用してみてはいかがでしょうか?

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