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今回紹介するスパークル株式会社(以下、スパークル)は、東北から全国の地域・地方のためにファンド事業やインキュベーション事業を展開する企業です。人口減少が進み、さまざまな課題が顕在化する東北から、地方や地域の希望になるロールモデルとして新たな経済循環を作ることを目指しています。
本記事では、その事業内容や実績について紹介していきます。
現在、スパークルが行っている事業は主に4つです。
事業内容1:ベンチャー投資を中心としたファンド事業
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スパークルが展開する1つ目の事業は「ファンド事業」です。ファンド事業とは「投資家から集めた資金を企業に投資し、その企業の価値を向上させることで利益を生み出す事業のこと」を指します。
スパークルのファンド事業では、特に地方に拠点を置く、または地方企業との取引を希望する創業間もないスタートアップが主な投資対象です。多様な企業への投資・支援を通じて、日本のスタートアップ・エコシステムの構築に貢献することを目指しています。
(※スタートアップ・エコシステムとは、新しいビジネスを生み出すスタートアップ企業を支援するための産業環境を指し、資金調達の支援やインフラ整備などを含みます。)
また、スパークルは単なる資金提供にとどまらず、投資先企業の成長を支援するために、企業の成長フェーズやニーズに応じた多角的なサポートを行っています。具体的には、VC(ベンチャーキャピタル)や投資家の紹介、ビジネスマッチング、採用支援、PR・広報活動のサポート、さらには事業戦略や資本政策の策定まで、多岐にわたる支援を提供しています。
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事業内容2:起業を支援するインキュベーション事業
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スパークルが展開する2つ目の事業は「インキュベーション事業」です。これは「新たに起業を目指す人々に対して必要な資源を提供し、その成長を支援すること」を目的とした事業です。
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スパークルは、これまでに培ってきた地方自治体や大学などの支援団体、官公庁を含む広範なネットワークを活用し、起業家の支援やスタートアップ・エコシステムの構築に取り組んでいます。
独自の起業支援プロセス
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スパークルの起業支援は、独自のプロセスに基づいて段階的に進められます。
- フェーズ1:起業準備
- 事業アイデアの探索
- 仮説検証の準備
- 市場や課題の検証
- 解決策の検証
- フェーズ2:起業~事業拡大
- ビジネスの立ち上げ
- 資金調達支援
- 事業の拡大
このように、スパークルのインキュベーション事業では、起業準備の段階から事業拡大に至るまで、手厚いサポートを提供しています。
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事業内容3:スタートアップから広がる輪を作るコミュニティ事業
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3つ目はコミュニティ事業で、起業家や起業家を目指す方が交わる場を提供しています。具体的には、事業を次のステージへと進めたい起業家、これから起業を考えている人、そしてスタートアップを支援したい人たちが集まり、ネットワークを広げる機会を提供。
こうした交流の場を設けることで、東北地域における新たなスタートアップの創出を促し、スタートアップ・エコシステムの発展を加速させることを目指しています。
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参加者は2025年2月10日現在で283名ほどおり、イベントは毎月~四半期程度で開催されています。
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事業内容4:事業の課題に寄り添う経営ソリューション事業
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4つ目の事業は「経営ソリューション事業」です。この事業は、企業が抱える経営上の課題を解決することを目的とした支援サービスです。
スパークルは、主に東北地域の企業を対象に、経営戦略の策定や業務改善、新規事業の立ち上げ、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進など、幅広い領域で包括的な支援を行っています。特にDXやデジタライゼーション支援を強みとしており、スタートアップが直面する多様な課題に対して、実践的な解決策を提供することに注力しています。
スパークルに依頼するメリット
1.上流から下流まで幅広い要望に応える支援
- 経営理念を実現するための戦略策定支援から経営に直接参画するハンズオン支援までコンサルティングの中で発見した課題を一貫して解決支援してくれます。
2.東北にこだわったプロフェッショナルのサポート
- 東北地域に対して熱い思いをもって業務に取り組んでいるメンバーが顧客に伴走した支援を行います。
支援の流れ
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依頼してから支援するまでの流れは、
- 依頼、相談
- 課題の抽出
- 戦略・計画策定
- 実行・効果測定となっています。
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実績:「スパークル1号ファンド」総額約10億円の組成完了
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スパークルは2024年11月8日、10億円規模で「スパークル1号投資事業有限責任組合」(以下、本ファンド)をファイナルクローズしました。
本ファンドは、地域とスタートアップの共創による新しい産業の創出と、地域の振興を目指し、シード〜アーリー段階を中心とした地域発・地域着の13社程度への投資を決定・実行しました。これにより、地方から新しい経済循環を生み出し、その流れを他の地域、そして全国へ波及されることを期待しています。またスタートアップの成長に伴う地域の中核企業の業務推進や新規事業の創出に繋げ、世界へと飛び立つための支援をおこなうことを目的としています。
なお、今回のファイナルクローズに際し、東邦銀行が新たに本ファンドに加入しました。最終的に、地域企業や地域に対して志のある25者の方々も本ファンドに参加し、地域全体での協力体制を強化しています。
【本ファンドの概要 】
- 名称 :スパークル1号投資事業有限責任組合(経済産業省エンジェル税制認定投資事業有限責任組合)
- 設立日 :2023年9月22日
- 存続期間:10年間(2年延長可)
- ファンド運営会社(GP):スパークル1号有限責任事業組合(福留 秀基、スパークル株式会社を含んだ組合)
- 有限責任組合員(LP):
- 株式会社東邦銀行、株式会社ソユー、株式会社山一地所、能代電設工業株式会社、株式会社仙台協立、リージョンズ株式会社、福留大士様、岩佐大輝様、千葉知裕様、高野秀敏様、麻生要一様等、日本各地の地域企業、地域振興に志を持つ個人投資家(順不同)
- 投資対象:
- ①地域企業との取引や新規事業創出を明確に目指すポストシード~アーリー期のスタートアップ
- ②web3.0や研究開発型スタートアップ(ディープテック)などの地域独自の資源を活用したプレシード期~シード期のスタートアップ
市場規模:世界のベンチャーキャピタル投資市場規模2032年までに1兆3,108億米ドルに達する見込み
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世界のベンチャーキャピタル投資市場規模は、2023年に2,848億米ドルに達しました。ベンチャーキャピタルとは、未上場の新興企業に出資して株式を取得し、将来的にその企業が上場した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのことを指し、スパークルのファンド事業などがこれに該当します。
今後、IMARC Groupは、2024年から2032年にかけて17.9%の成長率(CAGR)を示し、2032年までに1兆3,108億米ドルに達すると予測しています。同市場は、アーリーステージの新興企業に対する資金調達機会の増加、イノベーションと起業家精神の高まり、ベンチャーキャピタルを惹きつける人工知能(AI)、ブロックチェーン、バイオテクノロジー、クリーンエネルギーソリューションの活用の高まりなどを背景に、着実な成長を遂げています。
主な市場促進要因に挙げられるのは、技術の進歩、新興国における市場の可能性、強固な起業エコシステム、多様な人材プールへのアクセスです。また、市場の変動、規制の変更、新興企業の実行可能性を評価するためのデューデリジェンスなどが課題として挙げられますが、革新的な新興企業への投資、新興市場への進出、持続可能性やESGの原則に沿った投資などの機会があれば、これらの課題を克服できると予測されており、これによってスパークルもファンド事業を中心にさらに事業を拡大させていくことが期待されます。
創業者プロフィール:福留 秀基
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プロフィール
- 氏名:福留 秀基
- 出身:大阪府堺市
- 生年月日:1992年生まれ
略歴
- 東北大学大学院通信工学専攻修了
- 2017年4月より株式会社シグマクシスにてデジタル戦略コンサルタントとして従事
- 2019年12月より株式会社MAKOTOキャピタルで代表取締役
- 2022年9月よりスパークルに参画、現在代表取締役
企業概要
- 企業名:スパークル株式会社
- 代表者:福留 秀基
- 設立:2019年3月1日
- 所在地: 〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央4丁目4−19 アーバンネット仙台中央ビル 2階
- 公式HP:https://www.spurcle.jp/
まとめ
本記事では、スパークル株式会社について紹介しました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
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