現在、海藻が環境問題や健康問題を解決するスーパーフードとして注目されているのをご存じでしょうか。
海藻は成長が早く、収穫を繰り返すことで二酸化炭素の吸収力を高め、環境改善に貢献することや代替プラスチックや医療用カプセル、繊維素材としても活用可能で、環境負荷を軽減することで知られています。
また健康面では、海藻はコレステロール値を下げる、糖尿病に効果があるなどの医学的なエビデンスがあり、不溶性食物繊維が豊富で腸内環境を整え、肌やメンタルの改善にも効果があることやタンパク質源としても期待されています。
今回紹介する企業はAqua Theon Inc.(以下、アクアセオン)は、海藻の「健康」「サスティナビリティ」「美味しさ」の特性を活かし商品や技術を開発する企業で、多くの海藻由来の製品を開発しています。その中でも特に和菓子ブランドである「MISAKY.TOKYO」が今注目を集めています。
今回の記事では、「MISAKY.TOKYO」の概要や他の事業などについて紹介していきます。
事業内容１：LA発の和菓子ブランド「MISAKY.TOKYO」
アクアセオンが展開する「MISAKY.TOKYO（ミサキ・トウキョウ）」は、ロサンゼルス発の和菓子ブランドです。このブランドは、400年以上の歴史を誇る日本の伝統的な和菓子「琥珀糖」を、フルーツやフラワーなどのナチュラルフレーバーを加えて独自にアレンジしたラグジュアリー和菓子を提供しています。琥珀糖の原材料には海藻由来の寒天が使用されています。
特徴①華やかな見た目
ミサキ・トウキョウの作る琥珀糖の最大の魅力は、何といっても見た目の華やかさです。その美しさから多くの注目を集めています。
季節ごとにコンセプトを変更し、味や成分だけでなく見た目にもこだわった製品を提供していることから、SNSでも大きな反響があります。2025年3月3日現在、Instagramのフォロワー数は7.2万人、TikTokのフォロワー数は140万人を超え、広く注目されています。また、2020年11月には世界的なセレブリティ、キム・カーダシアンのフレグランスブランド「KKW Fragrance」とのコラボレーションを実施しました。その他にも、Forbes(USA)で取り上げられ、ニーマン・マーカスやNOBUといった世界的なラグジュアリー小売店にも商品を提供するなど、世界中で高い人気を誇っています。
特徴②完全無添加、グルテンフリー対応
さらに、ミサキ・トウキョウは製品の品質にもこだわり、すべての和菓子がヴィーガン、グルテンフリー、無着色、無添加です。一般的な海藻製品はビタミンCに弱いため、添加物や人工甘味料が使われることが多いですが、ミサキ・トウキョウでは、消費者の関心が高まっている低糖・無添加の商品を提供しています。独自の技術でナチュラルなフルーツやハーブを混ぜても分離しない製品の開発を成功させています。
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事業内容２：日本の寒天を使った世界初のジュース状機能性飲料「OoMee」
アクアセオンは、琥珀糖の他に日本の寒天を使ったアメリカ初のジュース状機能性飲料「OoMee（ウーミー）」を提供しています。この飲料は、寒天をベースにした健康的なフルーツドリンクです。通常、寒天は煮込むとゼリー状になりますが、アメリカではゼリーを食べる文化があまりないため、ゼリー化せず、寒天の特性であるビタミンCに弱い点をカバーしながら無添加のドリンクとして提供されています。また、いちごやブルーベリーなどのフルーツと香り高いハーブを加え、海藻由来の食物繊維を美味しく摂取できるように工夫されています。
商品名には、地球環境へのサステナビリティを意識した「海」という意味と、環境や健康に配慮した商品を日常的に楽しむ自分に「Oo, Mee（私、最高！）」と誇りを持ってほしいという思いが込められています。さらに、この製品もビーガン、グルテンフリー、無添加、無着色にこだわり、腸内環境を整えるだけでなく、持続可能な未来を目指す自然環境との調和を大切にしています。
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事業内容３：海藻由来の食べられる容器「テキーラボール」
こちらは、海藻から作られた膜で液体を包んだ「テキーラボール」です。こちらは、鳥取県産業技術センターが開発した、海藻から作り出した膜で醤油を包む技術を応用してつくられたものです。共同で開発を進める中で、高濃度アルコールを包み込む技術が確立され、現在ではテキーラやジン、ウィスキー、日本酒などの高アルコール飲料や、オレンジジュースなどの低pH液体も自由な形や大きさで包むことができるようになりました。
この技術により、口の中で膜が弾ける新しい食感を楽しめるとともに、食べられる容器を提供することで、従来プラスチックを使用していたジュース類の容器の脱プラスチックに貢献しています。プラスチック代替品として、さまざまな素材に対応できるこの技術は、環境への配慮をしながら、より便利で楽しい体験を提供します。
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また、このプロジェクトの全体の目的は地方創生の新しいビジネスモデルを築くことです。地方の優良企業や、まだ活用されていない技術を見つけ出し、それをグローバルに展開することで、地方創生に貢献することを目指しています。この取り組みの一環として、技術を共同開発した鳥取県産業技術センターと共に、現在特許を出願しています。アクアセオンは今後も、地方から世界へ挑戦ができる、そして地方創成を可能にする新しい形のビジネスモデルを創り出していくスタートアップ企業を目指して積極的に取り組んでいくと発表しています。
資金調達：プレシリーズA総額で約10億円を調達
Cashi Cake inc. (旧アクアセオン)は、2024年11月26日、プレシリーズA1stに引き続き、プレシリーズA2ndを実施し、Beyond Next Ventures株式会社を中心にプレシリーズAラウンドで総額約10億円の調達を実施しました。
また「Aqua Theon Inc.(アクアセオン)」へ社名を変更し、最高執行責任者(COO)としてLauren Smith氏を、最高イノベーション責任者(CIO)としてAri Mackler氏を迎えました。資金調達、社名変更、CXOの参画により経営体制の強化を進めており、日本の海藻技術の発信を、さらに加速すると発表しています。
市場規模：健康飲料市場、2033年に6197億米ドルに達する見込み
世界の健康飲料市場は、2024年に417億7,700万米ドルと評価され、2033年までに6,197億米ドルに達すると予想されています。これは、2025年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)が4.48％に達することを意味します。
この市場の成長を支える主要な要因の1つは、機能飲料に対する需要の増加です。消費者が健康に良い効果を期待してパッケージ化された製品を選ぶ傾向が強まっています。特に、ビタミンやミネラルを含むドリンク、プロバイオティクス飲料、スーパーフードなどの製品が人気を集めており、免疫力の向上や減量、消化機能、精神衛生の改善など、特定の健康効果をターゲットにしたドリンクが増加中です。このような健康増進効果を持つ製品が市場の拡大を後押ししています。
アクアセオンが提供するウーミーも、これらの健康飲料の一環として市場に位置づけられます。そのため、市場の成長に伴い、アクアセオンの事業の拡大も期待されています。
企業概要
- 企業名：Aqua Theon Inc.
- 代表者：三木アリッサ
- 設立：2019年09月
- 所在地： Torrance, California 90504 United States of America 18436 Hawthorne Blvd, Suite 208
- 公式HP：https://aquatheon.com/
まとめ
本記事では、Aqua Theon Inc.について紹介しました。
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