
世界的な健康志向の高まりに伴い、抹茶がスーパーフードとして注目を集めているのをご存じですか?アメリカやヨーロッパを中心に、コーヒーの代替品としての人気が高まっています。この記事では、抹茶マシンなどを取り扱う「CUZEN MATCHA(読み:くうぜんまっちゃ)」の事業を展開するWorld Matcha株式会社(以下world Matcha)についてその事業内容や理念、抹茶の効能までを詳しく解説します。
抹茶の効能に注目した事業
2014年ごろからアメリカでは抹茶ブームが始まりました。効能や味、見た目に加え、インフルエンサーの紹介の影響も大きく関係していると思われます。抹茶を飲むことで得られる効能を簡単に紹介します。
〈抹茶の効能〉
・デトックス作用
・テアニンとカフェインのダブル効果
・サステナブルエナジー
・集中力の向上

・デトックス作用
茶葉をお湯で抽出し、茶殻として栄養の約70%が捨てられてしまう煎茶に対し、抹茶は茶葉を臼で挽き、お湯で溶かして飲むため、栄養をまるごと摂取できます。そのため、抹茶には水溶性・不溶性どちらもの食物繊維が含まれ、腸内環境を整え、便秘改善やデトックス作用が期待できるのです。

・テアニンとカフェインのダブル効果
抹茶は、茶葉に覆いをかけて育てられているため、テアニンを多く含みます。テアニンはリラックス効果があり、カフェインとの相乗効果を発揮して気持ちを落ち着けつつ、カフェインの覚醒作用で気分を高めます。これにより、抹茶はカフェイン単体よりも効果的に心身を整える効果があります。

・サステナブルエナジー
コーヒーは飲後にカフェインが急激に上昇し、後に下降するため「カフェインクラッシュ」が起こりますが、抹茶はテアニンによりカフェインの効果がゆるやかに持続します。これにより、抹茶はリラックス効果や集中力向上が期待でき、エネルギーが持続することから「サステナブルエナジー」と呼ばれ、コーヒーの代替として人気が高まっています。

・集中力の向上
P: プラシーボ T: テアニン 100mg C: カフェイン 50mg T+C: 混合
抹茶に含まれるカフェインとテアニンは、それぞれ覚醒作用とリラックス効果があります。研究によると、カフェイン単体やテアニン単体よりも、両者を同時に摂取することで集中力が向上することが確認されています。
World Matchaとは
World Matchaは、塚田英次郎氏をCEOとし、アメリカ・カリフォルニア州と日本・東京目黒区の2つの拠点を持つ会社です。抹茶マシンや抹茶リーフなど、抹茶を中心に取り扱った「CUZEN MATCHA(読み:くうぜんまっちゃ)」事業を展開しています。創業者の「コーヒーのエスプレッソマシンのように、挽きたて抹茶の美味しさを簡単に味わえるマシンはつくれないだろうか?」という思いを基にして、個人用、法人用のどちらにも抹茶マシンなどのサービスを提供しています。
事業内容:抹茶本来の味をより簡単に
World Matchaは抹茶本来の味と香りを届けるため、以下の事業を展開しています。
- 抹茶マシン:抹茶リーフをその場で挽き、新鮮な抹茶を楽しめる
- オーガニック抹茶リーフ:高品質な有機栽培の茶葉を厳選して提供
- アクセサリ:抹茶を楽しむための専用カップやツール
- 交換部品:CUZEN MATCHAの長期使用をサポートするための部品提供
- BtoB戦略:カフェやレストラン向けのプロダクト
抹茶マシン
挽きたての抹茶を自宅で手軽に楽しめる抹茶マシン。CUZEN MATCHAのマシンは、独創的なアイデアで作られています。その魅力を詳しく解説します。
- 鮮度のこだわり:挽きおき(粉で保管する抹茶)は、茶葉に比べて表面積が広いため、クロロフィルの量が減少し、酸化が進みやすくなります。この酸化により、抹茶は黄味がかった茶色に変わり上述の効果が減少してしまうのです。World Matchaはさまざまな工夫でこの「酸化」を防いでいます。

・独自のセラミック臼:従来のグラインダーでは平均粒径100-200マイクロメートルが一般的で、粗い口当たりでしたが、World Matcha の抹茶マシンでは、雑な溝パターンを持つセラミック製の臼を使用し、粒子サイズは20マイクロメートル程度と伝統的な石臼と同じレベルの滑らかさまで細かくすることを実現。軽量化した機械で、短時間の自動運転で茶葉を挽くことができます。

保存にはアルミニウム製の茶筒を使用。最大20杯分の抹茶リーフの鮮度を保てる作りになっています。
スターターキット 39,600円(税込)

マシン全体は円窓をモチーフにした禅を感じるスタイリッシュなデザインになっています。スターターキットは税込39,600円から販売していて、オリジナルホワイトとSUMIブラックの2色展開です。こちらのURLを参照してください。→スターターキット詳細
開発ストーリー

塚田英次郎氏はサントリーでの経験を通じ、ペットボトルでは茶葉本来の味や香りを届けることに限界を感じていました。アメリカの抹茶ブームをきっかけに、抹茶の魅力に惹かれ、サンフランシスコで抹茶カフェ「Stonemill Matcha」を成功させましたが、挽きたて抹茶の提供が難しく、新たな方法を模索。
「コーヒーのエスプレッソマシンのように、挽きたて抹茶の美味しさを簡単に味わえるマシンはつくれないだろうか?」
この思いを基にして親友の八田大樹氏とともに、誰でも簡単に挽きたて抹茶を楽しめるマシンの開発に挑戦し、お茶産業の活性化を目指すことを決意しました。
そして「CUZEN MATCHA」は、挽きたて抹茶を自宅で簡単に楽しめるマシンを開発。チームは、石臼で挽いた細かい抹茶を小型化し、セラミックミルを使用して6.1ミクロンの抹茶を実現。また、茶筅の動きを参考にして簡単に泡立てられる機能を加え、環境にも配慮。マシンは、毎日使いやすく、利便性と環境への配慮を両立させています。デザインは禅を感じさせる円窓をモチーフにしています。
市場規模
(Image Source )
抹茶市場は、2029年には約2.89億ドルに達する見込みで、年平均成長率(CAGR)は4.17%です。市場の成長は、抹茶の健康効果への関心や、高品質で本物志向の消費者の増加に支えられています。また、抹茶の多様な用途(飲料、スナック、美容製品など)が市場を拡大させています。
資金調達 シリーズAラウンドの最終クロージングで約7億円を資金調達

World Matchaは、2024年1月23日にデジタルガレージグループをリード投資家としてシリーズAラウンドの最終クロージングで500万ドル(7憶円)の資金調達を完了しました。これにより、業務用抹茶マシンの開発・導入を加速し、海外と日本国内のカフェやレストランでの抹茶メニュー提供に対応する予定です。また、組織づくりも進める計画です。
会社概要
日本 World Matcha 株式会社
本社所在地 〒153-0043 東京都目黒区東山 3-1-19 メゾン池尻大橋 607号室
代表取締役 塚田 英次郎
設立 2019年2月19日 E-mail japan@cuzenmatcha.com
アメリカ World Matcha Inc.
本社所在地 55E 3rd Ave, San Mateo,CA 94401
創業者 塚田 英次郎(CEO) E-mail: hi@cuzenmatcha.com
まとめ
本記事では、抹茶の魅力を世界に提供しているWorld Matcha株式会社について紹介しました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
World Matcha株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。